要旨
[スレッド一覧] [返信投稿] [▼下に]
1 vogeee 2016-04-16 13:40:10

要旨
2 vogeee 2016-04-17 00:45:57

<h2>スペクトラムシフト</h2>
富める世界の子供たちはかつてよりはるかに自閉症と診断されやすい。なぜそうなのか、そして彼らに充実した人生を送らせる手助けとして何ができうるのか?

一人きりで黙ったまま、スレン・シンドラーはミュンヘンの白壁の会議室の中で日に6時間座っている。彼はドイツ最大級の金融機関ハイポヴェレンズバンクのオンラインサービスようのプログラムを書いている。彼の職場は以前のよりも彼にフィットしている。開放型のオフィスだったため、彼は常々電話の着信音やキーボードを打つ音、おしゃべりな同僚たちに悩まされていた。「ああいったやかましい環境で働くのは疲れたね」と彼は言う。シンドラー氏は自閉症の一種であるアスペルガー症候群だ。
シンドラー氏のような状況は、ここ半世紀でより一般的になってきたようだ。自閉症は1949年にはじめて特定されたが、数十年にわたって体系的研究はなされなかった。1970年に行われた早期の研究ではアメリカにいる14000人の子供のうち1人が自閉症だとされた。2000年にアメリカの疾病管理防疫センター(CDC)がデータを恒常的に取り始めた。そのとき以来、自閉症のうちの何らかの一種であると診断される8歳児の割合は2倍以上の68人中1人(1000人中15人)となった。韓国で行われた最近の研究は、サンプルでなく学校世代の子供の全人口に基づいた世界初のものだ。それが警告しているのは、7歳から12歳において38人中1人が何らかの自閉症であるということだ。
自閉症は幅広い症状を含む複雑な脳の状態だ。他人に囲まれることが不安でなったり、音や触覚、味覚、匂い、光に過敏であったり、強迫的な興味を持ったり、といったことが含まれる。少なくとも自閉症の子供の4分の1は話すことがないが、その数字はより高いとする研究もある。その反面、平均的か高い知能を持ち比較的普通の生活を送っている人もいる。カナダ人コメディアンのダン・アイクロイドは特筆すべき例だ。
自閉症は人によってさまざまに影響を及ぼす。自閉症の人の中には、知能テストで平均以上のスコアを獲得するが言語コミュニケーションに苦しみ強迫的な繰り返し運動(たとえば前後に揺れたり腕を振り回したり)をする人もいる。語彙は普通だがIQは低く運動制御が弱い(手で書いたりフォークを使うのが難しい)人もいる。特に高機能自閉症の人はほとんど認識されがたい。言うならば、地図についてや異なる航空機のメリットについて強迫的興味を示したりするだけのかすかな兆候だ。
自閉症の原因はあまりよくわかっていない。一卵性双生児に着目した研究が示しているのは、遺伝子が大きな、おそらく支配的な、役割を果たしているということだ。しかし、たとえば出生時の合併症や出生前にウィルスや大気汚染に晒されるなど環境要素もまた問題となるようだ。
研究者たちは自閉症が人生の早い時期に、おそらくは子宮内で、始まるものだと信じている。両親はときに1歳になる前に子供の振る舞いが奇妙な事に気づく一方で、症状は後期になるまで必ずしも現れてはこない。男性がより影響を受けやすいようだ。たとえばアメリカでは、自閉症は女児より男児の方がおよそ5倍診断されやすい。

[管理ページ]
もっとき*掲示板