材大なれば用を為し難し

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Kが眼ざめたとき (コメント数:1)

1 Ryou 2013-10-16 21:17:00 [URL]

 Kが眼ざめたとき、まず、自分はほとんど眠らなかったように思った。部屋はさっきのまま人気がなく、暖かかった。どの壁もまっ暗で、ビールの栓の上のところについていた電燈は消えていた。窓の外も夜だった。ところが、彼が身体をのばし、枕が落ち、寝床と樽とががたがたいうと、すぐペーピーがやってきた。そして、もう夜であり、自分が十二時間以上も眠ったのだ、ということをこの子から聞いた。おかみが昼のあいだに二、三度彼の様子をたずねたし、ゲルステッカーもそのあいだに一度彼の様子を見にここへやってきた。ゲルステッカーは、Kがおかみと話していたとき、ここの暗がりのなかでビールを飲みながら待っていたが、もうKが眠っているのをじゃまする気にはなれなかったのだ。それに、最後にフリーダもやってきたということで、彼女は一瞬間彼のそばに立っていたが、ほとんど彼のためにやってきたのではなく、ここでいろいろと準備をしなければならなかったのだ。というのは、今晩から彼女はまた以前の勤めにつくはずだからだ。そんなことをペーピーはしゃべった。
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