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私は AJCNの現地スタッフを通じて、陳に質問を投げかけてみた。「中国の国防動員法は機能すると思うか? 海外の中国人は共産党の命令に従って蜂起するか?」 国防動員法とは、中国で 2010年7月1日に施行された法律で、「中国が有事の際には、金融機関、陸・海・空の交通輸送手段、港湾施設、報道やインターネット、郵便、建設、水利、民生用核関連施設、医療、食糧、貿易など、あらゆる分野が政府の統制下に置かれる」 とするもので、海外に住む中国人も対象となり、有事の際には中国軍に呼応して破壊活動や軍事活動を行わなくてはならない、と解釈されている。 陳は国防動員法を重く受け止めているようだった。 陳は言う。「日本でも豪州でも、中国籍のままの中国人は間違いなく従わなくてはならない。 拒否すれば処刑されうるし、本国の家族や親せきが代わりに処刑されたり投獄されたりする可能性があるからだ」 たとえ日本の永住権を取っていても、最初から工作目的で来ている人間は確実に破壊行為を実行するだろう。 高度な人材であれば、単純な暴力行為ではなく、中枢システムの破壊など、巧妙なテロ攻撃を仕掛けてくる。 その準備のために移民として潜伏する工作員が必ずいる。 ただ、陳はこうも付け加えた。「豪州在住の中国人は、すでに共産主義の独裁制に疑念を抱いているものも多く、昔に比べれば洗脳の度合いが下がっている。 おそらく、最終的には中国政府に進んで従うもの、いやいや従うもの、拒否するもの、に分かれるだろう。 そして、豪州政府もその区分で対応するだろう」 その割合はその時が来るまで彼にもわからない。 日本にいる中国人が、中国籍のままの人間の割合が高ければ、それだけ人民解放軍に呼応する人間が多いということだ。
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