おむつの病
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1 冴子 2022-11-28 15:54:37 [PC]

「もおっ!、あんたはまたおねしょしてっ!。」
「ごめんなさい・・・」
芽久未(めぐみ)は、濡れたパジャマのまま、しょげかえって、ママに謝った。
中学に入ってから、小学校とは勝手の違う事ばかりで、そのストレスからかおねしょがぶり返していた。

「今度やったら、おむつ当てるって言ったよね?」
「ごめんなさい、ママ・・・」
「ほら、さっさと着替えて学校行きなさいっ!」
ママの声に、芽久未は飛び起きると、おねしょで濡れた服を着替えて大急ぎで朝食を食べると、学校へと向かったのだった。

「えっ!、うそ・・・」
その晩、お風呂から上がった芽久未は、そこで待っていたママとその手にあるものを見て立ちすくんだ。
「言ったでしょ?、『今度おねしょしたらおむつ当てる』って。さあ、おむつ当てるからそこに寝なさいっ!」
ママが持っていたのはおむつ。
それも『公給』という文字の書かれた布おむつとカバーのセット、いわゆる公的支給の『赤ちゃんおむつ』だった!。
これがあると言う事は、芽久未が『排泄遅延児童(夜尿)』として登録され、学校へもその通知が行われた事を意味した。

「そんな、・・・いやぁーっ!」
「ほら、さっさと寝るっ!。おねしょばかりする子は赤ちゃんとおんなじなんだから、おむつを当てるのよっ!。1か月くらいおねしょしなくなったら、外してあげるわ!」
「ふぇーん」
こうして、芽久未は、その晩からおむつを当てられて寝る事になったのだった。

2 冴子 2022-11-28 15:55:44 [PC]

そうして、1週間くらいが過ぎた日。
芽久未は熱を出して学校を休んだ。
それまでのおねしょの成績は2勝5敗くらいで、この日も昼間とはいえ寝ていると言う事で、当然おむつを当てられて寝ていた。
ぼんやりと目を開けていた芽久未は、ふとおまたに広がって行く暖かい感触に気付いた。
「え?」
なんとなく尿意はあったものの、目が覚めている時にもらす事はこれまでなかったので、芽久未はびっくりした。
まるで自分が本当に赤ちゃんになってしまったようで、悲しかった。
とはいえ。
意識がぼーっとしていたからだと、無理やりに理由をこじつけて、おもらしを正当化して目をつぶったのだった。

夕方、芽久未のおむつを替えながら、ママがバカにするように言う。
「あらあら、こんなにおもらしして!、ホント赤ちゃんみたいねぇー。」
「『おむつにしちゃって良いよ』って、ママ、言ったじゃない・・・」
不満そうに口をとがらせて言う芽久未。
「あら、そうだったわね。で、明日は学校に行けそう?。」
熱は下がっていたし、体のだるさも和らいでいた芽久未は、
「うん。行けそう。」
と答えた。

3 冴子 2022-11-28 15:57:57 [PC]

翌朝。
「あらあら、またいっぱいおもらしして。学校でまでおもらししないでよね?。」
などとママにイヤミを言われながら、おねしょでぐっしょりと濡れたおむつを外してもらう。
すぐにトイレに行ったものの、なぜかおしっこは出なかった。
けれど「おむつに全部出ちゃってたのかな?」と深くは考えなかった。
そして、朝食を食べ、芽久未は学校へと行った。

そうして、1時間目の中頃。
「え!?」
おまたからお尻、そして足へと広がって行く暖かい感触に、芽久未はあわてた。
まるでおもらしみたいな感触!。
おそるおそる下を見れば、床に広がって行く黄色い水たまりと、もわっと漂って来る出たてのおしっこの匂い。
「うそ・・・」
呆然とする芽久未の後ろで、「せんせー、芽久未さんがおもらししてます!」というクラスメイトの声が響いた。

4 冴子 2022-11-28 15:58:29 [PC]

すぐに芽久未は、『排泄管理室』に連れて行かれ、おもらしで濡れたパンツとスカートを脱がされ、『排泄遅延児童(常時ー重度)』用の分厚い『赤ちゃんおむつ』を当てられた。
そして、『排泄遅延児童(常時)』用の短いペラペラのスカートをはかされたところで、やっと今自分がどういう状態にいるのかに理解が及び、あまりの恥ずかしさにうつむいて顔を真っ赤にしたのだった。

先生が芽久未に聞く。
「どうしたの?、おねしょはしてたみたいだけど、おもらしまでして。」
芽久未は何も答えられず、ただうつむいているだけだった。
「ふう。とりあえず、2時間目が終わったらまたこの部屋に来てね。おもらしのチェックをするから、それまでおもらししないでね?。」
先生は念を押すように言い、
「は、はい・・・」
芽久未は小さな声でやっと返事をした。
先生は念を押すように言う。
「もしも、もらしてたら・・・『排泄遅延児童』として、これからはずっとおむつを当ててもらう事になるからね?。お家を出てお家に帰るまでは。『おもらしクラス』や『おむ中(排泄遅延児童支援中学校)』へ転級するかどうかは自由だけど。」
「はっ、はいっ・・・」
芽久未はビクッとして、ひきつった声で答えた。

「くすっ、赤ちゃんみたい・・・」
おむつを当てられて教室へと戻った芽久未の姿を見て、教室にクスクス笑いの声が広がる。
芽久未は恥ずかしさに前かがみにうつむいて、おまたからのぞくおむつの前を手で隠すけれど、おむつでふくらんだお尻は短いスカートから丸見えになってしまっていた。
「あーあ、かわいそうに。おむつ当てられちゃって。」
「でも、芽久未って、おねしょしてたらしいよ?」
「え?、そうなの?。じゃあ、ただおもらしが悪化しただけ?」
「かもー。でも、そしたら今後ずっとおむつかもねぇー。」
「わぁー、恥ずかしぃーい。」
・・・・・
そんな声の中、芽久未は自分の席で恥ずかしさに耐えながら小さく縮こまっていた。

5 冴子 2022-11-28 15:59:31 [PC]

そして、2時間目が終わった休み時間。
芽久未は涙でぐしゃぐしゃになった顔をうつむけて、『排泄管理室』へと入った。
おもらしでぐっしょりと濡れて気持ち悪く張り付くおむつを手で押さえながら。
「でちゃった・・・」
小さな声で鼻をすすりあげながら、つぶやくようにそう言って。
「じゃあ、『排泄遅延児童』の仲間入りだね。」
先生はため息をつくようにそう言って、芽久未におむつ替え台の上に寝るように手で促した。

おしっこは、我慢するひまもなく出てしまった。一気に。
それは、おむつに付けられた『おもらしモニター』にしっかりと記録されていて。
「判定は、『重度失禁状態』だね。」
先生はそう言って、ちらっと隣の部屋=『おもらしクラス』の教室の方を見た。
元々は、この学校の『おもらしクラス』は、『軽度失禁状態』=たまにもらしてしまう事がある、程度の子達で、おむつも薄めの布おむつ+パンツ型のカバーという自分でトイレに行けるものをはかされていた。
ところが、今年に入ってから次々に重度化していって、今では全員が『重度失禁状態』となり、分厚い『赤ちゃんおむつ』を当てられていた。

おむつ替え台の上に寝せられ、大きく足を開かせられて、おむつを開けられる。
あらわになるおもらしでぐっしょりと濡れたおむつ。
もう中学生なのに、赤ちゃんのような格好をさせられて、おむつを替えられる。
思春期の芽久未にとってそれは、みじめで、恥ずかしくて、悔しくて、顔を覆った両手の隙間から涙がぽろぽろと流れ落ちて行った。

「はい、おむつ替え終わり。」
先生は、そう言って芽久未に大きな紙の封筒を渡した。
「『おむつクラス』と、『おむ中』についての説明が入っているから、お家で親御さんと読んで、今後どうするか決めてね。」
「はい。」
芽久未は、涙ぐんだ声で返事した。

6 冴子 2022-11-28 16:08:54 [PC]

「まったく、あなたって子はっ!。おねしょばかりか学校でのおもらしまでしてっ!!。」
お家に帰ると、ママにそう言って叱られた。
お尻をちょっとぶたれたけどすぐに終わって。
先生に渡された資料を見て、ママと話した。

選択肢は、3つ。
1:今のクラスのまま。
 制服は普通の制服の上と『排泄遅延児童(常時)』用の短いペラペラのスカート。
 おむつは丸見え。
 おむつ替えは、一応、昼休みと放課後の2回。昼休みはイヤなら替えなくても良い。
 通学は今まで通り。

2:『おもらしクラス』に転級。
 制服は普通の制服の上と『排泄遅延児童(常時)』用の短いペラペラのスカート。
 おむつ替えは、お昼休みと放課後の2回。必要に応じて随時。
 通学は今まで通り。

3:『おむ中』に転校。
 制服は『おむ中』の幼児服のようなかわいい制服。
 おむつ自体は見えないが、制服とお尻のふくらみでおむつを当てられている事は丸分かり。
 おむつ替えは、お昼休みと放課後の2回。必要に応じて随時。
 通学は徒歩5分の所にある幹線道路でスクールバスが拾ってくれる。もしくは寮。

結局、芽久未が選んだのは『おむ中』への転校だった。
大きな『赤ちゃんおむつ』を当てられた姿で今の学校に通い続けるのは、あまりにも恥ずかし過ぎたから。
それだったら、『おむ中』に転校して、周りがみんな自分と同じようにおむつを当てられているなら、ずっと気が楽になると思った。
そして、幼児のようなかわいい制服を着せられてしまうのも、いっそ自分が赤ちゃんに戻ったような気分になれて気が楽になる、と思ったから。

7 冴子 2022-11-28 16:10:49 [PC]

「いってきまーちゅ。」
『おむ中』に転校してから、口数が減ったせいなのか、ちょっぴり舌っ足らずになった芽久未が家を出る。
幼児のようなかわいい制服。
分厚いおむつでふくらんだ大きなお尻。
遠目には、普通の幼児のようにさえ見える。
近所の人の視線にも慣れた。
おむつを当てられての生活にもだいぶ慣れて来て、うつむきがちだった視線も今では上に向いて来ている。
分厚いおむつのせいで、ちょっとよちよち歩きになりながらスクールバスが拾ってくれる幹線道路へと歩く。
そんな娘の背を見送るママの目は、あきらめと寂しさ。

そんな、あまりなさそうな景色が、実は日本中で起きていた事など、二人は知る由もなかった。
芽久未がおもらしをするようになった原因が、実は公的おむつから感染した新種のウイルスによるものだったなどとは。
公的おむつの洗濯工場で、殺菌工程のひとつを省いていたために、既存のウイルスが変異して新種のウイルスが生まれてしまったなどとは。
膀胱で増え、おしっことともに排泄され、公的布おむつを通じて感染を広げていく新種のウイルス。
脊髄の排泄制御関係の神経を犯し、尿失禁状態にしてしまう。
ウイルスは、公的おむつを当てられた人々に次々と感染を広げつつあった。
 
まだおむつが取れていない乳児だけは、ウイルスに対する抗体が出来た後に、排泄関連の神経が完成するおかげで、生涯失禁状態になる率が10%に留まったのは、果たして幸いだったのかどうか・・・。


ちゃんちゃん!



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