2 manolo 2013-02-20 06:42:20 [PC]
1-5. 北朝鮮が昨年12月、事実上の長距離弾道ミサイル発射実験に踏み切ったことに対して安保理が1月22日に制裁強化決議を採択すると、北朝鮮は中国への不快感を示していた。決議が出た後の1月23日の朝鮮中央通信は、金正恩(キムジョンウン)・第1書記の整形手術疑惑を伝えた中国メディアを名指しして、「恥を知れ」と激しく糾弾。翌24日に北朝鮮の国防委員会が出した声明は、米国への反発と同時に「世界の公平な秩序維持の先頭に立つべき大国まで、米国の専横と強権に押されている」として、暗に中国とロシアを批判した。いずれもこれまでにない異例のことだ。(p.3)
1-6. 韓国の外交筋は「北朝鮮も中国との距離を感じ、批判を強めることで離反させまいとしている」とみる。さらに、韓国政府は中朝の足並みに乱れを、好ましい変化と受け止める。政府関係者は「韓国も最大の貿易国は中国。わがままな北に振り回されたこれまでが異常で、現実的になってきたと見るべきだ」と語る。(p.3)
1-7. 中国は、中朝関係が一定程度冷え込むことを覚悟しつつ、1月の制裁強化決議に賛成したと見られる。1月末、北京の日中関係筋と会った武大偉(ウーターウェイ)・朝鮮半島問題特別代表は、「北朝鮮は(核廃棄を盛り込んだ2005年の)6者協議の共同声明も存在しないと言う。だとすれば、私の仕事もなくなります。と冗談ぽく話したという。この関係筋は「中国は、北朝鮮の反発に意外性を感じていない」と見て取った。(p.3)
1-8. 昨年11月に発足した習近平(シーチンピン)指導部は、尖閣諸島や南シナ海の問題が深刻さを増す中、アジア回帰を進める米国とどう向き合うかという課題と直面する。北朝鮮を特別視すべきでないとの世論の高まりも無視できない。中国政府は制裁で北朝鮮を追い込むことには今も消極的だが、北朝鮮一辺倒であることを許さない圧力が国内外で高まっているのも事実だ。(p.3)
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