夏の夜の出来事
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1 ヒデちゃん 2018-07-03 12:07:46 [PC]
あれは私が小学校の低学年の頃だったと思う。
お風呂上がりに食べるアイスがとてもおいしかった。
三つ違いの妹には許されない、【おねしょ】を卒業している証だから尚更だったと思う。
でもまだ小さい妹には判っていても納得できる事では無かったのだろう。
残りが四分の一ほどになった頃、妹がアイスを奪おうとしてきた。
咄嗟の事に対応しきれなかった私と力任せでアタックをした妹。
お風呂上がりの私の体温でほどよく柔らかくなったアイスは私の手から真っ逆さまに落ちどちらの物にもならなくなっってしまった。
スローモーションのような一瞬が過ぎると溶けたアイスは私のズボンどころかパンツにまでしみこんできた。
「冷たっ!」
私の悲鳴にお母さんが気付き、まず妹が叱らた。
「お姉ちゃんも見せつけるように食べてたからいけないのよ。」
私も注意され
「片付けはお母さんがやるからお姉ちゃんはもう良いわよ。」
妹はまだ泣いていたけど私は直ぐに解放になった。
「でも、なんかベタベタして気持ち悪いよ。」
私は解放されてもどうしたら良いか判らずお母さんに下半身の不快感を訴えた。
「そうね、下だけシャワーして着替えなさい。」
すると一番楽な解決策を授けてくれた。
12 ヒデちゃん 2018-07-03 12:32:00 [PC]
お風呂は服を脱がせてもらう所から全てをお母さんにゆだねていた。
頭の先から足の先まで全て洗って貰い湯船も一緒、脱衣所からの移動さえも。
お風呂上がりはお母さんと一緒に入ったので今日はそのままもうおむつをして貰う。
もちろんパジャマも着せてもらった。
いつもよりちょっと早いおむつ、実質的にはお風呂を挟んだおむつ交換、そしてここは始まりの脱衣所。
私の心は天にも昇りそうだった。
リビングにお父さんが戻っている事に気が回らないぐらいに
いつものように髪を乾かして貰うためにリビングに入ると
「懐かしい格好してるね。」
お父さんは驚く事も無くそう聞いてきた。
「えっ、お、お父さん。」
膨らんだお尻はごまかせないと固まった私に
「お父さんにおねしょの事を知られてないと思ってた?車でおねしょをしたのよね。」
後ろからお母さんの声
「それにしても付き合いでおむつ穿いていて良かったね。」
お父さんの慰めみたいな言葉に
「おむつは付き合いで穿いていた事にしといたのよ。」
お母さんがそっと耳打ちしてくれて私は安堵した。
でも付き合いなのにおねえちゃんだけが朝からおむつ穿いてたと言う矛盾が普通は通るはずが無い事に私は気付かなかった。
お父さんはこの時にはというか自分が間違えて買ったおむつが始まりだった事もあって全てお母さんから聞いていたみたいだった。
13 ヒデちゃん 2018-07-03 12:33:08 [PC]
「お母さん、おねしょしちゃった。」
日曜日の朝、私は戸惑いながらそう告げた。
いつもと同じ時間しかねてないのにおねしょしてしまったのだ。
「じゃあお部屋戻ろうか」
でもお母さんは気にした様子も無くいつも通り
今日もお母さんの処理は完璧だった。
「まだ気付いてないの?昨日は寝る前におしっこ行った?」
落ち込んだままの私に聞いてくる。
昨日はあれから寝るまでお父さんとの久しぶりのふれあいだった。
別に妹がうらやましかったとかじゃないよ私の懐かしい姿にお父さんが赤ちゃん扱いしてきたの。
お父さんはただ抱きしめるだけだった。
そのままの姿勢で一緒にテレビを見て、時々ポンポンとおむつをたたく。
でも大きく包まれるてるようなお母さんとは違った安らぎがあった。
「そう言えば行ってない。」
テレビを見終わるとそのままお父さんがだっこで布団まで運んでくれたの。
「よし綺麗になった。もう一枚あるけど赤ちゃんパンツ穿く?」
理由が判り元気になった私にお母さんが最後の一枚を見せてくる。
私は首を横に振ったけど起き上がりもしない。
「ゴロンしたままなのはおむつをするの待ってるのかな?」
昨日“交換”と聞いた時にあの朝のモヤモヤした気持ちの理由に気がついた。
そして今日は日曜日、学校に行かなくても良い日。
私は嬉しそうに頷いた。
「ハイ出来た。おしっこ出たら教えてね。」
お母さんは寝る前と同じようにおむつを着けてくれた。
14 ヒデちゃん 2018-07-03 12:34:24 [PC]
「赤ちゃんみたいなおむつ交換…」
満足げにそう呟く私に
「いいの?昼間のおむつはさすがに隠せないわよ。」
お母さんが聞いてきた。
この家で私のおむつを知らないのはもう妹しかいない。
つまり妹に知られても良いのか聞いてきたのだ。
「今日だけって出来ないかな?」
そんな都合のいい事出来るわけ無いと分かっているけど聞いてしまう。
「じゃあ今から罰を与えるね。」
お母さんは突然そう言い出した。
「罰?」
「そう、おしっこ行かずに寝ておねしょした事の罰。」
事実だから妹に対しても嘘をついた事にならない。
「それってどんな罰?」
でも昼間のおむつとはまだ結びついていない。
「トイレに行く事の大切さを知るため一日トイレ使用禁止って言う罰、駄目かな?」
無理矢理ではあるが妹に説明は出来る。
「駄目じゃ無いよ、大歓迎だよ。」
妹から見れば昼間のおむつは十分に罰に感じる。
でも私にすればそれは親公認のお漏らしの許可証なのだ。
その日、私はお漏らしを十分に楽しんだ。
「次の時の為にどんなおむつがあるのか確認に行こう。」
昼過ぎには悪乗りしたお母さんが私と妹を連れ出した。
もちろんこの時も私は一枚だけ残っていた赤ちゃんパンツを穿いていた。
もちろんおむつを見に行くのも罰の一環と言う設定だった。
妹は私への罰だと思っているから今日はいつもは寄りつかないおむつ売り場でも平然としていられる。
だから端から見れば妹のおむつを選んでいるように見えるのでお母さんと私も不自然さは無い。
「どれが良いかな?」
お母さんの問いかけに
「これが良いよ。」
妹がいかにも赤ちゃん用というおむつを指さした。
私をからかったつもりなのに
「あなたの時はこれが良いのね、よく覚えておくね。」
自分の時のおむつを選んだ事にされてしまった。
「おねえちゃんはどれが良いと思う。」
「わたしこれが良いと思う。」
「これね。」
他の人には妹のおむつの話をしている様に聞こえ、妹には自分の物を選んだように聞こえるようにお母さんと私は会話する。
実はここに来た本当の目的はこの機会に妹へ注意喚起するためだったのだ。
15 ヒデちゃん 2018-07-03 12:37:16 [PC]
それ以降、功を奏して妹はどんなに眠かっても寝る前のトイレを忘れなくなった。
その日でお父さんが間違って買ってきたおむつの殆どを使い切ってしまった私は再び寝る時のおむつから卒業した。
16 ヒデちゃん 2018-07-03 12:38:11 [PC]
「お姉ちゃんはどっちが良い。」
おばあちゃんの家で夕食後のデザートにアイスを出してくれた。
「私は要らない。」
あの夏から数年経ち私もアイスのカロリーが気になりだしたのだ。
そのときはそんな些細な事で断ったつもりだった。
「アイス食べなかったと言う事はあれかな?」
そしてそんな私をお母さんが気にした事に気がつかなかった。
「はいこれ。」
お風呂を上がるとお母さんが待っていた。
渡された近くの百均の袋を覗く
「これって…」
数年前の記憶がよみがえる。
「アイスを食べなかったのはこれの合図でしょ。」
「でも…」
記憶のよみがえった私はなぜか拒否する事が出来なかった。
「万が一でおばあちゃんの家のお布団を汚さない為にもなるからね。」
お母さんの後押しに私は自身の奥底に眠っていた欲望との戦いに破れた。
「じゃあゴロンして。」
赤ちゃんみたいに私は素直におむつを着けて貰う。
大人用の素朴な紙おむつとパットだけど私はあの時に戻った感覚になっていた。
むしろパットで膨らんだモコモコ感があの時よりも赤ちゃんの様なおむつを連想する。
「おむつを嫌がらない良い子ね。」
お母さんも優しく褒めてくれる。
17 ヒデちゃん 2018-07-03 12:43:44 [PC]
「どうしてあの時、私のおむつを許してくれたの?」
安心感、抱擁感、夢想、白昼夢、そういったおむつがもたらす平穏。
あの頃には思い至らなかったお母さんの対応への疑問が湧いてきた。
「最初は下半身裸でトイレに行った事へのからかいとお仕置きのつもりだったのかな?実際におむつを着けるつもりは無かったのよ、」
お母さんは懐かしそうに思い出しながらそう話しだした。
「でも濡れたままの下半身だけ裸で項垂れる姿がお漏らしした後みたいでね、何て言うか懐かしさとかを思い出してね。」
「とか?」
なぜかそこに引っかかりを感じて聞き返す。
「赤ちゃん返りした時に重なったからね。」
私は妹が生まれた時に赤ちゃん返りしていた。
気を引きたくてわざとお漏らしとかもしていたみたい。
「その時の感情が湧いてきてあなたにおむつしてあげたくなってね、聞いてしまったの。」
「でも小学生だよ。」
「もちろん嫌がるなら冗談だって言ったよ、でもおむつしてくれたから嬉しかったよ。」
そこでお母さんからの話は終わってしまった。
「そうじゃなくて、その後も昼間までもの我が儘を聞いてくれた事だよ。」
いつまで待っていても続きが始まらなかったので詰め寄った。
「あの頃、あなた自身も含めて誰も気付いていなかったんだけどあなたの心は少し荒んでいたの。」
突然の告白に言葉を詰まらせると
「その年の担任の先生に対する不満や妹に対するちょっとした嫉妬と変な強がりとかで、極々一般的な一過性の心の乱れだから放っておいても大丈夫な程度のよ。」
そう言って私を安心させてから
「でもおむつしてからはそれが和いで妹に優しくなったり夏休みの宿題が捗ったりしたの、変に強がる事も無くなってお母さんに甘えてきてくれるのも嬉しかったしね。」
そう聞いてずっと心の奥に引っかかっていた何処か後ろめたい気持ちが解消された。
「だから高校受験に向けてまたちょっと心が乱れてきたみたいだから必要かなってね。」
そう言って膨らんだお尻をたたくお母さん
あの夏の人に言えない私の秘密の出来事は一時的なもので無くなった。
だっておむつは私の心の避難場所だったのだ。
もう気付いてしまった事で一生消えないだろう。
そして結ばれた私とお母さんとの絆も。
「わたし高校受験頑しっかり張るね。」
完
18 ヒデちゃん 2018-07-03 12:47:01 [PC]
おまけの話
「お姉ちゃんズルい。」
家に帰る車の中で必死でトイレを我慢している妹が叫ぶ。
同じぐらいの水分を取っていたはずの私が平然としている事の理由に気付いて。
昨日一緒に買ってきてくれていたパンツ型にパットを入れて穿いているから我慢出来なくても平気なため私は余裕でお茶を飲んでいたのだ。
「だってあなたはおむつを嫌がるでしょ。」
お母さんは私がおむつを穿いている事を認めて妹が小さい頃のおむつを嫌がっていた時の事を持ち出す。
私の膨らんだおむつはもう隠しようが無いからね。
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