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私は、破格の厚遇で共産党独裁政権に協力し、自国の脅威になるような技術と研究成果を提供しようとする科学者たちのモラルと意識について、考えざるを得なかった。 周知のように日本学術会議は、日本国内では「戦争を目的とする科学の研究には絶対に従わない」と声明し、安全保障分野での研究や開発をタブー視してきた歴史がある。 しかし、その構成員である研究者たちは、日本の軍事研究にこそ協力しないものの、中国の軍事技術の発展につながる研究には何の抵抗もなく「協力する」のである。 研究者たちにも家族はいるだろうに、母国である日本を滅ぼすかもしれないそんな研究を「どんな思いでやっているのだろうか」と私は思う。 2016年7月、中国は軍民融合戦略に関して「科学技術・経済・軍事において機先を制して有利な地位を占め、将来の戦争の主導権を奪取する」という方針を決定し、翌17年1月には、習近平国家主席自らをトップとする「中央軍民融合発展委員会」を設立。 海外でトップクラスの科学者や技術者を招いて猛然と中国軍の近代化を図っているのである。 中国の先端技術や軍事技術は、多くがこういう外国からの最先端技術者や研究者の囲い込みで、またスパイ活動によって得た情報や機密資料で、あるいは海外で活躍する中国人研究者らを呼び戻す方式(注=彼らは海亀≠ニ呼ばれる)などによって支えられている。 短期間で軍事力を質量ともに世界トップクラスにアップさせてきた秘密はそこにある。 コロナ禍は、はからずもこうした中国の動きに目を向けさせるきっかけをつくった。 それは、国際社会が「ここで中国の増長を止めなければ大変なことになる」という共通認識の醸成に進み始めたことを示すものだ。 世界を地獄に叩き落とした武漢肺炎の人類に対する数少ない貢献と言われる所以(ゆえん)がそこにある。 公開日:2020年6月11日 更新日:2020年6月12日 https://web-willmagazine.com/social-history/Vb71R?fbclid=IwAR1FobqRUGpnfqU4MA_OWC49xOm-ONTk1RlZOCAS15ppv3H2vtTxOcPQDKM 門田 隆将(かどた りゅうしょう) 1958年、高知県生まれ。 作家、ジャーナリスト。 著書に『なぜ君は絶望と闘えたのか』(新潮文庫)、『死の淵を見た男』(角川文庫)など。 『この命、義に捧ぐ』(角川文庫)で第十九回山本七平賞を受賞。 最新刊は、『新聞という病』(産経セレクト)。
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