ボクにそんなことが (コメント数:1) |
1 Ryou 2013-09-30 15:13:20 [URL]
「どうして、ボクにそんなことができるのです。」 きっぱりと言った。 「無理です。ボクはあなたに対して害を与えられないし、また同じように、役に立つこともできません。」 「できます。」 将校が言った。 旅人は、将校が力強く拳を握ったのを見て、かすかな不安が心によぎった。 「あなたには、できるのです。」 追いつめられたように、言葉を繰り返した。 「私にはある計画があります。それは成功するはずのものです。あなたは、自分は力不足だと思っておられますが、私には、十分だとわかるのです。たとえあなたの言うように力不足だったとしても、この制度を守っていくためには、何であれやってみることが大事なのではないでしょうか。とにかくこの計画を聞いてください。それを実行するためにはまず、今日あなたがこの流刑地で、この制度に対して何か発言をするということを、できる限り差し控えていただくことが必要なのです。直接そのことを聞かれない限り、黙っていてください。もし答えるにしても、素っ気なく、ごまかしたような感じにしてください。 |
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