岩倉市の「自治基本条例」を廃止せよ!!
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夫婦別姓論議に欠ける子供の視点 2015.11.5 4日は最高裁大法廷で夫婦別姓(氏)をめぐる訴訟の弁論が開かれるとあって、日経新聞と朝日新聞の朝刊1面コラムが、それぞれこの問題を取り上げていた。夫婦別姓に賛成・推進する立場で書かれたこの2つのコラムを読んで感じたのは、立論の前提、出発点が異なり、議論がかみ合わないもどかしさだった。 「誰かに迷惑もかけない。コストも知れている。歩みの遅さを合理的に説明するのは難しい」 日経はこう書いていたが、夫婦別姓論議でいつも気になるのが、当事者である子供の視点の欠落だ。子供の意見を反映した調査がなかなか見当たらないので少し古くなって恐縮だが、平成13年に民間団体が中高生を対象に実施したアンケート結果を引用したい。それによると、両親が別姓となったら「嫌だと思う」(41・6%)と「変な感じがする」(24・8%)との否定的な意見が、合わせてほぼ3分の2に達している。一方、「うれしい」はわずか 2・2%しかいなかった。 また、20歳以上の成人を対象とする内閣府の世論調査(24年12月実施)でも、夫婦の名字が違うと「子供にとって好ましくない影響があると思う」と答えた人が 67・1%に上り、「影響はないと思う」(28・4%)を大きく上回った。 夫婦別姓というと、両性が納得すればいいと思いがちだが、夫婦が別姓を選択した場合、子供は必ず片方の親と別姓になる。ことは夫婦のあり方だけの問題ではなく、簡単に「誰かに迷惑もかけない」と言い切れるような話ではない。 日経コラムはさらに、こうも書いている。「反発する人の声から『自分と違う価値観を持つ人間が、とにかく許せない』との響きを感じることがある」 どう感じようと自由ではあるが、この見解はかなり一方的だろう。10年以上前のことだが、夫婦別姓を議論していた自民党の会議を取材した同僚記者は、夫婦別姓推進派で、現在は党総裁候補の1人といわれる議員から、こう面罵された。「(夫婦別姓に慎重論を唱える)産経新聞は、新聞じゃない」 当たり前のことだが、自分と違う価値観が許せないのは、何も夫婦別姓に「反発する人」にかぎらないということである。多様な価値観を説く人が、異なる価値観を否定するという矛盾を犯すのは珍しくない。 ちなみに、朝日のコラムにはこうあった。「結婚や家族の多様化、個の尊重という冒頭に引いた変化(※ 国民意識の多様化、個人の尊重)は、別姓の議論にもそのまま当てはまる」 「社会は旧姓使用を広げる方向に動く」 確かに一般論としては、社会の多様化は歓迎すべきことなのだろう。多様性を失えば硬直化し、やがては行き詰まっていく。とはいえ、何でもかんでも「多様化」という言葉で正当化しても、そこで思考停止することになる。また、夫婦別姓を法的に位置づけることと、旧姓使用は全く別物である。現在、夫婦同姓制度の下で通称使用が大きく緩和され、旧姓使用が広がっていることがその証左だといえる。 いずれにしてもこの問題を考えるときは、直接影響を受けることになる子供の意見をもっと聞いた方がいい。政府にも、今度調査するときはぜひその視点を盛り込むようお願いしたい。(論説委員兼政治部編集委員 2015.11.5 17:00更新 (1/3ページ) http://www.sankei.com/premium/news/151105/prm1511050003-n1.html
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