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まずは共同通信がどれほどの影響力を持っているのか、見ておこう。 共同通信は 「全国の新聞社、NHK が組織する社団法人」 として 1945年に設立され、加盟社は NHK を含め 56社、加盟社が発行する新聞は 67紙に及ぶ。 県紙と呼ばれる地方紙が各都道府県ごとにほぼ 一社ずつ加盟している。 日本の一般紙全ての発行部数 約47百万部のうち、全国紙5紙 (朝日、毎日、読売、産経、日経) が 合計28百万部で、地方紙は 合計19百万部程と 4割を占める。 全国紙はある程度の市場競争もしており、その報道や論評については読み比べも可能だ。(それでも偏向報道、捏造報道が絶えないのは弊誌でも何度も見てきたとおりであるが [a])。 しかし多くの地方紙は県内独占に近く、読者は県紙の論説以外に触れる機会が少ない。 そもそも地方紙が概ね 一県一紙になったのは、戦時中の新聞統合による。 戦前は同一県内に 三、四紙が存在していることも珍しくなかったが、戦時下における情報統制を目的にした昭和16年12月の新聞事業令によって、地方紙はその多くを整理・統合され、最終的に都道府県ごとに 一、二の新聞社しか発行を許可されなくなった。 [5, p274] 多くの新聞は戦時中の「軍国主義」による報道統制を悪しざまに批判するが、現在の地方紙の 一県一紙独占体制そのものが、その報道統制の産物なのである。 共同通信が終戦直後の 1945年に設立された点にも留意する必要がある。 共同通信は占領軍の情報統制の手段の 一つとして設立され、GHQ編集の 「太平洋戦争史」 を翻訳して各紙に配信した。 共同通信と 一県一紙の地方紙の体制は、まさに戦中・戦後に設立された報道統制システムなのである。 (画像)
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