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1 サラ 2020-06-01 20:53:57 [PC]

終わりの始まりその1

家ではグータラしていきましたが、空手道場と塾に毎日通っていました。疲れ果てていましたが夢助姉さんを驚かせたいそしてママに沢山甘えたいと思い、頑張っていますがお姉さんは気付いていない気がしていました。
「お姉さん気づいてるかな」
「みんな気づいてるよ」
安心しました。
平凡な日常は続きませんでした。
お姉さんの義務教育基礎一斉テストの答案用紙を見つけました。25点でした。家以外でも勉強すればもう少し良くなるのにと思いました。
夕方にママが話しが有ると呼びに来たのです。
「なんちゅう点数とってるの」
全く心当たりがありませんでした。
「え」
「ふざけないで25点だったでしょ、勉強してないとも聞いたよ」
姉にハメられたと思いました。
「80点だったよ学校に聞いて」
「嘘をつくような子は生んだ覚えがありません」
「ほんとだよ」
「後悔する前に正直に言いなさい」
「もう寝る」
落ち着くまで待ったほうが良いと判断しました。ですが何日たっても落ち着かず、1週間が経ってママから話し掛けてきました。
「貴方に大事な話があります」
表情からして誤解が解けた訳では無いと気付きました。
「保護教育学校に転校します」
聞き覚えは有りましたが、自分に関係の有る話とは思っていませんでした。通常の学校教育について行けない児童生徒を乳児から育て直す学校だったからです。
「申し訳ありませんでした。2度としないから許して」
心の底から謝りました。
「もう遅いわよ。書類上は転校済みです。今夜から寮に入ってもらいます」
赤ちゃん学校なんてごめんだと考え、家を飛び出しました。

2 サラ 2020-06-01 20:55:19 [PC]

終わりの始まりその2

隠れる場所を探し近所のシャッター商店街に行きました。この時間は通行人もほぼいないので隠れるには最適です。
「ジョウホウコウシンケイカイモードカラソウサクモードニイコウシマス。ムミチャンヲホゴシマス」
学校の保母ロボットが捜索を開始した様です。ゴミ箱の中に隠れる息を潜めていましたが、徐々に円柱形の悪魔が近づいてきます。
「ムミチャンヲホソクホゴシマス」
何でバレているのか分かりませんでしたが状況を打開する必要が有るのは事実でした。覚悟を決めて飛び出しまし、その勢いで右脚を振り上げ保母ロボットLを蹴りました。その一撃は鋭く、カメラに直撃貫通しメインコンピュター関連の配線にも被害を出しました。
「システムエラーハッセイアンゼンソウチキドウジョウホウソウシンカイシソノタシステムテイシ」
もしかしたら使えるかもしれないと思いロボット内部の装備を取りポケットに入れました。
一瞬周りを見ると、
「ムミチャンヲホゴシマス」
「ムミチャンヲホゴシマス」
「ムミチャンヲホゴシマス」
包囲されていました。
隙間にダッシュし飛び出しましたが、両方からロボットアームが飛んできて折ろうとしましたが、両腕に絡みつきくっついてしまいました。
「離せー」
振り解こうと腕をジタバタさせました
「ムミチャンイヤイヤナンデチュネデモオソトハアブナイデチュヨ」
「やだー」
「ムミチャンダッコデチュカ。オンブデチュカ」
寝っ転がって手足をジタバタさせました。
「歩く、離して」

3 サラ 2020-06-01 20:57:00 [PC]

終わりの始まりその3

「ワンワントアンヨシマチュカ」
出してきたのは犬の模様が付いたハーネス型の迷子紐でした。
「嫌だー迷子紐なんて」
近くの建物の2階から誰かが話し掛けてきました。
「僕はママと一緒に歩けるよ。すごいでしょ」
よく見ると幼稚園の帽子を被っていました。幼児より幼児だという事に気付いて顔が真っ赤になり悔しくなりました。
「ドウシマチュカ」
「ワンワン」
自分でも分からないが何故かワンワンと言ってしまいました。恥ずかしいです。
「エライデチュネ」
迷子紐を付けた後、頭を撫ぜてきました。
精一杯悔しさを堪えました。
しばらく歩くとミニバンが見えてきました。普通に見えました。
「ブーブーニノリマチュウ」
「ブーブーじゃない車だもん」
ドアが開くと普通の車ではありませんでした。大型化したベビーベッドがあったのです。隙間が殆ど無いので入れられたら一生出られないと悟りました。その恐怖によって逃げようとしましたが、迷子紐の事をすっかり忘れていました。慌てて取ろうとしましたが引っ張り戻されました。
「ムミチャンハネンネノジカンデチュ」
「乗りたくも寝たくもない」
「オウタヲウタイマチュ」
子守唄を歌い始めました。
「眠くないもん」
眠くならないと思っていましたが、掴まれていた腕が軽くチクッとした後から急速に眠くなりました。

4 サラ 2020-06-02 21:04:35 [PC]

天変地異その1
目が覚めました。天井にはかわいいらしい動物の絵が描かれていて、横には柵が有りました。昨日の事を思い出しました。お股はなんか気持ち悪いです。
「ムミチャンオッキシマチィタネ」
「出して、帰る」
柵を揺さぶりました。
「イイコニシテタラカエレマチュヨ。ヌッギシマチョウネ」
用意して有る服を見ると赤ちゃんの着るようなつなぎ服とオムツでした。逃げ場が無かったのでとりあえず奥に逃げました。
「嫌だー」
断固拒否でした。
「イヤナンデチュネ。オシリイヤイヤジャナイデチュカ」
それで初めて気づきました。おねしょをしていたのです。服を脱ぎました。
「エライデチュネ。ロンパースハッキシマチョウカ」
オムツに近づいてしまった事に気づきました。大急ぎで着ようとしましたが上からロボットアームが出てきて片付けられてしまいました。
「嫌だそんな服」
「イヤナンデチュカ。イイコナラオネイチャンフクデチュヨ」
「今も良い子だよ」
「イヤイヤハワルイコデチュ」
大声を出していたので喉が渇いてきました。
「お水頂戴」
「ハッキガオワッタラパイパイデチュ」
こんな服を着た上におっぱいなんてごめんだと考えました。
「水」
「ムミチャンハパイパイデチュ」
今もおっぱいは嫌ですが、喉がカラカラで倒れそうなので着替える事にしました。
「着替える、服ください」

5 サラ 2020-06-02 21:06:16 [PC]

天変地異その2

「ゴロンデチュヨ」
「え」
もう自分で着替えすら出来ないだと、絶望しました。
「アイタアイタニナリマチュヨ」
絶望の中寝っ転がりました。隣で分厚い布オムツが準備されていました。
「フカフカノキモチイイヌノオムツデチュヨ」
恥ずかしいくて目を逸らしましたが、側面に鏡が付いていました。屈辱や恥じらいが入り乱れ、よく分からなくなってきました。
「コッチニゴロンデチュヨ」
右側に寝返りを打ちました。開いたロンパースの布が全身に被さり、ロボットがポチポチと左肩から股に掛けてのスナップボタンを付けていきました。
「イイコデチタネ。パイパイデチュヨ」
大きな哺乳瓶が口元に差し出されました。悔しかったですがそれ以上に喉が渇いていたので、精一杯飲みました。ですが入った物は出て行く事を精一杯過ぎて忘れていました。
「パイパイオイチカッタデチュカ。イイコデチュネ」
涙目になりながら答えました。
「美味しかった」
水分に飢えた体には水分で有れば何でも美味しかったのです。

6 サラ 2020-06-02 21:07:55 [PC]

天変地異その3

「ヨカッタデチュネ。オソトニイキマチュカ、オモチャノオヘヤニイキマチュカ」
こんな赤ちゃんみたいな格好で外に行くなんて嫌と考えました。なので回答は1つでした。
「部屋が良い」
「ソウデチュカ。アソビガオワルマデガンバリマチュカ」
もうここまで来れば赤ちゃんの遊びなんて大したことないと思いました。
「そりゃあそうよ」
柵が降ろされました。
「部屋どっち」
「イッチョニアンヨシマチュヨ」
ロボットが手を握ってきました。振りほどこうとしましたが、ぺったりくっついてきて無理でした。
「イッチョデチュヨ」
持ち上げられベッドから降ろされました。
「シュッパツデチュヨ」
廊下に出て歩き始めるとパステルカラーの壁紙に動物のイラスト等と、まるで保育園の様な壁が端から端まで広がっていました。ずっと床を見ていました。床も動物のイラストだらけでしたが。
「ツキマチィタ」
周りを見ると赤ちゃんにされた人達が10人以上いました。この中に入ると考えると恥ずかしくなりました。
「帰る」
帰ろうと全力で引っ張りましたがびくともしませんでした。
「オヤクソクシマチタ。ガンバリマチュ」
「恥ずかしい」
「イヤイヤハアカチャンデチュ」
諦めて方針を変えました。少し離れた場所に椅子とオモチャがあったのです。座って遊べば関わらなくても良さそうです。
「椅子に座って遊びたい」
「ガンバリマチュカ」
「うん」
喜んで返事をしました。ですが椅子を前から見ると訳が変わりました。

7 サラ 2020-06-02 21:09:32 [PC]

天変地異その3

目の前に有る椅子は肩や腰、股に頑丈そうなベルトを着ける、身動きの取れない椅子だったのです。
「嫌ー」
手足をバタバタさせ暴れましたが、持ち上げられてしまいました。
「イヤイヤナンデチュネ。ヤクソクシマチタヨー」
座った後も暴れましたが、抑え込まれてしまいました。その間にもカチカチと後ろのバックルが留められていきました。自分でバックルを取ろうとしましたが届きませんでした。
「取って」
「ヤクソクハマモリマチュヨ」
耐えるしか無いと気づきました。落ち着いてみると、膀胱がパンパンで有る事を意識してしまいました。
「トイレに行きたい」
「オネイチャンブリタイデチュネ」
10歳だから出来ると思いました。
「出来るから」
「アソビマチョウネー」
「トイレ」
「シーシーウンウンデテマチェンヨ」
言い争いをしている内に少しずつ漏れてきました。こんなオムツを見られたく無いと思い逃げようとしましたが、ベルトはびくともしないし、隙間もありませんでした。その刺激で完全に漏れてしまいました。
「オスワリシマチョウネ」
「しまちゅ」
そのショックと気持ち悪さでまともに受け答え出来ず、気付くと涙が垂れて来ました。ですがこれ以上は頑張って堪えようとしました。
「シーシーデタンデチュネ」
「出ちゃ」
「カエマチュヨ」
頭が真っ白になりかけています。ここで替えるなんて。

8 サラ 2020-06-02 21:10:55 [PC]

天変地異その4

「オロシマチュヨ」
残っていた感情は気持ち悪さだけでした。感情に任せて泣きました。
「ヌッギシマチョウヨ。ガラガラデチュヨ」
ガラガラの音を聞いて、少し楽しくなりました。
「替えてくだちゃい」
オムツが開かれました。
「タクサンデマチタネー。イイコデチュヨ」
頭を撫ぜてくれて気持ちいいですが、オムツの気持ち悪さを誤魔化しきれませんでした。
「早くでちゅ」
「フッカフカノオムツデチュヨ」
お股も気持ち良くなりました。ほっとしましたが人前でオムツ交換され赤ちゃん言葉を話し、赤ちゃんの様に喜んでいた事に気づきました。恥ずかしくなり逃げようとしましたが、入口には柵が有りました。ベッドの柵の様な柵で、鍵はいくら探しても見つかりませんでした。そうしている間に捕まりました。
「ブッブーデチュヨ」
「嫌と言ったら嫌です」
話しをしているとみんなが帰っていきます。帰れるようです。
「カエリマチュヨ」
心の底から喜びました。
「はい」
保母ロボットの手を引きながら帰って行きました。

9 サラ 2020-06-02 21:12:06 [PC]

天変地異その5

戻るとベッドに寝かされ手を伸ばされました。
「オクルミデチュヨ」
下を触るとベッドとは違う感触がしました。赤ちゃんみたいで身動きが取れなくなるので逃げようとしましたが抑え込まれました。どんどん手足がくるまれていき身動きが取れなくなりました。その上にスナップボタンでおくるみが留められました。
「ゴメンナチャイマデバイバイデチュ」
出て行きました。このタイミングで抜け出そうとしましたが手首や足首、肩周りにもピッタリ沿っていて力を入れても一切動けません。
時間がどんどん過ぎていき、誰もいないしいいかと思い、おしっこを出しました。生暖かく気持ち悪いのでオムツカバーをどうにかずらしましたがロンパースのスナップボタンを外せなかったのでその場しのぎでしかありませんでした。
数時間後強い尿意に見舞われたのです。オムツカバーを戻そうとしましたが手が届きませんでした。その時おしっこが溢れうんちも出てしまいました。ロンパースやおくるみがうんち塗れになってしまい。おしっこで下半身がずぶ濡れになりました。気持ち悪くて痒くて臭くてもう散々です。その時です
「ゴメンナチャイデチュカ」
泣き出してしまいました。学校内では何も自分では出来ないのだと気づきました。
「ごめんなさい。2度とイヤイヤしません」
「イイコデチュネ」
頭を撫ぜられる、感覚を感じながら寝ました。

10 サラ 2020-06-04 21:46:29 [PC]

崩壊の始まり

目が覚めるとベッドの周りに園児がいました。何でか分かりませんでした。
「交流に来たよ。夢美ちゃんよろしくね」
学校に入れられてしまいましたが4年生のお姉さんです。こんな子達に絡まれる理由がありません。
「嫌、帰って」
「ムミチャンイヤイヤシマチェンヨ。オトモダチトアソビマチュヨ」
「イヤイヤするかもしれませんが、夢美ちゃんのお友達になってあげてください」
「うん」
先生が余計な事を言いました。
ベッドの柵が降ろされました。
「オロシマチュヨ」
抵抗しましたが降ろされました。降ろされている時に「大きいけど本当に2歳だね」と言われて更に恥ずかしくなり園児から離れました。
「並んで移動しますよ」
5人の園児がしっかり並びました。良い子だなと思いました。
「先生夢美ちゃんが来ません」
「2歳だから分からないの」
私もなのかと驚きました。
「わかるもん」
「並ぼうね。夢美ちゃん」
先生が優しく声を掛けてきましたが赤ちゃんみたいなので動きたくありませんでした。ですが動かないのも園児以下なので嫌でした。その為考える事を止めました。
私はベビーカーに乗せられ昨日の部屋まで移動しました。恥ずかしいですが先生の指示通りについていくよりはましでした。

11 サラ 2020-06-21 11:07:00 [PC]

人物設定

田原夢美（たはらむみ）10歳（1話時点の年齢で以下同じです）
前編の主人公で田原家の次女

田原夢助（たはらむじょ）13歳
後編の主人公で田原家の長女

田原未奈（たはらみな）35歳
夢美と夢助の母親

塩湖藤（えんこふじ）30歳
交流に来た幼稚園の教員

田農朝顔（でんのうあさがお）
交流に来た園児でクラスのお姉さん的存在

寺山昼顔（じさんひるがお）
交流に来た園児で歳相応には落ち着いている

大谷夕顔（たいこくゆうがお）
一人遊びが好き

石山天竹
周りからは落ち着いていると言われるが親は自主性の無さに悩んでいる

金石大花
良い子なのだが子供らしさが無く逆に心配されている

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