ママの都合
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1 冴子 2024-07-14 21:36:09 [PC]
総合ショッピングセンターの中。
ママは、服を見るのに夢中だった。
おしっこがしたくなった希良香(きよか)は、どうしようかと悩んでいた。
買い物に夢中の時のママの邪魔をすると、おこられる。
でも、おもらしをしてしまうと、バカにされ、ちょっぴりおこられるし。
トイレの場所は分かるけど・・・勝手に行くと、ものすっごく怒られて、ママにぶたれちゃう!。
今、履かされているおもらしパンツは、まだ濡れてなかった。
もうちょっと、待ってみようかな?。
売り場を移る時なら、トイレに連れて行ってもらえるかも知れないから。
そう思って、ちょっぴり待ってみた希良香だけれど。
ママの服選びは一向に終わる気配がなく、希良香はもう、今にももれそうになってしまった。
はかない望みを抱いて、希良香は、ママの服の裾を引っ張って、小さな声で言う。
「ママぁー、おし・・・」
でも、ママは手を振り払うと、希良香の言葉にかぶせるように言う。
「うるさいわねっ!、ママ忙しいの!。ちょっと待ってなさいっ!!!」
こわくて、ビクッとする希良香。
「あ・・・」
じょわぁあああ・・・
希良香はもらしてしまい、希良香のおもらしパンツの中に、暖かいおしっこが広がって行ったのだった。
ママがやっと服を選び終わったのは、希良香のおもらしパンツが冷たくなりかけて来た頃だった。
レジで精算し終わったママが、希良香に聞く。
「希良香、おしっこは?。まだ大丈夫?。」
希良香はうつむいて小さな声で答える。
「出ちゃった・・・」
ママがあきれたように言う。
「またもらしちゃったのっ!?、しょうのない子ねぇ。2年生になったくせに、いつまでもおもらしばっかりしてっ!。そんなにおもらしばっかりしてるなら、今度からは、おっきなおむつ当てるわよっ!?」
希良香は、ママがいつまでも買い物をしているからなのに、と思うけれど、言い返そうものなら、ものすごく怒られてぶたれるので、黙ってうつむく事しか出来なかった。
「ほら!、トイレに行って、おもらしパンツ履き替えるわよっ!」
ママはそう言って乱暴に希良香の手を引っ張って、トイレに連れて行ったのだった。
2 冴子 2024-07-14 21:37:03 [PC]
「まあ!、こんなにもらしてっ!。もうあふれそうじゃないのっ!。」
ママは大声でそう言いながら、トイレの手洗い場の横で希良香のおもらしパンツの履き替えをさせる。
希良香の着ているワンピースのお尻側には、よく見るとうっすらとおしっこの染みの跡が付いている。
個室に並んでいる人、トイレに入って来る人、出て行く人がジロジロと見て行って、希良香は恥ずかしさに、少し頬を染める。
「いっちょ前に、恥ずかしがってるんじゃないわよっ!、赤ちゃんみたいにまだおもらしが直ってないくせにっ。ほら、足を抜いてっ!。」
手洗い場のシンクにつかまりながら、希良香は濡れたおもらしパンツから、左右の足を順番に抜く。
ママは、希良香の背負っているリュックを開けて丈夫なポリ袋を出して、脱がしたおもらしパンツを入れて、またリュックに戻した。
それから、リュックから新しいおもらしパンツを取り出して、希良香に足を順番に通させて履かせる。
「ああ、めんどくさいっ!。次もらしたら、あっちで取り替えようねっ!?。」
ママはそう言って、女子トイレの片隅のおむつ替え台を顎で指した。
「いやぁ・・・」
消え入るような声で希良香はつぶやいた。
おもらしからだいぶ時間が経っていた希良香は、またおしっこがしたくなりかけていたけれど、ママがこわくて言い出せず、ママだけがトイレで用を足して、トイレを出たのだった。
その後の買い物は、それほどの時間がかからず、ママと希良香は電車に乗って家路についたのだけど。
電車の中、希良香は今にももらしてしまいそうになっていた。
必死におしっこを我慢する希良香。
その時。
「ほらっ、希良香っ、降りるわよっ!。」
電車が降りる駅に着き、ママがそう言って、希良香の腕を乱暴に引っ張る。
「あ・・・」
じょわ!、じょじょじょじょぉぉ・・・
びっくりした希良香は、またもらしてしまったのだった。
3 冴子 2024-07-14 21:38:08 [PC]
「またおもらしして・・・」
家に帰り、希良香を着替えさせたママは、希良香のおもらしパンツがぐっしょりと濡れて垂れ下がっているのに気づき、吐き捨てるように言った。
そして、希良香のリュックから、使い残したおもらしパンツを取り出して、希良香にポイと放り、
「履き替えたら、おもらししたパンツは、いつもの通りおもらしバケツに放り込んどいてねっ。あと今晩は『赤ちゃんおむつ』ねっ!。」
と言って、自分が着替えに行ったのだった。
ママが自分の部屋に消えて、希良香は、ほっと溜息をつく。
家なら、好きな時にトイレに行けるから、おもらしなどしないで済むから。
でも、ママが言い捨てた『赤ちゃんおむつ』を考えると、ちょっと憂鬱になる。
希良香は、朝起きた時に、トイレに間に合わずちょっとちびってしまったり、トイレに行った時ママやパパが入っていてもらしてしまう事があるので、夜寝る時は、おもらしパンツを履かされている。
でも、『赤ちゃんおむつ』は・・・
お風呂から上がったらすぐに当てられてしまうので、寝る直前にトイレに行けなくなってしまう。
勝手に外したりしたらぶたれるし、自分でもう一度きちんと当て直すのは難しいし、きちんと当ててないともれて来ちゃうからこっそり外す事なんか出来ない。
で結局、おむつにもらすしかないわけで・・・。
翌朝。
「まあぁー、またおねしょしてっ!。『赤ちゃんおむつ』、当てといてよかったわねっ!。」
希良香のおむつを開け、ぐっしょりと濡れている事を確認したママがわざとらしく言う。
「・・・」
希良香が黙ったままうつむいて、こっそり口をとがらせていると、ママが言う。
「希良香っ!、返事はっ!?」
「・・・はぁい、『赤ちゃんおむつ』当てといて良かったです・・・」
「ママに感謝しなさいねっ!。ほら、おむつ外してあげるから、あんよ大きく開いてっ!。」
「まったく!、小学2年生にもなって、赤ちゃんみたいにおねしょしちゃうなんてねっ。お出かけした時もおもらしばかりするしっ!。もういっそ、ずっと『赤ちゃんおむつ』当てといた方が良いのかしらっ!?。」
ママは、そうぶつぶつと言いながら、赤ちゃんスタイルで希良香のおむつを外してくれた。
そして、学校で希良香が通う『おむつクラス』用のおもらしパンツを履かせたのだった。
4 冴子 2024-07-14 21:38:54 [PC]
希良香は、学校ではおもらしがまだ治らない子の『おもらしクラス』に通わされている。
幼稚園でのトイレトレーニングで、おむつは取れていたけれど、入学の時のママの「この子はまだおもらしをする事があるから。」という申告で。
そのため、学校ではパンツ型のおむつカバーと布おむつを組み合わせたものを「おもらしパンツ」と呼んで履かされている。
でも、休み時間には自由にトイレに行けるので、学校でおもらしをした事はほとんどなかった。
そのおかげでこの間、「普通クラスに移っては?」という打診の手紙が、担任からママに届いたのだった。
(卒業式や入学式の時などは、「『おもらしクラス』の子はおむつをしているからもらしても大丈夫」という理由で、普通クラスの子が退場し終わった後に退場になるので、まに合わずにもらしちゃった事はあった。)
5 冴子 2024-07-14 21:41:47 [PC]
そうして、次の日曜日。
希良香は、またママと一緒に買い物に行った。
朝食を食べてすぐ、トイレに行く暇もなく、せかされるようにして連れ出されて。
今回は、なぜかショッピングセンターではなく、街中のちょっと大きめのお店だった。
そのお店の看板を見て、希良香の顔がこわばる。
「体の成長が早い子供用品 排泄関連品専門店 たけのこ」
と書いてあったから。
難しいまだ習ってない漢字があったけれど、それは希良香が良く目にする漢字でその意味を知っていたから。
「ママ、このお店って・・・」
「ほら、入るわよ!。あなた、おもらしばっかりするんだから、いっぱい吸収してくれるおもらしパンツ買わないとね!。この間だって、あふれそうだったでしょっ!?。」
ママはそう言って、希良香の腕を引っ張って、お店の中に入って行ったのだった。
「いらっしゃいませ、どのような品をお探しですか?。」
まっすぐに向かって来るママを見て、店員が声をかけて来る。
「この子にはかせるおもらしパンツを探しているんだけど。」
「それでしたら、こちらですね。」
店員は、そう言って、「おちびり用」「おもらし用」などと書かれた札の並ぶコーナーに案内してくれる。
「『おちびり用』は、じょろっともらしちゃったり、トイレまで間に合わなくてちょっと出ちゃう子用の物ですね。大体100mlくらいまでなら吸ってくれますし、外見も普通のパンツと・・・」
店員がそう説明してくれるのをさえぎって、ママが言う。
「全部出ちゃう事が多いのよ!。それでも服とか汚さないのが欲しいの。」
「それでしたら、こちらの『おもらし用』になりますね。こちらですと、大体おしっこ1回分なら安心して吸ってくれます。」
6 冴子 2024-07-14 21:42:46 [PC]
ママが店員に言う
「1回分吸うのならもうあるのよ。
外出中とか履き替えさせられない時だってあるし、履き替えさせないでしばらく大丈夫なのが欲しいのよ。」
「うーん、それでしたら、こちらの大容量タイプなら、おしっこ2回分、大体300mlくらいまでなら吸ってくれますが・・・その・・・」
店員は、なんとなくママの求めている物を察して、ちらっと『おむつコーナー』の方を見る。
「2回くらいじゃねぇー。せめて午前中に家を出て、外出先でお昼食べて夕方に帰って、家で履き替えさせたいのよ。外見なんかはどうでもいいから、そういういっぱい吸ってくれるのはないの?」
トラブルを予感して、店員はちょっと言いにくそうに言う。
『おもらしパンツ』を求めてきた親には、『おむつ』という言葉を使うと、怒りだす親も多いから。
「それでしたら・・・、その『おむつ』のコーナーの方の物でしたら色々と取り揃えてございますが。」
「ふーん。やっぱり、『おむつ』っ!、になるのねっ!。」
ママは、『おむつ』を強調しながらそう言って、希良香の事を見る。
希良香は、恥ずかしそうにうつむく。
「聞いたよね?、『おむつ』!が必要なんだってさ。あなたには。おもらしばかりしてるんだから、赤ちゃんとおんなじに『おむつ』!当てられても仕方ないよね?」
希良香はうつむいたままそっとうなづく。
「じゃあ、『おむつ』の方を見せて下さい。」
ママはそう言って、『おむつ』コーナーの方を見る。
店員は、女の子がちょっとかわいそうだな、と思いながらも、大きなトラブルにならずにホッとして、おむつコーナーへとママと希良香を案内した。
7 冴子 2024-07-14 21:43:44 [PC]
「さあ、あなたの外出用の『おむつ』!を選びましょうねっ!。」
ママは希良香にそう言って、おむつを選び始める。
店員は、ちょっと気が重い。
いくらおむつとはいえ、基本的には「濡れたら取り替える」ものだから。
「朝から晩までずっと当てっぱなし」、というのは良くないし、そういう『特殊な』用途のおむつというのは、種類が限られるから。
「吸収力がとても大きいものとなると、パンツタイプの物はなくて、こういった当てるタイプの物で布おむつの枚数を増やしてもらうしかないのですが。」
「聞いた?、希良香、やっぱり『赤ちゃんおむつ』でないとダメなんだってさ。あんたみたいにおもらしばっかりする子は。」
希良香は心の中で、「あたしが何度もおもらししちゃうのは、あたしのせいじゃないもん!」とつぶやくけれど、そんな事をママに言おうものならぶたれるだろうから、じっと黙ってうつむくしかなかった。
「こちらの物ですと、このくらいのお子さんの大体5回分くらいのおしっこを吸収してくれます。」
店員の説明に、ママは希良香のスカートをめくり、履いているおもらしパンツを指さして聞く。
「このおもらしパンツの5回分かしら?。」
来る途中にもらしてしまったおしっこで垂れ下がっている希良香のおもらしパンツを見て、店員が言う。
「あー、このおもらしパンツは、2回分用の大きい物ですねぇー。なので、このおもらしパンツと比べると2枚分くらいになりますねぇー。」
「それじゃあ足りないわね。もっと大きいサイズでいっぱい当てられるのはないの?」
店員がためらいながら言う。
「あるにはあるのですが、それだけ大量となると、重さも重くなるので、寝た状態のみで使う物以外は少なくて。
当てたまま動き回れる物となると、形も特殊になりますし、かなり大きくお尻がふくらんでしまいますよ?。
そうなると外見からおむつを当てられているのがはっきりと分かってしまって、お嬢さんも恥ずかしいのでは?」
「それで良いわ!。この子がおもらしばっかりするのが悪いんだし。少し恥ずかしい方が、おもらしも直りやすいでしょっ!。」
ママはそう言い放つ。
8 冴子 2024-07-14 21:44:57 [PC]
店員は、あきらめて、大量のおむつを当てられるタイプのおむつカバーを持って来て、説明を始めた。
当てた時のシルエットは、丸形フラスコの首を太くしたようなシルエットになるおむつカバーで、『特殊な施設』で使われる物だった。
「こちらのタイプですと、おむつがずり落ちないようにウエストの広い範囲で支えられるようになっています。その下のお尻の部分はこのように大きくふくらんでいますので、大量のおむつを当てられますが、足回りはちゃんとお嬢さんの足のサイズ程度に細くなっているので、もれにくくなっております。ただ、当て方を工夫しないと足の間が大きく垂れ下がったり、足を大きく広げられて歩きにくくなってしまいますが。」
「あら、良いじゃない、お尻が大きくふくらんだそのシルエット、赤ちゃんみたいで。しょっちゅうおもらしばっかりするうちの子にはぴったりだわ。ふふふ。」
希良香はうつむいて、じっとママの言葉に耐える。
「あたしあんな格好させられるの!?、そんなのイヤッ!」という言葉が喉から出かかり、言葉の代わりに希良香の目から涙がぽろぽろとこぼれた。
「でも、そのくらいお尻がふくらんじゃうと、今ある外出用の服だと合わないわねぇー。そのおむつカバーに合うような服ももらえるかしら?」
「一応専用の服があるのですが、その・・・かなり幼いデザインの物に・・・その、ベビー服のような・・・」
店員はそう説明しながら、ちらちらと希良香の方を見る。
この子が可哀そう過ぎると思って。
でも、ママは。
「ちょうど良いわ!。おもらしが直らないこの子には。」
そうして、ママはおむつカバー5枚、吸収力が高くまた染み込む力が高くて全体に分散しやすい特別な布おむつを50セット(1セット=おしっこ1回分)、専用のベビー服(おまたのホックにはカギがかかり、自分では脱げない)6種類(外出に適したデザインのもの3枚、部屋着用2枚、寝巻用2枚)を買ったのだった。
9 冴子 2024-07-14 21:45:54 [PC]
そして。
「この子、もうもらしちゃってるし、今買ったおむつを当てて帰りたいんだけど、この近くにどこかおむつを替えられる場所はないかしら?。」
と、ママは店員に聞く。
「あ、それでしたら、当店におむつ替え室がありますので、どうぞご利用下さい。」
店員は、そう言って、奥にあるおむつ替え室へと案内する。
大人でも寝られそうな大きさのおむつ替えベッドには、角度を変えたり、足を持ち上げたり拘束したり出来るアームまで付いていた。
希良香は、そこに寝せられ、おもらしでぐっしょりと濡れたおもらしパンツを脱がされ、買ったばかりの特大のおむつを当てられ、買ったばかりのベビー服を着せられてしまったのだった。
店を出た希良香は、自分の格好が恥ずかしくて顔を上げられず、ぐすぐすと泣きながら、特大のおむつに大きく足を押し広げられて、よちよちと歩く。
そんな希良香にママが冷たく言う。
「あんたが悪いんでしょっ!、学校でおもらししないで普通クラスに行かされそうになんてなるからっ!。」
「えっ!?」
ママは一瞬、しまった!、という顔をした後、すぐに言いつくろう。
「何でもないわよっ、言い間違えただけっ!。あんたがお出かけのたびに、おもらしなんてするから、そんな格好させられるのよっ!。これからは、お出かけの時はずっとその格好だからねっ!。あと、お家でもずっとその赤ちゃんおむつねっ!。」
「ふえーぇん・・・」
泣く希良香の手を乱暴に引っ張って、ママは足早に歩いた。
10 冴子 2024-07-14 21:46:58 [PC]
こうして、希良香の赤ちゃんおむつを当てられての日々が始まった。
とは言え、学校では「おもらしクラス」なので、学校へ行く時はおもらしパンツを履けて、学校ではトイレにも行けた。
「おもらしクラス」の制服は、おもらしパンツがギリギリ見えそうで、幼稚園の制服みたいでイヤだったけれど、家で着せられるベビー服に比べたらはるかにましだった。
朝、夜の間にもらしたおしっこでぐっしょりと濡れた赤ちゃんおむつを学校用のおもらしパンツに替えてもらい、ベビー服を脱がしてもらって、「おもらしクラス」の制服を着て学校に行く。
家に帰ると、その制服とおもらしパンツを脱がされ、特大の赤ちゃんおむつを当てられてベビー服を着せられる日々。
そんな日々が始まって、1か月が経った頃。
希良香は、学校でおもらしをして、しかもおもらしパンツをあふれさせてしまった!。
その日、ちょっと寝不足でぼーっとしていた希良香は、2時間目の休み時間にトイレに行くのを忘れてしまった。
そして3時間目、居眠りしかかって、つい家にいる時と錯覚してしまって、おもらししてしまった。
次の休み時間にもらしてしまった事を先生に言って、おもらしパンツを替えれば良かったのだけど。
今まで、学校でおもらしした事がなかった希良香は、そういう決まりをよく覚えていなかった。
さらに、家で毎日濡れたおむつのままでいさせられていたせいで、おもらしパンツが濡れている事に気付かないまま、お昼休みにまた眠くなって、もう一回もらしてしまったのだった。
「せんせー、希良香ちゃんが、おもらししちゃってます!。」
5時間目の授業が始まった時、友達のその声ではっとして目覚めた希良香は、やっと自分がおもらしして、おもらしパンツをあふれさせたことに気付いたのだった。
「希良香ちゃん、どうしちゃったの?。今まで学校でおもらしした事なかったのに。何かあったの?。」
先生が心配そうに聞く。
「あの、その、寝不足でちょっとぼーっとしてて・・・」
家で赤ちゃんおむつを当てられてベビー服を着せられているなどとは、とても恥ずかしくて言えず、希良香は言葉を濁すしかなかった。
11 冴子 2024-07-14 21:48:07 [PC]
「おもらしで教室を汚した子は、強制的に『おむつクラス』に転級。」
そう言う決まりだった。
希良香の通う学校では、『一時転級』で1か月様子を見て、大丈夫な様なら今度はおもらしパンツをはかせて元のクラスに戻してくれると言う決まりになっていたのだけど。
先生は、希良香がおもらしで教室を汚したことと、『おむつクラス』に一時転級になる事を、希良香のママに電話で連絡した。
ママは、
「まあ!、そんな、あの子がおもらしで教室を汚してしまうなんて!。」
と驚いた声で言っていたが、その顔は抑えきれない笑いで歪んでいたのだった。
こうして、希良香は家でも学校でも赤ちゃんおむつを当てられるようになってしまった。
そして、この事件以降、家でも学校でもおしっこを我慢しなくなって、全部おむつにもらしてしまうようになり、『おむつクラス』への『一時転級』はそのまま正式転級になったのだった。
「もう、いい・・・赤ちゃんでも。」
ぽつりとつぶやいた希良香は、その後少しづつ赤ちゃん返りして行ってしまった。
大きなおむつを当てられ、ベビー服を着せられて、外を歩かされるのがもう耐えきれなかったのか・・・
「自分はまだ赤ちゃんなんだ」と思い込む事で、自分の心を守ろうとしたのか・・・
1年後。
「あらあら、可愛いお嬢ちゃんですねぇ。」
可愛いベビー服を着せられ、お尻を大きなおむつでふくらませた幼いしぐさの希良香の姿を見た店員がママに声をかける。
「・・・あら?、でもずいぶん大きい・・・あっ!、ごめんなさい!。」
希良香が小学生くらいの体格だと気づいた店員は、慌ててママに謝罪する。
しかし、ママは。
「この子ったら、もう小学3年生なのに、まだおむつも取れてなくて。しかもこんな風に心も赤ちゃんみたいに幼くて。
でも、こんな子でもわたしにとっては、大事な娘ですの!。
たとえ一生このままでも、大事に育てていきますわぁー!。」
そう言って微笑むママの顔は、「障害を持つ娘でも大事に育てていく母親」の自分にうっとりと酔い知れていたのだった。
ちゃんちゃん!
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