グアンタナモ収容所
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1 manolo 2013-07-17 12:03:13 [画像] [PC]

1. 出典:ニューズウィーク日本版、7/23/2013, p.35

1-1. オバマ大統領が先月、キューバのグアンタナモの海軍基地にある収容所の閉鎖を今も望んでいると表明してから、少しずつだが、事態が動き始めた。先月は弁護士のクリフ・スローンが同収容所閉鎖の実務を担当する特使に就任。そのわずか数時間後に収容所に飛んだ。リサ・モナコ大統領補佐官(テロ対策担当)は、司法省からグアンタナモの専門家を多数引き抜いてきて、自分のスタッフに据えた。デニス・マクドナー大統領補佐官(国家安全保障担当)に至っては先月、超党派議員団の視察に付き添うことで、グアンタナモは政権トップの関心事であり、ホワイトハウスは議員の協力を必要としていることを内外に知らしめた。

1-2. だが問題は、「テロリストの疑い」だけで何百人もの収容者を拘束してきたアメリカの恥部を閉鎖することに対し、米議会が少しでも態度を軟化させるかどうかだ。そして、オバマが閉鎖を成し遂げる政治的意思を見せるかどうかだ。

1-3. 希望の兆しはある。オバマにとって最大の障害は、収容所を移送することに対して議会が設けた厄介な制限の数々だ。特にアメリカ本土への移送はいかなる状況下でも禁じられている。だが上院軍事委員会は先月、国防予算の大枠を決める国防権限法案の中に、治療や裁判のために必要な場合は米本土移送を認めることを盛り込んだ。一方オバマは、ティーパーティ寄りの共和党議員という意外なところから支持を得るかもしれない。先月末、共和党のランド・ポール上院議員はグアンタナモを批判し、共和党議員に「アメリカの正義のために立ち上がろう」と訴えた。

1-4. おそらく最も重要な進展は、オバマ政権が自らの権限で現在166人の収容者の一部を本国へ送還しようとしていることだ。議会は、収容所を母国や第三国に帰す要件として、彼らが二度と戦いに戻らないことを米国国防長官が証明すべしと定めていた。とてもできない相談だ。後に議会は、国防長官のこの証明責任を緩和した。解放した収容者が再びテロ活動に走るリスクを「かなりの程度軽減できれば」足りるとしたのだ。だが、オバマ政権は、この免責権限を一度も使ってこなかった。

2 manolo 2013-07-17 12:13:56 [PC]

1-5. 政権幹部2名が本誌に語ったところでは、オバマは今この免責権限を使って約10人の収容者を解放する道を模索しているという。最初に適用されるのはモロッコやアルジェリア、サウジアラビアなどの出身者だろう。グアンタナモからの帰国者の更生に実績があるからだ。

1-6. 特使のスローンは、免責権限の行使についてはコメントを拒否した。だが、12年目の収容所を速やかに空にしようとする意志は明らかだ。「オバマ大統領の目標だ。できる限り早い実現を目指して最大限の努力をしている」と、彼は本誌に語った。収容者の代理人を務めてきた弁護士のトーマス・ウィルナーは、政権が行動することでブレイクスルーが起こるかもしれないと期待する。「勇気づけられるニュースだ。それはグアンタナモ閉鎖への第一歩だ」 閉鎖が遅れれば、その分傷つくのはアメリカだ。

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