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香港占拠運動 (コメント数:14)

1 manolo 2014-10-13 21:22:00 [PC]


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出典:『日本版ニューズウィーク』、10/7/2014、「香港の占拠運動はアジア版「アラブの春」?」、p.20

行政長官選挙の自由化をめぐり
中国に反発する香港市民の複雑な心理

1-1.
 香港には中国にはない素晴らしいものがたくさんある。地に根を張った民主主義。収益性の高い民間企業への経緯――。香港は自由と資本主義のとりでた。

2 manolo 2014-10-13 21:25:51 [PC]

1-2.
 中国の一部である香港には、中国共産党を熱心に支持し ている人々もいる。その彼らが最近、不吉な警告を発している。街が機能停止し、路上に遺体があふれ、無法者たちが横行するような事態になる危険が香港に潜んでいる、というのだ。彼らの言う「危険」とは、核による惨事でもエボラ出血熱の大流行でもない。民主派が計画している香港中心部金融街(中環)の交通封鎖だ。親中派の組織は民主派を「煽動者」と批判。交通封鎖を行えば、大災害に匹敵する交通渋滞が発生し、警察も救急車も身動きが取れなくなって香港は無政府状態に陥る、と大げさに批判している。

1-3.
 香港をめぐる騒ぎの根本をたどれば、1840年代のアヘン戦争に行きつく。その後、イギリスの統治によって、香港は中国本土とは大きく異なる道をたどって発展し、強い独立心を抱くようになった。そして97年にイギリスは香港を中国に返還。そのときの約束では、いずれ香港が宗主国イギリスや本土の支配下では得られなかった自由を手に入れ、自分たちの指導者を直接選挙で選べるようになるはずだった。それから17年。香港市民がしびれを切らしつつあるなか、中国の全国人民代表大会(全人代)は8月末、ついに直接選挙による香港行政長官選を返還20周年の節目である17年に実施することを正式に認めた。

1-4.
 だがそこには落とし穴があった。全人代は、行政長官選挙には香港各界の代表でつくる「指名委員会」の過半数の推薦を受けた人物しか立候補できないと決定したのだ。指名委員会は親中派が多数を占めることになるため、事実上、中国政府が認めた候補者以外は立候補できないことにある。多くの香港市民はだまされたと感じ、その不満から中環の占拠を目指す運動が始まった。中国政府から真に開かれた選挙の実施という譲歩を引き出すまで、中環をデモ隊で埋め尽くすのがかれらの計画だ。

3 manolo 2014-10-13 21:26:54 [PC]

1-5. 【手に負えない子ども】
 占拠運動の主催者たちは、中国の建国記念日である国慶節の10月1日に計画を実行すると発表した。彼らのいら立ちは高まりつつあり。9月22日には既に大学生たちが抗議の授業ボイコットを始めた。欧米諸国にとっては見慣れたやり方でも。公共の安定は個人の権利に勝ると信じる権威主義的な中国指導部には、このような運動はまるで「アラブの春」の到来のように見えるはずだ。

1-6.
 中国政府が徐々に香港を「手に負えない子ども」と見なすようになってきている兆候もある。中国政府の駐香港特区連絡弁公室のトップである張(チャン・)暁(シアオ)明(ミン)は8月末、民主派の議員たちに「君たちが生きていられるのは、中国政府の寛容さのおかげだ」と言い放った。中国政府にとっての究極の悪夢は、香港が親欧米派で本土に敵対的なリーダーを選び、独立へ向けた情熱をたぎらせることだろう。だが、香港が本土に対して攻撃的な姿勢に転じるという見方は大げさだと、占拠運動のまとめ役の一人で銀行員の区(オウ・)麗(リー)荘(チョアン)は反論する「わざわざ中国政府に逆らって損をする理由はないと、彼女は言う。「中国は香港にとって、とてもいい市場。私たちは協力を望んでいる」

1-7.
 民主派、親中派とも自分たちこそが香港市民の真の願いを体現していると主張する。だが世論調査をする限り、市民の意見は一枚岩ではない。英字紙サウスチャイナ・モーニングポストの調査によれば、香港市民のおよそ半数が、中国の提案する方法での行政長官選挙が撤回されることを願っている。しかし、その一方で、この選挙運動でより自由な占拠を手に入れることができると信じている市民は、わずか5%だった。

4 manolo 2014-10-13 21:47:16 [PC]

出典:『日本版ニューズウィーク』、10/14/2014、「中国独裁、存亡を賭けた戦い」、ミンシン・ペイ(クレアモント・マッケンナ大学教授)、pp.30-33

香港デモへの対応から読み取れる中国の生き残り戦略
汚職追放と民主派たたきの二面作戦で習近平は「延命」を図るが――

2-1.
65年前の建国以来、中華人民共和国の歴代指導者はそれぞれの「歴史的使命」を果たそうと努めてきた。初代の毛沢東は共産主義のユートピア建設を目指した。その夢が無残に砕けた後、国を混乱と貧困のどん底から救うために奮闘したは鄧小平(トン・シャオピン)だ。鄧のおかげで、後を継いだ江沢民(チャン・ツオーミン)と胡錦濤(フー・チンタオ)はひたすら高い経済成長を維持して共産党の延命を図ればよかった。(p.30)

2-2.
 現在の習(シー・)近(チン)平(ピン)国家主席には、より困難な課題が待ち受けている。金融危機の兆候を見せる経済の減速、チベットや新疆ウィグル自治区の不穏な動き、悪化しつつあるアメリカや日本との関係など、すべてが暗い未来を暗示している。十分な経済成長を実現することで一党独裁体制を維持するという古い作戦は、もはや通用しない。習は昨年の国家主席就任に先立ち、12年11月に中国共産党総書記に就任した直後に、自ら課せられた「歴史的使命」を明らかにしている。翌12月、地方の党幹部を集めた会議で習は、中国共産党はソ連共産党の悲劇を繰り返してはならないと警告し、ソ連指導部の腐敗と臆病さが国家崩壊のきっかけになったと指摘したのだ。習はその場で、ソ連には弱体化した党を守ろうとする者がなぜいなかったのか、と問い掛けさえもしたという。(p.30)
2-3.
 その習が、現在直面しているのが、香港という難題だ。香港では行政長官を事由に選ばせろという声が渦巻いている。中国共産党にとっては、まったく受け入れがたい要求だ。香港で真に民主的な選挙を認めたら、国内でも同様な動きが「雨後のタケノコ」のように続々と現れるのは間違いない。一方、中国共産党がデモ隊を武力性威圧したら、国際社会から非難を浴び、制裁を受けるだろう。党の名誉を大きく傷つけることなく、香港の抗議デモをうまく乗り切る――習にとっては今が正念場だ。(p.30)

5 manolo 2014-10-13 21:49:12 [PC]

2-4. 【独裁政権「70年限界説」】
 習の12年12月の発現を受けて、中国共産党中央宣伝部は4部構成のドキュメンタリー『ソ連崩壊20年目の追悼』を制作し、すべての党員が見るよう義務付けた。ドキュメンタリーはソ連崩壊を3つの簡潔な言葉で説明していた。腐敗、イデオロギー統制の失敗、ミハイル・ゴルバチョフ元大統領の裏切りだ。中国によるソ連崩壊の分析が正しいかどうかはともかく、明らかなことがる。中国の新指導者である習は党の未来を憂えていて、過去2年間、ソ連の轍を踏まないために重要な手を打ってきたという事実だ。(pp.30-31)

2-5.
長期にわたる独裁政権を崩壊に導く大きな要因は二つ挙げられる。まずは経済発展だ。所得増加と民主主義に相関関係があることは周知の事実。国民が豊かになるにつれて、独裁政権が生き残る確率は低くなる。30年に及ぶ2桁の経済成長を遂げた中国は、既に一党独裁の維持が危うくなる豊かさのレベルに達している。国民一人当たりの所得は購買力平価で約1万ドル。中国よりも豊かな国を見ると、「自由でない」と分類されるのは14カ国しかない(米人権擁護団体フリーダム・ハウスの調べから)。しかもそれらの国々は、ベラルーシを除いて石油マネーで潤っている。石油に恵まれた独裁者は重税を課す必要もなく、金で国民を丸め込む。だから生き残る確率は高くなる。(pp.31-32)

2-6.
しかし中国にそんな贅沢は許されない。中国経済は多様な製造業を基盤としている。税金を徴収し、国家を維持する資金を生み出さないとならない。現在、中国の総合税率はGDPの35~40%と推定されるが、社会福祉が不十分な途上国にしては極めて高い。(p.32)

2-7.
 かつてのアメリカでは、植民者にイギリス本国への納税義務はあっても本国議会への納税義務はあっても本国議会において参政権がなかったため、独立機運が高まった。「代表なくして課税なし」は独立戦争のスローガン。課税と引き換えに発言権を持つことは、いずれ現在の中国でも実現するのだろうか。(p.32)

6 manolo 2014-10-13 21:49:58 [PC]

2-9.
 経済発展のほかに、指導層の腐敗と堕落も独裁政権崩壊のきっかけになる。一党支配といった強固でよく組織化された独裁政権でも、生存期間はだいたい70~75年くらいだ。最長記録を持つソ連は74年間、次が台湾の国民党の73年間、そしてメキシコの制度的革命党(PRI)の71年と続く。中国共産党は65年間、生きながらえてきた。70年説を信じるなら、党が余命を気にし始めてもおかしくない。(p.32)

2-10.
 習も民主化と腐敗が脅威と考え、トップ就任以来、両面作戦に着手した。まずは文化大革命後の厳しい汚職追放運動だ。党は12年末から50人を超える高官と何百人もの中堅職員を汚職の疑いで告発。12年まで中国共産党最高指導部のメンバーだった周(チョウ・)永(ヨン)康(カン)や、軍のナンバー2だった徐(シュイ・)才(ツァイ)厚(ホウ)など、これまでは手が出せないとされた党や軍のトップも含まれている。さらに習は贅沢な宴会や贈答品、公用車の私的使用も禁じた。(p.32)

2-11. 【国際社会を気にしない】
 汚職追放運動の目的が党内の規律と国民の信頼の回復である一方、習は民主化運動を抑え込むイデオロギー面での容赦ない攻撃にも出た。かつて活気あった中国のソーシャルメディアに対する締め付けも始まった。有名なブロガーたちが「デマを流した」として投獄され、弾圧に怯えて口を閉ざすブロガーが増えている。各国で起きた民主化要求の大衆運動が自国に波及することを恐れ、貧しい村に図書館をつくる団体を活動中止に追い込むなど、NGOへの規制も強めている。歴代政権の弾圧をくぐり抜けてきた有力な人権活動家や弁護士が、不可解な容疑で身柄を拘束されるケースも起きている。(p.32)

2-12.
中国の民主化勢力を締め付ける習のイデオロギー政権は、もしかしたら保守派からの攻撃をかわすための巧妙な策略かもしれない。汚職にまみれた保守派の多くは習の汚職キャンペーンに激しく反発しており、習が民主派に弱腰なところを見せればすぐにも失脚させようと手ぐすね引いているからだ。ありそうな話だが、現在の反民主化キャンペーンの激しさを見る限り、中国の旧守派勢力は習の意をくんで動いているのであり、イデオロギー面の締め付けは今後も続く可能性が高い。(p.32)

7 manolo 2014-10-13 21:50:44 [PC]

2-13.
 つまり、これは中国共産党の最新の思考を反映した新たな生き残り戦略の発動なのだ。右の汚職と左の民主派を同時にたたく新戦略は、いくつかの重要な点で、過去20年以上にわたる党の国内政策を規定してきた「天安門以降」の生き残り戦略と異なっている。天安門事件以降の中国共産党にとって、正当性の唯一のよりどころは高い経済成長の維持だった。もちろん民主派の弾圧はあったが、あくまで限定的・散発的だった。一方で党の支持基盤を拡大するため、実業家などの社会的エリートに党員資格を与えた。党幹部に対しては、イデオロギー的な正しさや高い倫理基準を強く求めることはなかった。(p.32)

2-14.
 習のやりかたが、前任者たちの戦略に比べて一党独裁の延命に有効かどうかはまだ分からない。しかし今回の香港における危機にどう対処するかは、習の政治的な真意やリーダーシップを判断する一つの材料になる。習の戦略において、一党独裁死守のイデオロギー闘争の主戦場が中国本土と想定されていたことは間違いない。香港は完全に想定外だった。残念ながら、何か突発的な事態が起これば、完璧な計画でさえ頓挫することは少なくない。今の習は香港の緊張のため、危ない綱渡りを強いられている。(pp.32-33)

2-15.
 言うまでもないが、今回の危機の発端は、香港の行政長官選挙における立候補の自由を中国共産党が拒んだことにある。強硬姿勢に起こった香港の学生や民主派勢力は、大規模なデモと座り込みで当局に対抗する道を選んだ。危機に対処するにあたり、習が最も懸念するのは国際社会の反応ではない。もしも対処を誤れば、一党独裁の存続をかけ続けた自らの戦略が揺るぎかねないという嫌念だ(pp. 32-33)

2-16.【穏健派は失脚する伝統】
 そこから導き出される第1の結論は、中国側は香港の民主派勢力に譲歩しないということだ。デモ参加者たちの要求を受け入れれば、党の政治的な弱さを露呈し、中国本土にいる民主派勢力をつけ上がらせることになる。それだけではない。譲歩は一党独裁の延命を目指す習近平戦略の核となる部分――民主派勢力を恐怖で抑止することに主眼をおいた戦略――の実質的な否定につながるだろう。(p.33)

8 manolo 2014-10-13 21:52:19 [PC]

2-17.
 さらに重要なのは、習自身が香港で譲歩すれば、党内保守派から「弱腰」と非難される可能性があることだ。習がそうした事態を警戒するのが当然だ。習自身は国家主席として絶大な権力を握っているが、党上層部の政治力学は常に揺れ動いている。汚職撲滅キャンペーンで、習はあまりにも多くの敵を作りすぎた。権力の集中を急いだため、「毛沢東の再来」かと揶揄する声もある。これは危険な兆候だ。悪夢のような文化大革命が終焉して以来、中国共産党は「毛沢東の再来」をなんとしても防ごうと努めてきた。習が香港への対処を間違えれば、立場は一気に危うくなる。党の歴史を振り返れば、上層部の失脚はほぼ例外なく、党の権力に歯向かう勢力に手加減したことが原因だった。顕著な例は天安門の学生に軍隊を差し向けることに反対した趙紫陽(チャオ・ツーヤン)総書記(当時)だ。一方、強硬路線を声高に主張して憂き目に遭った幹部は一人もいない。天安門事件への対処で失態を演じながら昇進した者もいる。そうした党の歴史は、習も熟知しているはずだ。(p.33)

2-18.
 香港の抗議活動を力づくで抑え込めば、国際社会からの非難と経済制裁を受けることになるが、その影響はどうか?残念ながら、国際社会の非難くらいで中国共産党が矛先を収めるとは考えにくい。何しろ党の存亡を賭けた戦いなのだから。党上層部の多くは、もし香港で民主派を弾圧しても、中国に莫大な投資をしている欧米諸国が本気で制裁を発動することはないと、高をくくっている。もちろん経済的な損失は莫大なものになるだろうが、大部分は香港が負い、中国本土はかすり傷程度で済む。党としては、経済的な損失を香港にいる民主派のせいにして自らを正当化できる。いかなる場合でも、共産党の打算は政治的なもので、経済的なものではない。どんな犠牲を払っても一党独裁を存続させることが大事なのだ。(p.33)

9 manolo 2014-10-13 21:56:52 [PC]

2-18.
 民主派に妥協して弾圧を回避するというシナリオは考えにくいものの、習とて歴史の大きな流れには逆らえない。強硬姿勢を貫き、実力行使に出れば今回の戦いに勝てるかもしれない。だが、今後も同じような戦いががいくつも待ち受けてるだろう。恐怖と抑圧の論理が常に勝つとは限らない。周はどこかで選べなければ。自分がはたすべき歴史的な使命、残すべき遺産は何なのか。賞味期限の近づいた理不尽な制度の延命に手を貸すことなのか。それとも偉大な改革者として中国の民主国家への平和的移行を仕切ることなのか。(p.33)

10 manolo 2014-11-04 07:59:43 [PC]

出典:『The Economist』、10/4/2014、「The Party v the people」、p.13

The Communist Party fears toughest challenge since Tiananmen. This time it must make wiser decisions.

3-1.
 Of the ten bloodiest conflicts in world history, two were world wars. Five of the other eight took place or originated in China. The scale of the slaughter within a single country, and the frequency with which the place has been bathed in blood, is hard for other nations to comprehend. The *Taiping revolt in the mid-19th century led to the deaths of more than 20m, and a decade later conflict between Han Chinese and Muslims killed another 8m-12m. In the 20th century 20-30m died under Mao Zedong: some murdered, most as a result of a famine caused by brutality and incompetence.

*Taiping revolt: 太平天国

3-2.
 China’s Communist Party leaders are no doubt keen to hold on to power for its own sake. But the country’s *grim history also helps explain why they are so determined to replace the territory’s fake democracy with the real thing. Xi Jinping, China’s president, and his colleagues believe that the party’s control over the country is the only way of guaranteeing its stability. They fear that if the party loosens its grip, the country will slip towards disorder and disaster.

*grim: a. 残忍な、冷酷な

3-3.
 They are right that autocracy can keep a country stable in the short run. In the long run, though, as China’s own history shows, it cannot. The only guarantor of a stable country is a people that is satisfied with its government. And in China, dissatisfaction within the Communist Party on the rise.

3-4.【Bad omens】
 Hong Kong’s “Umbrella revolution”, named after the protection the demonstrators carry against police pepper-spray (as well as the sun and the rain), was triggered by a decision by China in late August that candidates for the post of the territory’s chief executive should be selected by a committee stacked with Communist Party supporters. Protesters are calling for the party to honour the promise of democracy that was made when the British transferred the territory to China in 1997. Like so much in the territory, the protests are startlingly orderly. After a night of battles with police, students collected the plastic bottles that littered the street for recycling.

11 manolo 2014-11-04 08:02:24 [PC]

3-5.
 For some of the protesters, democracy is a matter of principle. Others, like middle-class people across mainland China, are worried about housing, education and their own job prospects. They want representation because they are unhappy with how they are governed. Whatever their motivation, the protest present a troubling challenge for the Communist Party. They want *reminiscent not just of uprisings that have toppled dictators in recent years from Cairo, Kiev, but also of the student protests in Tiananmen Square 25 years ago. The decision to shoot those protesters succeeded in restoring order, but generated mistrust that still pervades the world’s dealings with China, and China’s with its own citizens.

*reminiscent: a. (of) 思い出させる

3-6.
 In Hong Kong, the party is using a combination of communist and colonial tactics. Spokesmen have accused the protesters of being “political extremists” and “black hands” manipulated by “foreign anti-China forces”; demonstrators will “reap what they have sown”. Such language is straight out of the party’s *well-thumbed **lexicon of ***calumnies; similar words were used to ****denigrate the protest in Tiananmen. It reflects a long-standing unwillingness to engage with democrats, whether Hong Kong or anywhere else in China, and suggests that party leaders see Hong Kong, an international city that has retained a remarkable degree of freedom since the British handed it back to China, as just another part of China where critics can be intimidated by accusing them of having shadowy ties with foreigners. Mr Xi, who has long been closely involved with the party’s Hong Kong policy, should know better.

*well-thumbed: a. 手あかで汚れた
**lexicon: n. 語彙
***calumny: n. 中傷
****denigrate: v. 中傷する

3-7.
 At the same time the party is resorting to the colonialists’ methods of managing little local difficulties. Much as the British―*excoriated by the Communist Party―used to buy the support of tycoons to keep activism under wraps, Mr Xi held a meeting in Beijing with 70 of Hong Kong’s super-rich to ensure their support for his stance on democracy. The Party’s supporters in Hong Kong argue that bringing business onside is good for stability, though the resentment towards the tycoons on display in Hong Kong’s streets suggests the opposite.

*excoriate: v. 激しく非難する

12 manolo 2014-11-04 08:03:59 [PC]

3-8.
 Yet the combination of *exhortation, co-option and tear gas have so far failed to clear the streets. Now the government is trying to wait the protesters out. But if Mr Xi believes that the only way of ensuring stability is for the party to reassert its control, it remains possible that he will authorise force. That would be a disaster for Hong Kong, and it would not solve Mr Xi’s problem. For mainland China, too, is becoming restless.

*exhortation: n. 勧告
**co-option: n.

3-9.
 Party leaders are doing their best to prevent mainlanders from finding out about the events in Hong Kong. Even so, the latest news from Hong Kong’s streets will find ways of getting to the mainland and, and the way this drama plays out will shape the government’s relations with its people.

3-10.
 The difficulty for the Communist party is that while there are few sign that people on the mainland are hungering for full-blown democracy, frequent protest against local authorities and widespread expressions of anger on social media suggest that there, too, many people are dissatisfied with the way they are governed. Repression, co-option and force may succeed in silencing the protesters in Hong Kong today, but there will be other demonstrations, in other cities, soon enough.

3-11.【A different sort of order】
 As Mr Xi has accumulated power, he has made it clear that he will not tolerate Western-style democracy. Yet suppressing popular demands produces temporary stability at the cost of occasional devastating upheavals. China needs to find a way of allowing its citizens to shape their governance without resorting to protests that risk turning into a struggle for the nation’s soul. Hong Kong, with its history of free expression and semi-detached relationship to the mainland, is an ideal place for that experiment to begin. If Mr Xi were to grasp the chance, he could do more for his country than all the emperors and party chiefs who have struggled to maintain stability in that vast and violent country before him.

13 manolo 2015-01-14 23:03:47 [PC]

出典:『日本版ニューズウィーク』、12/9/2014、「追い詰められた香港デモ 共産党は勝利者なのか」、p.14

拠点は撤去され、リーダーが逮捕された「雨傘革命」だが
この運動は中国指導部の挫折の始まりかもしれない

4-1.
 わずか18歳で香港の民主派デモを指揮した黄之鋒(ホアン・チーフォン)は、間違いなくこの「雨傘革命」の顔だ。だが黄はヒーローになり切れなかった。商売を邪魔しているという市民からの申し立てに基づき、デモ隊が1ヵ月半立て籠もり続けた繁華街・旺角(モンコック)のバリケードが先週撤去され、黄も警官隊に逮捕された。翌日釈放された黄は、若者2人から顔に生卵を投げ付けられた。

4-2.
 17年の香港特別行政区の行政長官選挙をめぐり、誰でも出馬できる普通選挙を求める民主派と、民主派の立候補を阻止したい共産党の対立から始まった今回のデモは一時「89年の天安門事件の再来になる」とみられた。共産党にとって完全な自由選挙は到底受け入れられず、一方で、流血の事態になれば、再び世界から経済制裁を受けかねない。しかし、香港では今のところ、大規模な流血は起きていない。デモ隊はその後も旺角で警察と衝突を続けているが、黄ら学生リーダーは香港政府との直接対話を再開するめどもなく、内部分裂で運動は手詰まりになっている。最後まで学生に主導権を渡さなかった行政長官の梁振英(リャン・チェンイン)、そして絶対に妥協しない姿勢を示していた習近平(シー・チンピン)国家主席の高笑いが聞こえるようだ。

4-3.
 しかし共産党は本当に「勝利」したのだろうか。香港中心部をデモ隊が占拠する半年前、約800キロ離れた台北で学生が立法院(国会)を占拠するヒマワリ学生運動が起きた。彼らが直接批判したのは、中国とのサービス貿易協定をめぐる国民党政権の強引な対応だが、その背後にいるのは大陸の共産党政権だ。台湾の学生たちは、中国大陸との経済関係が強まることで、いずれ台湾の民主政治や言論の自由が失われることを恐れていた。

14 manolo 2015-01-14 23:07:11 [PC]

4-4.
 今回の香港デモが求めたのも、共産党政権の価値観とは相いれない制限なき普通選挙だった。同じ1年の間に、台湾と香港で共産党に対して、自由や民主主義を守ろうとする政治運動が起きたのは、偶然か必然か。「台湾と香港は共に、中国の経済的恩恵とセットになった自由の縮小、民主の後退というリスクに直面している」と、台湾の社会学者・林宗弘(リン・ツォンフォン)は言う。「似たような状況にあれば社会運動が起きる確率は高くなる」

4-5.
 これまで共産党は圧倒的な経済成長を背景に、香港と台湾に「同一化」を迫ってきた。香港では12年に、中国人としての愛国心を育成する教育を小学生に押し付けようとの動きがあった(今回のデモで活躍した黄らから猛抗議を受けた)。台湾で08年に親中派である国民党の馬英九(マー・インチウ)が総統に当選し、いまだに政権を維持しているのは、大陸への貿易依存度が3割に達していることと無縁ではない。

4-6. 【馬は風の変化を読んだ?】
 一方で、中国との経済関係の強化は、台湾や香港で格差の拡大や若者の就職難というデメリットももたらしている。さらに今まで育んできた自由、そして民主主義という価値観が奪われかねないとなれば、台湾や香港の人々が反発するのも当然だ。空気の変化を何より雄弁に物語るのが、親中派と見られていた台湾の馬総統の言葉だ。香港デモについて馬は「中国は普通選挙による行政長官選出という約束を守るべきだ」と、あえて共産党政府を批判した。低支持率にあえぐ馬なりの打算もあるだろうが、台湾世論の風向きの変化を感じ取っているはずだ。

4-7.
 香港と台湾の学生デモは共産党の一党独裁によって、挫折の始まりなのかもしれない。当の共産党だけでなく、敗北したかに見える黄ら学生リーダーも気付いていないかもしれないが。
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