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(新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音とは(※写真はイメージ)) 新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音 新型コロナウイルス関連の報道では、数多くの医師がメディアに登場して、自身の知見を述べている。 しかし、最前線で感染者たちと接している医師の話をじっくりと聞く機会は意外と少ない。 実際にはその患者を診たことがない「専門家」(中には医師ではない者もいる)のオピニオンのほうが多く流布されている。 現場からの声として紹介される多くは、治療現場の苦境といったところに限定されているようにもある。 そこで今回、ある総合病院で新型コロナウイルスを実際に診察し、また現場の統括もしているベテラン医師に匿名を条件で本音を語ってもらった。 匿名にした理由は「特におかしなことを言ったつもりはありません。 同じように考えている医師も多いと思います。 でも、ただでさえ忙しいのに、病院あてに抗議などが来るとたまらないから勘弁してください」というものである。 ― お勤めの病院はどんな感じですか? 現状をお話しする前に、平時の病院、医療がどうだったかを少しご説明させてください。 もともと日本は国民皆保険ですし、東京は医療へのアクセスが極めてイージーになっていました。 中学生までは医療費ゼロですし、救急車を呼んでもお金は請求されません。 欧米なら数万円は確実に取られます。 それゆえ、子供を昼間病院に連れて来られないというだけの理由で、救急外来を夜間に普段使いするような親までいたのです。 だからいつも病院が混雑していることが問題になっていました。 一方で、開業医の先生を含めて医療機関側もそれで儲けていた、という面もあったことは否定できません。「どんどん来てください」とやって、医療費は国に負担してもらえばいいのですから。 ただ、新型コロナウイルスの影響で、普段は安易に病院に来ていた方が減ったので、全体としての患者数は減っています。 感染症や救急を担当していない病棟や医師はむしろ時間に余裕ができているようです。 不要不急の手術も延期にしていますから。 1、2月に比べて 3月の病院全体の収入は 3割減というところでしょうか。 病床の稼働率も 10%ほど下がっています。 おそらくこれは開業医などでも同様でしょう。「売り上げ」が落ちて困っているところもあるだろうと思います。 一方で、私たち新型コロナの担当医たちだけは忙しくなっています。 うちの病院では新型コロナの診察を救急医が受け持つようにしています。 その担当医らの仕事は、大雑把にいって 1.5倍になっているという感じです。 ただでさえ忙しかったところに、仕事が急増しました。 私が若い頃は救急を専門とする医師は月15日くらい当直というのが当たり前でしたが、さすがに今はそうはいかないので、当直は月6〜8日くらい。 週休2日は確保できるようにして、休日出勤の際には代休も取るように、という方針でした。 これがさっき言ったように仕事量が増えているため、「当分、代休は取れません」という感じになっていて、実感としてかなりキツい日々が続いているのは事実です。 私自身は現場の診療の他に、病院全体の感染症対策等々の仕事が増えました。 省力化できたことといえば、テレビ会議が増えたので結果として会議の時短などが進んだことでしょうか。
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