タリバン
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1 manolo 2015-01-16 07:54:41 [画像] [PC]

出典:『日本版ニューズウィーク』、12/30/2014 & 1/6/2015」、「学校襲撃事件で露呈した「よいタリバン」政策の限界」、p.19

1-1.
パキスタン北西部ペシャワルの学校を襲い、145人(うち子ども132人)を殺害したイスラム武装勢力パキスタン・タリバン運動(TTP)は、今回の襲撃がパキスタン軍に対する報復だとする声明を出した。
 この事件で明らかになったのは、「良い」タリバンと見なす組織には暗黙の承認を与え、自国にとって「悪い」タリバンと見なすTTPなどには強硬路線を取るパキスタンの政府の二面性だ。TTPは、アフガニスタンのタリバンとは全く異なるグループになる。

2 manolo 2015-01-16 07:56:11 [PC]

1-2.
 アフガニスタンのタリバンは、パキスタンの庇護下にある。パキスタン自体を攻撃目標とせず、パキスタンの敵であるインドやアフガニスタン政府を攻撃する「良い」タリバンだからだ。「パキスタンの軍や警察は、パキスタンを攻撃目標とする過激派とそうでないグループを区別する」と米ウッドロー・ウィルソン国際研究センターの上級研究員マイケル・クーゲルマンは言う。「アフガニスタンのタリバンのようにパキスタンを攻撃しないグループに対し、パキスタン側が援助や協力体制を取ることもある」

1-3.
 一方、TTPは、設立当初からパキスタン政府と軍を攻撃目標とする「悪い」タリバン。ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユサフザイを2年前に襲撃したのも彼らだ。今回の学校襲撃で、パキスタン政府にはTTPを攻撃する正当な理由ができた。だが過激派に対して矛盾する対応を長く続けることはできないという国内外の批判もある。「政府がカシミール問題やインドを攻撃する一部のジハード(聖戦)集団を美化すれば、『ジハード産業』が繁栄する」と、米国平和研究所の上級研究員ラザ・ルミは言う。「TTPはジハード産業の分派だ。すべてのタリバンがパキスタンの国益に反するという国民的合意ができるまで、この問題は解決されないだろう」

1-4.
 コラムニストのファシ・ザカは、ペシャワルの大虐殺がパキスタン政府に変化をもたらすとは思えないと言う。「こういうことは何度も起きている。耳目を集めたマララへの銃撃後も、タリバン政策の矛盾は解消されなかった」 パキスタンはタリバンを色分けするが、あまりにご都合主義が過ぎる。実際には良いタリバンなど存在しないのだから。

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