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■「窓ガラス越しに子どもと手を合わせただけで、また現場に戻っていく」 県内各地の医師会員に協力を仰ぎ、現場のヒアリングを丁寧に進め、情報を集約し、「お願い」を公開した。 集まった現場の声はあまりにも切実だった。 ------------- 「どの医療従事者にも家族もいますし恋人もいます。 現場で医療行為をした後、どんなに体を清潔にして、感染しないように心がけても、一抹の不安は残ります。 今でも聞きます。『家に帰っても自分の子どもが感染しないか心配です』と。 だから、窓ガラス越しに子どもと手を合わせただけで、そしておどけた姿を見せて子供が笑ってくれたのを喜び、また現場に戻っていく。『スマホでは子供のなまの反応を確かめられない』と語る医療者もいました。 もちろん家族に会って、子供の顔を見て、一緒に温かい物を食べる医療者もいます。 それでも『ぎゅっと抱きしめることはできなかった』という声が寄せられます。 そういう医療従事者が実際にいるのです。 本当に切実です。 JMATでクルーズ船に入った人が、防護服などで完全防備した状態で動くと、1日動き続けることは難しかったと振り返る。 装備で息がしづらく、半日で苦しくなります。 クリーンな所に行ってやっとマスクを緩められます。 それでもまた現場に帰っていきます。 実際に脱落しそうになった医師もいます。 そんな時、同僚に『ごめんなさい』と謝るんです。 一瞬の気の緩みで間違いを起こすかもしれないというギリギリの緊張感の中で対応していました。 医療従事者は『 3密(密閉・密集・密接)』を避けられません。 通常の日常診療では、患者さんと日々接し、聴診器で胸の音を聞き、腹痛があれば触診します。 こまめに消毒したり、マスクをきつめに締めたり、できる限りの感染対策は当然尽くします。 ですが、そのための医療物資も本当に足りません。 マスクが足りません。 アルコールも足りません。 そして緊急時に使用する防護服(服とフェイスシールド)もありません。 そういう情報が集まってきました。 本当のことを皆さん知ってもらわないといけないと思いました。 もし医療従事者が戦線離脱してしまったら、医療のパワーが落ちます。 現場の実情を伝えられれば、読んでくださった皆さんと医療者、みんなの連帯感が出てくるのではないかと思いました。 そのことで、新型コロナウイルスと闘っていくことができるのではないかと思いました」 ------------- ■ 一部の報道は「不安をあおって終わります」 新規で未知の新型コロナウイルスには「本当の専門家」がいない。「医療現場では、SARS(重症急性呼吸器症候群)や MERS(中東呼吸器症候群)など類似するウイルスの経験をもとに闘って、そして目の前の新しい発見に軌道修正して、また闘いを挑んでいます」と話す宮川氏。 これまでの報道について「メディアでは、そんなウイルスについての情報発信も徐々に変化しています。 最近は新型コロナウイルスのさまざまなことが判明し、専門家として以前より冷静な語り口になり、少しずつ軌道修正がなされてきました」と振り返り、こう語る。 ------------- 「もちろん現場の医療者の対応を批評してもらって構いません。 人間というものは完全ではなく、間違ったこともするからです。 ですが、常に検証してほしいのです。 毎日同じことを主張するのではなく、先日の発言は、改めて確認したところ間違いがありましたとか、そんなことがあれば現場の医療者は戸惑わなくて済みます。 医療現場では、こうじゃないか、分かったそう考えてみよう、いや違った申し訳ない、じゃあこうしてみないかと、試行錯誤の毎日です。 誰も知らないウイルスです。 現場はそうやって動いています。 それでないと確実に前に進むことができません。 それを知ってほしい。 メディアの方々も言いっぱなしで終わらないでいてくれたらありがたいと思います」 ------------- 報道が「不安をあおる」。 これはネット上でも度々議論の的になる。 人々が不安をあおられた結果、社会や医療の場で何が起きるのか。 神奈川県医師会も戸惑いと動揺している医療現場を心配する。 ------------- 「『微熱が続いています。 新型コロナにかかっていませんか?』。 そう言って受診される患者さんが何人もいます。『大丈夫です。 落ち着いてお薬を飲んで、また気になることがあったら来てください』となだめて、やっと気を取り戻します。 それでも『検査できないんですか?』と泣いて帰る患者さんもいます。 不安で不安で仕方がなくなっているのです。 一部の報道は『危険なウイルスですね』『感染がどんどん広がっています』『あなたの近くにも感染者がいるかもしれない』と不安をあおって終わります。『もう少し落ち着きましょう。 不安に思うかもしれませんが冷静に考えてください。 どうすればいいか 一歩立ち止まって考えましょう。 報道する私たちも 一緒に考えます』という言葉もほしかったと思います。 現場に対してもそうです。『なぜさっさと検査しないんだ』『全然対応が追いついていない』。 クタクタになっている医療現場の人間を後ろから叩くようなことを言ってどうするのでしょうか。 どの現場も大きな荷物を背負っています。 報道がさらに荷物を背負わせるようなことをしたらどうなるのでしょうか。 社会全体が大変な思いをすることの無いように、現場が背負っている荷物を、少しでも軽くする言動が増えてほしいと思うのです。 できない原因があります。 現場の人間だけでは解決できないことがあるので、その壁を 一緒に壊してほしいのです。 物資の壁。 制度の壁。 縦割り行政の壁。 医療者だけでは社会の壁を打ち破れないのです。 それは報道の人はすでに知っているはずです」 -------------
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