2 manolo 2014-04-08 09:22:10 [PC]
1-2. NATOはこの日の外相理事会でポーランド、ルーマニア、バルト3国など東欧の加盟国の防衛強化を決定。ロシアとの軍事及び民間協力を全面停止し、「ウクライナ軍の治安能力向上」に向けた支援強化も決めた。しかし具体的な方法については意見が分かれたままだ。アメリカはポーランドとバルト3国に戦闘機を配備しているが、ロシアと国境を接するこれらの国々はより強い措置を望んでいる。一方、ドイツ、オランダ、イタリアなどは外交による緊張緩和を模索中だ。
1-3. ポーランドは領内に1万人規模のNATO軍を駐留させるよう求めている。ポーランドは99年、ハンガリー、チェコと共にNATOに加盟。04年には旧ソ連圏の他の7カ国がNATOに加盟した。こうしたNATOの東方拡大にいら立つロシアをなだめるため、NATOは新規加盟国への戦力配備を自制することに合意した。しかし今回、ロシアがクリミアを占領し、ウクライナとの国境付近に約4万人の兵力を集結させたことで、合意はほごになったと一部の加盟国は考えている。「ポーランドは条約の文言だけでなくNATO軍によって守られるべきだ」と、ポーランドのトゥスク首相は語った。
1-4. 【「冷戦終結後最大の危機」】 NATO条約第5条は、加盟国に対する攻撃はNATO全体への攻撃と見なして集団的自衛権を行使する、と定めている。なのにNATOはアフガニスタンやリビアなど域外での任務に重点を置き、ヨーロッパにおけるロシアの脅威に備えができていないと、東欧の加盟国は以前から不満を漏らしている。NATOは「第5条が定めていることを陸・海・空で目に見える形で実行する」べく計画策定中だと、ケリー米国務長官は語った。
1-5. ロシアがウクライナに侵攻すれば経済制裁で対抗すると欧米の指導者は言う。しかしNATO内には、ロシアとウクライナが戦争になればより広範囲に飛び火するかもしれないと懸念する声がある。ウクライナの危機は「冷戦終結後最大の危機」だとラスムセンは言う。悪夢のシナリオはいくらでもある。民間人が多数犠牲になったり残虐行為が行われたり、ウクライナからの難民がEUに大量流入する事態になれば、欧米の介入圧力は増大するだろう。ロシアが経済制裁に対抗して、あるいはウクライナで激しい抵抗に遭って、バルト3国に矛先を向ける可能性もある。
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