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【質問番号10:ひらめさん】 実家の蔵にあった曰く付きの箱の中に入っていたものなのですけれど… 【ウミヘビのスープ】 https://late-late.jp/mondai/show/560 問題寸評をお願い致します。 鑑定士の方はどなたでも嬉しく思います。 【鑑定士:とかげさん】 こんにちは、名前の通り爬虫類なので、爬虫類仲間のこちらのお品、鑑定させていただきますね。ペロッ……コ,コレハ 毒!?(-)Д(-); おっとこの皿、有名なアレですね。お、この味付けも興味をひかれますよ! 【皿(条件)】 これはかの有名な本家ウミガメのスープの皿ですね! ウミガメのスープを始めたからには、やはり本家のオマージュ問題をつくりたくなるってもんです。 さて、味付けについては後述するとして、先に「オマージュ、お題など何らかの条件があるスープ」で気を付けて欲しいことを話したいと思います。 他の人の問題文で別の解説を考えたり、与えられたお題から問題をつくったり、ということは、問題づくりのきっかけとしてはもちろん利用できることです。 しかし、オマージュすること、お題を全部使うこと、条件を満たすことが第一目的になってしまうのは、非常にもったいない。「ちょっと違和感や無駄な表現がある問題文になったけれど、完璧にオマージュできた、お題を消化できた」というのと、「元の問題文とは変わってしまったり、使わないお題があったりするが、自然で無理無駄のない問題文ができた」というのでは、どちらが理想でしょうか? スープをつくっていく過程で、もし「この文章、少し変えた方が自然かも」、「このお題から考えてみたけど、この言葉はなくても問題文が成り立つな」と感じたら、ぜひその感覚を大事に、条件を満たすことを諦める勇気を持ちましょう。もっと美味しくなるはずのチャンスを逃さないで欲しいのです。 たとえばこのスープの場合、 解説の状況におかれた男は、「これは本当にウミヘビのスープですか?」と聞くでしょうか。本当はウミヘビではない肉を使っていても、メニュー名を確認されたのかと考えたシェフが「ウミヘビのスープに間違いございません。」と答えることもありえます。もともと男自身が単なるメニュー名だと考えて注文したのですから。「この肉は本物のウミヘビですか?」とか、「比喩ではなく本当にウミヘビのスープなのですか?」などと聞くのが自然です。また、シェフを呼んで質問できる格式の高そうなレストランで、毒を盛られるなどと勘違いするでしょうか? そんな早とちりをする男が、毒を盛られた店にご丁寧に食事代を払い、自殺するのにきちんと家まで帰る心の余裕があるのでしょうか? なぜ病院に行かないのですか? そもそも、このような小心者の男が、ウミヘビの毒の話を知っているのに、あえて何が入っているかわからないウミヘビのスープを注文するとは考えにくいです。どうにも、この真相に対してこの問題文では、ところどころ違和感を覚えてしまいます。 一から自分で考えた問題文であれば、このような違和感はあまり出てこなかったでしょう。 スープができた! と思ったらすぐに出題するのではなく、一度解説と問題文を見比べてみて、本当に整合性がとれているか、解説の状況から考えると不自然な記述はないか、チェックすると良いでしょう。問題文が先にある場合は特に、解説ができてから見直すと粗が見つかったり、もっと良い表現が思い付いたりすることが多いと思いますよ。 【味付け(トリック)】 ふむ、これはなかなか面白い味ですね! オマージュしつくされてきた「ウミガメのスープ」ですが、ウミヘビにしたことでこんな新たな解釈ができるのですね。ただ、このアイディアは非常に興味深いのですが、少々リアリティーがないようにも感じます。本当にこんなことで勘違いするだろうか、もし勘違いしたとしても病院に行かずに自殺を選ぶだろうか、と。 これを解決するためにまず必要なのは、先述の通り、違和感のない問題文につくりかえること。そしてもう一つ、解説をつくりこんで納得感をあげるという方法があります。 解説は端的に真相を説明するだけでなく、リアリティーを持たせて納得感をあげるためにも使えます。解説が物語になっているタイプのスープはよくありますが、質の高い物語スープは、解決後のお楽しみというだけでなく、読んだ人がより深く謎の真相を理解し、納得する手助けにもなるものです。 たとえば「シェフは男がスープをすするのを見ながら、ニヤニヤして言った。『ウミヘビって魚類と爬虫類がいるんですよ……魚類の方は毒がなくて、爬虫類の方は猛毒を持っているんです。ああ、このスープですか? もちろん爬虫類の方ですよ、ふふふ……』」とか(怪しげなセリフと雰囲気で勘違いしても仕方ない状況と思わせる)。 「突如寒気を覚えて、男は身震いした。しかし一方で額には汗が浮かび、手のひらもじっとりと湿っぽい。シェフを見ると、特に暑そうでも寒そうでもないので、空調がおかしいわけではないらしい。」とか(男の体調の変化を思わせる文章を書いておき、体調不良が毒のせいだと勘違いしてもう手遅れだと考え自殺してしまう、という行動に納得感を与える)。 リアリティーを追及すれば、この味付けの美味しさが更に引き出されるでしょう! 【アレンジレシピ】 そのレストランのシェフは、ウミヘビのスープを注文した客にウミヘビのうんちくを語ることで、何人もの客を死に追いやっている。 どういうことだろう? 客がスープを飲んだあとで毒入りと思わせるような話を語り、毒のせいでひどく苦しんで死ぬと勘違いさせて自殺させる、狂人シェフに仕立ててみました。シェフの悪意があるわけですから、偶然勘違いして自殺しまうパターンよりは現実的です。ただしそれをより納得させられるような解説を書き上げる必要があるでしょう。 解説を見るに、文章を書くことはお得意な様子。それならばぜひ、条件にとらわれすぎず、スープ一滴一滴(一字一句)に妥協しない問題づくりを目指してみてはいかがでしょうか。 もっともっと美味しい「ひらめのスープ」を期待しています!
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