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地方政治は身近なようで遠い存在だ。 理由は簡単。国政は政局を含めて詳細に報道されるが、地方政治は報道が少なく、有権者も関心を持ちにくいからだ。 多くの人が無関心の中、ごく一部の人たちに地方政治が壟断(ろうだん)される仕組みが、これまた、ごく一部の人たちによって作られようとしている。 各地で制定されている自治基本条例のことだ。 既に100ほどの自治体で制定され、制定を検討している自治体も多い。 制定が必要とされる理由に「その都市ならではのまちづくりのルールを決める」ことが挙げられている。が、奇妙なことに内容はどこでもほとんど同じ。 後発の条例は既に制定している自治体の条例の都市名を変えただけのものだ。 ◆自治労主導で金太郎アメに 条例の内容が同じなのには理由がある。制定を推進しているのが自治労(全日本自治団体労働組合)で、策定を指導しているも自治労系の研究者だからだ。 『2009−10年度 自治労 地域・自治体政策集』は「市民(住民)自治を中心に据えた『自治基本条例』を制定します」と明記し、群馬県高崎市では職員組合の現職書記長が条例策定のプロジェクトチームのメンバーとなり、策定を主導していたことが明らかになっている(2月18日付産経新聞)。 自治基本条例は「まちの憲法」すなわち最高規範性を有する条例と自称する。これに反する過去の条例や規則は書き換えられ、自治体の政策は将来にわたってその内容に縛られるということだ。 もちろん、条例に最高規範性を持つ条例もそうでない条例もない。同列なものに過ぎないが、自ら最高規範性を有すると規定し、事実上の拘束力を持ってしまう。
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