安藤謹んで曰く (コメント数:1) |
1 Ryou 2013-12-16 21:56:16 [URL]
「安藤謹んで曰く、今日蘆原を下人二三人召連通候処、蘆原より敵か味方かと問、乗掛見れば、士一人床机に掛り、下人四五人並居たり。某答て、我は掃部頭士某、生年十七歳敵ならば尋常に勝負せよと申。彼士存ずる旨あれば名は名乗らじ、我は秀頼の為に命を進ずる間、首取って高名にせよと、首を延べて相待ける。 某、重て、士の道に無勝負して首取無法槍を合せ運を天に任せん、と申ければ、げに誤りたりと槍押取、床机の上に居直もせず、二三槍を合、槍を捨、士の道は是迄也。左らば討て迚待ける故無是非首をとる。兼て申付たるか、下人は槍を合するや否、方々へ逃げ失せぬ」と、『古老物語』にあるが、戦い敗れた後の重成の従容たる戦死の様が窺われる。 重成の首は月代が延びていたが異香薫り、家康これ雑兵の首にまぎれぬ為の嗜、惜む可きの士なりと浩歎した。 |
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