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■ 改めて「制度論」の議論を そうした人たちは、筆者が制度論を書くたびに腹が立ったようで、筆者が、 (1)1月の黒川氏の閣議決定の違法性、 (2) 検察庁法での特例延長規定 に言及しないといっていた。 筆者は、特定人事にかこつけて制度論を論じるのが嫌いなので、あまり答えなかったが、ここではっきりさせておこう。 (1) については、検察庁法に規定がないので、国家公務員法の規定をもってきたのはやや乱暴だ。 しかし、任命権は内閣にある。 検察庁法は古い法律なので定年延長規定はないが、検事長と検事総長の任命権が内閣にあることについては明文の規定がある。 もし検事の定年を延長するなら、一度平検事を定年退職させてから、その後あらたに採用することも可能で、そうすれば実質的に延長ができる。 そうであれば、延長規定なしで延長しても酷い違法行為とは言いがたい。 (2) 特例延長規定がないために、一度退職しその後再任用にしなければいけないなら、一般の国家公務員と同じような特例延長規定があってもいい。 もっとも、制度論として今国会で議論することはもうできない。 なにしろ、黒川氏の「賭けマージャン」が発覚してしまったからだ。 これでは、もはや制度論として冷静な議論をしようとしても無理だ。 おそらく今国会に提出されている国家公務員法等改正案は、廃案になるだろう。 このような呪われた法案は廃案にして、出直したほうがいい。 2週間前の本コラムに書いたように、この法案は制度論としては年金支給開始年齢に連動するものだが、コロナで大変な状況で、いくら既定路線といいながら、国家公務員の定年年齢の引き上げを議論することを国民がどう思うか、という視点も政治では必要だ。
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