レイプ
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1 manolo 2013-01-23 14:27:12 [PC]
出典: ニューズウィーク日本版、1/29/2013、p.12-13
1-1. 布にくるまって台に横たわる男を刑吏〔けいり〕がむちを振るう―――。イラン北東部の街サゼバールで先週、レイプ犯へのむち打ちが執行された。イランではレイプは殺人や反逆罪に匹敵する重罪で、絞首刑か懲役刑が適用される。いずれの場合も公開のむち打ちを伴うことがある。(p.12)
1-2. 国際社会はイランやサウジアラビアなどむち打ちを行う国々に対して、人権侵害だと非難している。しかしイランに限らず、今は世界中でレイプに対する怒り、レイプ犯への懲罰強化を求める声が高まっている。(p.12)
1-3. きっかけは、昨年末にインドの首都ニューデリーでバスに乗車した女子学生が集団でレイプや暴行を受け、死亡した事件だ。インドではその後、レイプ犯罪の厳罰化を求める声が高まり、死刑や去勢手術の適用を求めるデモが全土で繰り広げられた。それでもインドでは、今年に入ってからもレイプが相次いでいる。北部パンジャブ州では、若い女性がバスの運転手に拉致されて集団レイプされた。東部ビハール州では、集団レイプ後に殺害された女性が木につるされるという残忍な事件が起きた。(p.12)
1-4. レイプの根底にあるのは、インドをはじめとする世界各地に根強く残る女性蔑視の文化だ、厳罰化だけで防げるものではない。(p.12)
2 manolo 2013-02-04 19:46:30 [PC]
出典: 朝日、2/3/2013、p.9
2-1. ニューデリーで起きた女子学生への集団強姦事件後、女性の安全確保に関心が高まるインドで、シン内閣は1日、性犯罪の厳罰化のために刑法を改正する大統領令案を承認した。ムカジー大統領が署名し、近く施行される見通しだ。
2-2. 厳罰化を求める全国的なデモを受けて設置された政府の諮問人会が議論していた。PTI通信などによると、改正案では強姦罪の最高刑が終身刑から死刑に引き上げられ、被害者が死亡、または植物人間になった場合に適用される。
3 manolo 2014-06-29 02:52:36 [画像] [PC]
出典: ニューズウィーク日本版、6/17/2014、「レイプ超大国の汚名を払拭せよ」、p.33
犯罪 女性に対する暴力が絶えないのは
政治家と治安当局が無関心を決め込んでいるから
3-1.
もうこれで何度目だろう。インドで残忍なレイプ事件が起きたと聞くのは――。先月末、10代の少女2人が集団レイプの末に殺害され、その遺体が木につるされた状態で発見された。逮捕された5人の男性のうち、2人が警察官だった。女性に対する性暴力は、もはやインドの単なる社会問題ではない。政治的に解決すべき大きな課題となっている。
4 manolo 2014-06-29 03:09:41 [PC]
3-2.
特に今回の事件は、この国で横行する性暴力の背景にある数々の問題を浮き彫りにした。身分差別や警察の腐敗、女性にとって危険な衛生環境などだ。被害者2人は14歳と16歳のいとこ同士で、ダリットと呼ばれる最下層の身分に属していた。家にトイレがないために、外で用を足せる場所を探しているところを襲われた。
3-3.
水と衛生に関する国際NGOウォーターエイドのバーバラ・フロストは今回の事件を受けて、世界各地の女性に共通する安全上の問題を英ガーディアン紙で指摘した。「世界で25億人もの人々がトイレのない環境で暮らしている。女性は人目を忍んで用を足すために、暗くて危険な場所へ歩いて行かざるを得ない。そこでは男たちが襲い掛かろうと待ち構えているのだ」フロストによれば、世界人口の約15%が野外での排泄を余儀なくされ、それが原因で多くの女性たちが性暴力の被害に遭っている。
3-4.
そしてインドにはもう1つ、レイプ犯に有利な状況がある。汚職が蔓延し、当局は性暴行事件に見て見ぬふりを決め込んでいることだ。今回も1人の少女の父親が警察に行方不明の届け出をしたのに、父親の身分が低いために警察は何もしなかったという報道もある。遺体発見後、地元の住民らは警察の怠慢に抗議するために集結。犯人が捕まるまで、木の枝から遺体を下ろすことを拒んだ。地元ウッタルプラデシュ州の当局は国際的な圧力も受け、少女たちを捜索しなかったことを理由に、警察2人を解雇した。
3-5. 【男は間違いを犯すもの】
インドでは一昨年にバス車内での集団レイプ事件が起きてからというもの、全国で抗議運動が広まった。国際社会からも注目され、性的暴力に関する法則が強化された。それでも集団レイプ事件は減る兆しがない。いくら法律を整備しても、政治家や治安当局が無関心なままで、真剣に問題と向き合おうとしないからだ。
5 manolo 2014-06-29 03:20:38 [PC]
3-6.
そのいい例が、今回の事件が起きたウッタルプラデシュ州のアキレシュ・ヤダブ首相の態度だ。州の行事の際に報道陣から事件について質問を受けると冗談で切り返したという。市民に向かって、そんなに深刻に受け止めるなと言いたかったらしい。「君たちは安全だろう。なんら危険に瀕していない。なぜ心配などするのか」
3-7.
ヤダブの父ムラヤム・シン・ヤダブは元州首相で現在は社会党の党首。彼も先月、集団レイプ罪に死刑を適用する法案に異議を唱えてひんしゅくを買った。「男だから仕方がない。間違いを犯すものだ」と述べた。さらに、女性が男性を支配したり懲らしめたりするためにレイプ事件をでっち上げるのは日常茶飯事だと主張した。男がぬれ衣を着せされて処刑されるではないか、と言わんばかりだ。
3-8.
こんな国内事情では、インドの女性たちが常にレイプと殺害の恐怖におののいているのも当然だ。明日はわが身、という不安を抱えながら暮らしている。昨年巻き起こった抗議のうねりが、今また強まっている。幸い人々の怒りは収まる気配がない。インドの政治家や治安当局者たちは、もう目を背け続けるわけにはいかないのだ。
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