材大なれば用を為し難し

返信投稿フォーム
ニックネーム:
30文字以内
URL:
* コメント: [絵文字入力]

1000文字以内
文字色:
* 印の付いた項目は必須です。

その観方が (コメント数:1)

1 Ryou 2014-02-02 12:40:46 [URL]

 その観方が、他のものよりも少し深く、その述べ方が、他のものよりも少し光彩に富んでゐるとき、彼は、少し彼らよりも芸術家たり得るのである。
 凡そ、人間を、芸術家と然らざるものとに二分にしようとするが如きは、嗤ふべき妄想である。
 芸術家を以て自任するものは、その道に於て、不明と慢心によつて何人をも退屈させてはならない。うるさがらせてはならない。
 或る聴き手に取つて、その述べるところのことは、殊に平凡なことであるかも知れない。何も教へないかも知れない。それはしかたがない。それで満足する外はない――その聴手を微笑ましめ、または、快よき涙を誘ふことができたならば――まして、その胸を、ほんの少しでも撃つことができたならば――。
 小山内君は「劇場の中に人生を観た戯曲」として或る脚本を斥け、あまつさへ、それを読んで、その作者の落度でもあるかの如く「驚いて」をられる。(読者よ、許し給へ、それは僕の作「チロルの秋」である)
Ads by Google
(c)Copyright mottoki.com 2007- All rights reserved.