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【質問番号22:ぎんがけいさんの問題への、とかげさんの鑑定です】 (どうやらURLを含む文面ですとスパムと勘違いされて書き込みが弾かれてしまうようなので、鑑定結果だけこちらに載せます) こんにちは、根拠のない自信に自信がある爬虫類です。ではこちらのお品、鑑定させていただきますね(-)∀(-)バリボリ ふむふむ、この材料と見た目は要チェックですねー。 【材料(題材)】 サッカーの試合での審判結果から起きた不思議な出来事という、実話が材料になっているのですね。 これについては、実話をもとにしているという点と、要知識である点についてお話しします。 まず、実話をもとにしているという点について。 実話は、実話だからこそ成り立つのです。実話にリアリティーを考える必要はありません。どんなに現実味がなかろうと、そもそもリアルなのですから。むしろあり得ないような話の方が好まれるくらいです。また、題材を吟味する必要もありません。サッカーの試合で実際に起こったことなのですから、サッカーを野球に変えた方がよいだろうかなどと悩むことはないのです。 しかし、創作の場合はそうはいきません。「身体を動かせないはずなのに、いきなりブーイングのジェスチャーができるなんてリアリティーがない」とか「オフサイドである必要性がない、もっとわかりやすいシチュエーションでいいだろう」とか言われてしまうわけです。必要に応じて、リアリティーのある内容に変えたり、みんなが興味を持ちやすい題材にしたりしなくてはいけない。 実話を材料にしてスープをつくるのは構わないのです。しかし、実話をそのままスープにできるとは考えない方が良いでしょう。より納得感を得られるように、内容を吟味し、必要に応じてアレンジするという手間を惜しんでは、せっかく面白い材料であっても、スープの美味しさが引き出せません。 それを、「実話なので変更しない、実際に起こったことを当ててください」と言うのであれば、それはウミガメのスープではなく、テレビでやっているようなただのクイズです。複雑なだけの単なる物当てになり、参加者の手間が無駄に増えることになってしまいかねません。 もちろん、「サッカーが好きだからサッカーを材料にしたいんだ」というのもアリです。「そのくらいびっくりすることが起こったということを重視するから、ジェスチャーを変更したくない」というのでもOK。ただそこに、「実話をそのまま使うことに甘えず、ちゃんと吟味したか?」という自問自答が欲しいのです。 続いて、要知識である点について。 このスープは、「ゴールを決めたのにオフサイドをとられてしまって、得点を取り消されるという、日本代表を応援する側からすれば『はあーっ!? ふざけんな!』と怒りの声があがるに違いない状況」を取り上げています。 ……が、これを理解するためには「オフサイド」が何なのかを知らないといけません。詳しくない人なら、なぜ得点を取り消されたのかわからないかもしれませんし、そもそも日本代表側のサポーターなら怒るだろうという発想も浮かばない可能性があります。だって、なんのことだかわからないんだから。(ちなみに、自分もよく知らなかったのでGoogle先生に教えて頂きました) サッカーが題材になっているだけでなく、更にオフサイドというサッカー用語が出てきてしまっているので、知識がない人からしてみれば、この問題の状況が把握できないのです。そして、この真相にもきっとサッカーの知識が必要なのだろうと感じてしまうでしょう。これは見た目(問題文)の問題でもあるため、後程改めて触れますが、要知識なものを材料にしてしまうと知らない参加者に避けられてしまう原因になります。 同じ味付け(トリック)でも、材料が違えば全く別のスープにもなるのです。 ぜひ、材料からこだわるスープ職人を目指して欲しいと思います。 【見た目(問題文)】 見た目に関しては、まず要知識である点について先に話してしまいましょう。 要知識だと何がまずいか。 まず、問題文によく知らない言葉が使われていたらどう感じるでしょうか。わざわざ調べてでもこのスープの真相が知りたい、と思えればいいのですが、このスープの場合、オフサイドの意味がわかっていないと何が不思議なのかもわからないということになりかねず、そういう人が調べてでも解きたいと思う可能性は低そうです。また、前述の通り、問題文に要知識な言葉があると、真相もそのような知識が必要な問題なのだろうと考えられてしまう可能性があります。 つまり、第一印象で参加したくなくなる人が出てきてしまうのです。 どんなに真相が面白くても、スープを味わう人がいなければ悲しいですよね。スープは食べてくれる参加者あってこそのもの、参加しやすくするためにも、できる限り要知識な言葉は問題文からなくす方が良いでしょう。別の言葉で言い換えてわかりやすくする、同じトリックが使える別の材料に変えてしまうなど、アレンジもそう難しくはありません。もしかしてこの言葉は要知識かも、と思ったら、誰かにテストプレイを頼んだり、チャットなどで相談したりするのも良いかと思います。 さて、では次からが本題です。 この問題文、実はあまり謎を感じない見た目になってしまっていることにはお気づきでしょうか? このスープの真相の核となるのは、「日本代表が不利になる誤審に感謝するのはなぜ?」という疑問ですよね。 しかしアケミの設定は、テレビでサッカーの試合を見ていたということだけなので、日本代表ではなく相手チームを応援していたから、という当たり前の別解がすぐに浮かんでしまうのです。 あるいは、審判がそもそも正しい審判をしただけなのではないか、というのもあります。この場合、感謝の意味は考えなければいけませんが、「怒るはずなのに感謝」ではなく、ただ「残念だけど当然のことに対して感謝」という捉え方になってしまうので、ぎんがけいさんが想定しているようなギャップは生まれません。 このような、パッと見て思い付く別解の可能性がきちんと潰されていない問題文だと、そもそも謎を感じてもらえない可能性があるのです。 「男はウミガメのスープを飲んだから死んだ。なぜ?」だと、「スープに毒が入ってたんでしょ」という当然の別解がすぐ思い浮かびますよね。そう思った人にとって、この問題文は不思議でもなんでもないのです。しかし、「男はウミガメのスープを飲んだから自殺した。なぜ?」と死因が明かされると、毒で死んだ可能性が否定されます。なぜスープを飲むことが自殺に繋がるのか、という謎が生まれます。 情報を隠さず、さらしてしまう方が、かえって謎が深まる……ウミガメのスープの面白いところだと思いませんか? つまり、このスープは情報を隠したことで、逆に謎を感じない見た目になってしまっているのです。アケミが日本チームを応援していることや、オフサイドが誤審であったことなどを書いてしまった方が、別解の可能性を潰し、その上謎も深まるのではないでしょうか。 真相を知っている作り手が、謎を感じるかどうかを判断するのは難しくもあります。スープができたとき、すぐに出題するのではなく、ちょっと深呼吸して見直しができると、それだけでも随分変わると思います。せっかくのスープ、見た目にもこだわらないと、もったいないですよ! 【アレンジレシピ】 テレビでサッカー日本代表戦を見ていたアケミと息子のマコト。 日本は見事ゴールを決めたのに、審判が反則をとって得点を取り消してしまった。しかし、どう考えても誤審だとしか思えない。 アケミとマコトが、テレビに向かってブーイングしてから喜んで抱き合ったのは、なぜ? →要知識の印象を与えないように言葉を選んだので、サッカーをよく知らない人でも状況が把握できるはずです。また、元の問題文では隠されていた、息子の存在、誤審であること、ブーイングのジェスチャーもすべて明かしました。だからこそ、なぜブーイングしているのに喜ぶのか、謎が深まる構成になっていると思います。 磨けば光るスープを、磨かずに出してしまうのはとてももったいないです。 一つ一つのスープを、もったいない精神でぜひ大切になさってくださいね。
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