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「過剰自粛」の不条理と戦うために――敵は「コロナ」ではない「過剰自粛」である 2020.05.06 こんにちは、浜崎洋介です。 これまで私は、ウィルスや感染症、あるいは経済の素人である自分が、一知半解の理解で、ただでさえ情報過多な現状において、軽々に言葉を発するべきではないと思ってきました…… が、非常事態宣言の延長が決まった今、さすがに堪忍袋の緒が切れました。 結論から書いておきましょう。 私は、どのような事情があろうと、この「接触8割削減」による「過剰自粛」という不条理は、一刻も早く解消すべきだと考えています。 まず、現状を「過剰自粛」だと感じる理由を率直に述べておくと、私自身が「コロナ感染者」を見たことがない 一方で、日常を奪われ、失業の憂き目にあい、生活苦に喘ぎ、将来不安に慄き、その人生を狂わされた人々を、毎日のように見ているということがあります。 つまり、「8割削減」などというたった 一つの「計算式」、「抽象」のために、私と、私の目の前にいる人々との生活が、具体的に破壊され続けているという現実があるのです。 なるほど、とはいえ、国民国家を営むには、ある程度の「抽象」が必要であることは否定しません。 以前のメルマガで紹介したカミュの『ペスト』においても、医師のリウーが、「〔感染症という〕抽象と戦うためには、多少抽象に似なければならない」と語っていましたが、まさに、目に見えないウィルスとの戦いにおいて、人間的感情(具体)がときに合理的計算(抽象)に席を譲らなければならない状況があることは私も理解しています。 が、それは飽くまで「具体」を守るための「抽象」であることを忘れてはならない。 つまり、「抽象」にも、程度やリアリティの幅があるわけで、それを 一律の「8割削減」に見定めるのか、「手洗い・うがい・高齢者の自粛」に見定めるのかは、まさしく、私たち自身が守る生活の具体的イメージによって異なってくるのだということです。 その「具体」を忘れてしまえば、私たちは、いつでも「抽象」によって殺されてしまいかねません。
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