最後の言葉は (コメント数:1) |
1 Ryou 2013-10-03 19:28:07 [URL]
最後の言葉はもう涙でつまってしまい、エプロンを顔にあてて、声をあげてすすり泣きするのだった。 「泣かないでください、グルゥバッハさん」と、Kは言い、窓から外を見たが、ただビュルストナー嬢だけのことを考え、そして、彼女が見知らぬ娘を自分の部屋に迎え入れたことを考えていたのだった。 「泣かないでください」と、もう一度言ったが、振向くとグルゥバッハ夫人はまだ泣いていた。 「実際あのときは私もそうわるい意味で言ったんじゃありません。お互いに誤解していたんです。そういうことは旧友でも起りうることですよ」 グルゥバッハ夫人はエプロンを眼の下までずらせて、Kがほんとうに仲直りしたのかを見た。 |
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