結衣奈ちゃんはおむつが取れない
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1 冴子 2018-09-23 10:56:26 [PC]

「いってきまーす!。」
朝。結衣奈(ゆいな)ちゃんは元気な声で言って家を出ます。
結衣奈ちゃんは、小学校の2年生。でもそのスカートの裾からはおっきなおむつが見えています。
そう、結衣奈ちゃんはまだおむつが取れていないのでした。
通学班のおにいさんおねえさん達と一緒に、学校に向かいます。
結衣奈ちゃんの後ろに並んだ1年生の子達が、結衣奈ちゃんのおむつを見てくすくすと笑います。
その声を聞いて、結衣奈ちゃんはちょっぴり恥ずかしそうにするのでした。

「おはよう!。」
学校に着いた結衣奈ちゃんは、元気よく挨拶して教室に入ります。
「「「おはよう!。」」」
クラスの子達が元気よく返してくれます。
自分の席に座って、ほっと息をつく結衣奈ちゃん。
その途端、おしっこがもれておむつが暖かくなります。
(出ちゃった。)
思わずおむつに手が行き、周りをそっと見回す結衣奈ちゃん。
そんな結衣奈ちゃんを見て、教室の中に一瞬ざわめきのようなクスクス笑いが広がります。
恥ずかしさに、ちょっぴりうつむく結衣奈ちゃん。
でも、すぐに顔を上げてにっこりと笑うのでした。

2 冴子 2018-09-23 10:57:47 [PC]

2時間目が終わるちょっと前の時です。
斜め前の方でざわめきが起きました。
「あー、雲母(きらら)ちゃんがおもらししたぁー!。」
そんな声とともに、男の子達が一斉に雲母ちゃんをはやしたて始めます。
「きったねぇー、もらしたぁー。」
「おもらしして赤ちゃんみたいー。」
「おむつしろぉー。」
「「そうだそうだ、結衣奈みたいにおむつ当ててろぉーっ!。」」
自分の名前が出てドキッとする結衣奈ちゃん。
おもらしで濡れてひんやりとしたおむつに意識が行って、みじめさと恥ずかしさが込み上げて来ます。
雲母ちゃんは、はやし立てられて、泣いています。
「こらっ!、やめなさいっ!。誰だって失敗はあるんだから。」
と、先生が、はやし立てている男の子達をぴしゃりと叱ります。
「「「そうよ!、そうよ!、誰だって失敗はあるんだからっ!。」」」
女の子達が、一斉に言い始めます。
「でも、結衣奈はいつもおもらししてるよなぁー。」
男の子のひとりがボソッと言います。
「結衣奈ちゃんは、『可哀想な子』なのっ!。いじめちゃいけないんだからっ!。」
クラス委員の女の子が言い返します。
「そっかぁー、結衣奈は『可哀想な子』なんだよなぁー。」
そんなやり取りを聞いて、なぜか悲しくなって、ぎゅっと手を握り締める結衣奈ちゃんでした。

休み時間。
仲良しの女の子たちと、おしゃべりする結衣奈ちゃん。
でも、女の子達の視線がチラッチラッと自分のおむつに向けられるのを感じます。
表面上それを無視しながらも、濡れたおむつの感触が恥ずかしくて、ちょっぴりうつむいてしまう結衣奈ちゃんでした。

3 冴子 2018-09-23 10:59:35 [PC]

お昼休み。
給食が終わってクラスの子達が思い思いに騒いでいる教室を、結衣奈ちゃんはそっと出ました。
午前中のおもらしで重く垂れ下がり、丸見えになってしまったおむつを、そっと手で押さえながら。
保健室に行って、おむつを替えてもらうために。
「せんせー、おむつ替えてください。」
結衣奈ちゃんがそう言いながら保健室に入ると、先客がいました。
お尻の周りをバスタオルで包んだ女の子です。
「おむつはくなんてイヤッ!。」
「仕方ないでしょ?、おもらししてパンツ濡れちゃったんだから。」
「でもぉ・・・」
どうやら、おもらししてしまった別のクラスの子のようです。
そこで、保健の先生が結衣奈ちゃんに気付きました。
「あ、結衣奈ちゃん。ちょっと待っててねぇー。」
先生は、そう言うと、先客の女の子にパンツ型の紙おむつを押し付けるように渡し、結衣奈ちゃんのおむつ替えの準備を始めました。
「じゃ、ここに寝てねぇー。」
先生は、替えのおむつカバーと布おむつを準備して、結衣奈ちゃんに防水シートを敷いたベッドに寝るように言います。
言われるままにベッドに寝て、そっと足を広げる結衣奈ちゃん。
「あー、いっぱい出ちゃったねぇー。」
先生は、赤ちゃんにでも言うような言葉をかけながら、結衣奈ちゃんのおむつを替えてくれます。
たくさんのおもらしでぐっしょりと濡れた布おむつ。大きく広げた足を持ち上げられ、赤ちゃんのような格好で、おむつを替えられる結衣奈ちゃんの姿。
先客の女の子は、目を丸くしてそれを見ています。
それに気付いた先生が、先客の女の子に言います。
「ほら、この子なんて、赤ちゃんみたいなおむつ当てられて、赤ちゃんみたいにおむつ替えられてるんだよ?。それに比べたら、そのおむつなんてパンツと変わらないでしょ?。」
「う、うん。」
先客の女の子は、そう答えてゆっくりとパンツ型の紙おむつをはきました。
そんな2人の会話を聞きながら、結衣奈ちゃんはみじめな気持ちになって、そっと2人から目をそらしました。

4 冴子 2018-09-23 11:00:33 [PC]

午後
(あたし、『赤ちゃんみたい』で『可哀想な子』なのかなぁ・・・?)
おしっこをもらしておむつが暖かくなるたび、結衣奈ちゃんはそんな事を思うのでした。

5 冴子 2018-09-23 11:01:58 [PC]

「ただいまぁ!。」
結衣奈ちゃんは元気に言ってお家に入ります。
「お帰り、結衣奈。」
ママが笑顔で迎えてくれます。
手を洗って、うがいして、お顔も洗って。
「さあ、おむつ替えようねぇー。」
「うん!。」
結衣奈ちゃんは笑顔でころんと寝て、ママにおむつを替えてもらいます。
「あーいっぱいしてえらかったねー。」
ママのその言葉に、結衣奈ちゃんは今日の学校での出来事を思い出して表情を曇らせました。
「どうしたの?、結衣奈。」
ママが心配そうに聞きます。
「ねえママ、あたし『赤ちゃんみたい』で『可哀想な子』なの?。」
ママは一瞬表情をこわばらせ、でもすぐにやさしい笑顔になって結衣奈ちゃんに言います。

「結衣奈は、自分でお着替えも出来て、お勉強も出来て、ママのお手伝いもちゃんとしてくれる『おねえちゃん』でしょ?。結衣奈ちゃん、学校行くのつらい?。ママにこうやっておむつ替えられるのイヤ?。」
結衣奈ちゃんは、ちょっと考えます。イヤな事もあるけれど、学校に行くのは楽しいし、お友達も優しいし、ママにやさしくおむつを替えてもらうのは、とっても好き!。
結衣奈ちゃんはママに言います。
「えっとぉ、時々イヤな事もあるけど、学校に行くのは好き!。ママにおむつ替えてもらうのは、とっても気持ち良いの!。」
ママは、にっこりと笑って、結衣奈ちゃんに言います。
「そうねぇ、誰でもイヤな事はあるし、苦手な事もあるわ。でも、良い事の方が多いなら結衣奈は幸せな子だと、ママ、思うわよ?。それに、お友達は結衣奈をかばうために『可哀想な子』って言ったんでしょ?。」
「うん!、ママ。」
結衣奈ちゃんは、そう言って、にっこりと笑うのでした。

ちゃんちゃん!



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