赤ちゃん養護園
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1 冴子 2024-05-19 18:55:08 [PC]

いつもとは別の世界です。

(あ・・・)
おまたに暖かい感触が広がって行く。
早紀(さき)は、ぼんやりとした頭の中で「またおねしょ・・・」と思ったところでハッとなった!。
「早紀っ!!!、あんたは、またおねしょしてっ!!!。」
ママが鬼のような形相で早紀をにらみつけ、手に持った革のベルトを振り上げる!。
次に来る激痛を予想して、早紀はぎゅっと目をつぶり、顔の前に手を持ち上げ・・・ようとしたところで、目が覚めた。

おまたには両足を押し広げる、安心感のある大きなおむつの感触。
ちょっぴり濡れた感触のあるそれをポンポンと手で確かめながら、早紀は、ほっと息をつき、今、自分がいる場所を思い出した。
ここは、『要支援遅延児童特別養護施設』。
何らかの理由で赤ちゃん返りしてしまい、親にもて余されたり、親に虐待されたりした児童を預かる施設。
通称『赤ちゃん養護園』と呼ばれる場所だった。
横向きに寝ていた体をあおむけにしたところで、早紀は背中の痛みに顔をしかめる。
ママに、毎日おねしょするたびに革のベルトでぶたれて出来た傷。
悪夢がつい1週間前まで現実だった事を伝える傷の痛みだった。

2 冴子 2024-05-19 18:55:58 [PC]

悪夢の虐待のきっかけは、早紀が中学に入学してしばらくして、おねしょが始まった事だった。

小学校ではなかった先輩後輩とかいう関係、厳しい部活、そしていやらしい目で早紀を見て来る男子や男の先生・・・楽しい場所だった学校が嫌な場所に変わった。
そんな中で、それまで取った事がなかった50点というテストの成績をママに見せたら、小学校までは成績について何も言わなかったママが、急にうるさく言うようになった。
そして始まった毎晩のおねしょ。

直る事なく毎晩繰り返されるおねしょに、ママは苛立って早紀を折檻し、それはどんどんエスカレートして行った。
最初はパジャマの上から手でお尻を叩くだけだった折檻が、裸のお尻になり、手が物差しになり、革のベルトになり、素っ裸にされて背中からお尻を叩かれるようになり、叩かれる回数はどんどん増えて行って、しまいには「ママの気が済むまで」になった。
パパは毎晩帰るのが遅くて、早紀のおねしょの事すら知らなかった。
そうして、ある日革ベルトが早紀の顔に当たって、学校でそのケガを指摘されて、そこから早紀の背中とお尻にあるむごたらしい傷が明らかになって、児童相談所に保護された。
児童相談所では、自由にトイレに行きにくかったのもあったのか、昼間でもおもらししてしまい、「念のために」とパンツの紙おむつをはかされていた。

すぐに病院で手当てと診察を受けた結果、
『重度のストレスによる幼児退行と、それに伴う夜尿失禁』
と診察されて、この施設への入所が決まった。
ママは、別れ際「あー、中学生にもなっておねしょなんてする不出来な娘がいなくなって、せいせいしたわ!」と言った・・・。

3 冴子 2024-05-19 18:56:47 [PC]

1週間前、早紀は児童相談所の職員に連れられて、この施設に来た。
外側は普通の建物だったのに、中に入るとまるで保育園みたいで、早紀はちょっぴり気恥ずかしさを覚えた。
でも、その一方で、ほっとしたと言うか和んだと言うか・・・自分が幼児に帰ったようでくすぐったいような心地よさを覚えたのだった。

早紀を迎えてくれたやさしそうな保母さん(?)が、
「じゃあ、この部屋でお着替えしようねぇー。」
と、ちっちゃい子に言うような口調で早紀に言いながら、入り口近くの部屋のドアを開ける。
中には、ベッドと流し、大きな箪笥があった。
早紀は、着て来た中学の制服をモタモタと、脱ぎ始める。
初めて見た時は、大人になるようで胸をワクワクさせたのに、中学に入ってからは着るのが嫌になった大人っぽい感じのブレザーの制服。
学校で保護されてからずっと着ていた。
ブレザーのボタンを開けようとして、手が胸に触れる。
男子や男の先生たちがいやらしい目で見ていた、大きめの胸。
イヤな事を思い出して、早紀の手がぴくっと止まる。
それを見た保母さんが早紀にやさしく聞く。
「自分でお着替えできる?」
まるで幼児に聞くような言葉!。
でも、早紀は、言われた途端に心に甘えてみたい気持ちが芽生えて、ついボタンから手を放して、
「やって。」
と言っってしまった。
すると、保母さんはにっこりと笑って、テキパキと早紀の制服を脱がしてくれたのだった。

4 冴子 2024-05-19 18:57:36 [PC]

保母さんに服を脱がせてもらったのがちょっぴり恥ずかしくて、うつむく早紀。
お医者さんに言われた『幼児退行』という言葉を思い出す。
(あたし、幼児に戻っちゃってるの?)
そんな事を思うと、ちょっぴり恥ずかしくて、胸がくすぐったくて、ほっとする気持ちだった。
そんな早紀を保母さんはやさしくベッドに連れて行く。

早紀の今の姿は、ブラとパンツ型の紙おむつだけ。
そして紙おむつは、おもらしでぐっしょりと濡れ、重そうに垂れ下がっている。
そう、早紀は紙おむつをはかされて以来、ほとんどおむつにもらしてしまっていた。
ベッドの前に連れて行かれた早紀は、ベッドの横に置かれたものを見て、ベッドに連れて来られた意味に気付いて、はっとする。
大きなおむつカバーと重ねられた布おむつ。
保母さんが、早紀にやさしく聞く。
「早紀ちゃん。ここの子の大部分は、このおむつなんだけど、早紀ちゃんはイヤ?。」
布のおむつとカバー。これは赤ちゃんのおむつ!。
自分がそれを当てられる姿を、当てられて過ごす姿を早紀は想像する。
赤ちゃんみたいな自分。
それは、とっても恥ずかしくて、でもホッとして、胸の中がくすぐったくて、安心出来て、気持ちが楽になって・・・
気が付くと、早紀の目から涙がぽろぽろとこぼれ出していた。
「大丈夫?、早紀ちゃん?」
保母さんが心配そうに聞く。
「うん。」
早紀はうなづく。
早紀は気付いたのだった。
自分が欲しかったのが、自分が心の奥底で求めていたのが「赤ちゃん扱いされる事」だと言う事を。
大人扱いがイヤで、それから逃げたかったのだと。
早紀は、鼻をすすりながら、ぽつりとつぶやくように言う。
「早紀に赤たんのおむちゅ当てて。早紀、赤たんになりたいお」
舌っ足らずに言った早紀の言葉に、保母さんはやさしくにっこりと笑って、
「ふふ、じゃあ、赤たんのおむつ当てて、早紀ちゃん赤ちゃんになろうねぇ。」
と、早紀をあやすように言って、早紀をベッドに寝かせたのだった。

5 冴子 2024-05-19 18:58:33 [PC]

「はーい、あんよ開いてねぇー」
早紀が足を大きく開くと、保母さんは早紀の履いていたぐっしょりと濡れた紙おむつのサイドを破って開ける。
「早紀ちゃん、ちょっとあんよ自分で持って、お尻上げてくれるかなぁー?」
そう言って、保母さんは早紀に自分の足を両腕で抱え込ませてお尻を持ち上げ、濡れた紙おむつをどかしてから、早紀のおまたをやさしく拭いてくれる。
気持ち良い。
何より「やさしくしてもらっている」という事が、早紀の心を暖かくする。
「はーい、お尻下ろして良いよぉー」
保母さんに言われてお尻を下ろすと、乾いた布おむつのやさしい感触。
「はーい、いい子だねぇー、早紀ちゃん。じゃあ、おむつ当てるねぇー。」
保母さんがそう言いながら、早紀のおまたに大きなおむつを当てて行く。
おまたに感じるやさしい感触。
安心感と、恥ずかしさと、胸の中がくすぐったくなる甘えたい気持ち。
静かな部屋の中に、パチンパチンとホックを閉める音が響く。
それが終わって、保母さんが、
「はい、おむつ替え終わり。起きて制服を選ぼうねぇー」
と言った。

「ブラはどうする?」
「いらないっ!」
早紀はそう言って、保母さんに背中を向ける。
保母さんが早紀の付けていたDカップのブラを外し、早紀の脱いだ中学の制服の上に置く。
「さ、どんなのが良い?」
保母さんはそう言って、早紀の前にこの施設の制服の一覧の写真を見せる。
簡素なTシャツとミニスカート、かわいい簡素なワンピース、幼稚園の制服のようなスモック、そしてロンパースなどのベビー服・・・
「これ!」
早紀が選んだのは、よだれかけの付いたロンパースだった。
言ってしまってから、心配そうに保母さんの顔をのぞき込む早紀。
つい、勢いで言ってしまったものの、「ベビー服はダメ」とか「サイズがない」とか言われたらどうしよう?。そんな事を思ったのだった。
でも。
「そう、じゃあこの可愛いロンパースにしようね。」
と言って、保母さんはやさしく笑ったのだった。

6 冴子 2024-05-19 18:59:23 [PC]

そうして早紀は、この施設で暮らし始めた。
「赤ちゃんみたいになった子達」のいる施設という事に、最初は戸惑ったし、勢いで選んでしまったベビー服を他の子達にからかわれたらどうしよう?とか思ったりもしたけれど、からかわれる事もなく、他の子達と仲良く暮らしている。
心地良い「子供同士の関係」。
おかあさん代わりの保母さんにやさしくお世話してもらう生活。

「おむつが濡れたらすぐ替えてあげるよ」と言われたけど、なかなか言い出せず、そのたびにおむつをあふれさせてしまって、おむつの枚数が増えて行き、今では早紀はよちよち歩きになるくらいの分厚いおむつを当てられ、1日5回の定時交換をしてもらっていた。
行動も幼くなって、早紀と同じようにベビー服を着た子達と、幼児の遊びをして毎日を過ごしている。


「早紀ちゃんは、どうですか?」
早紀の担当の保母さんが、施設のお医者さんに聞く。
「自分でおむつが濡れたのも言えないし、幼児の遊びに熱中してるからねぇー。
うーん、社会復帰する可能性はあると思うけど、だいぶ先の事になるだろうねぇー。
おむつは・・・おそらく一生取れないんじゃないかな?。」
「そうですかぁー」
保母さんはため息をつくように言った。
「まあ、早紀ちゃんの幸せが一番だからね。」
お医者さんはやさしくそう言った。


ちゃんちゃん!



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