total:78231 today:16 yesterday:4

Tokon Debatabank II

Ads by Google
スレッド名コメント作成者最終投稿
冤罪6 manolo 2014-06-13 00:47:03 manolo
M & A6 manolo 2014-06-12 01:26:40 manolo
裁判員制度4 manolo 2014-05-18 16:50:36 manolo
研究不正5 manolo 2014-05-17 16:05:38 manolo
天下り2 manolo 2014-05-12 16:33:22 manolo
極右政党6 manolo 2014-04-30 23:26:38 manolo
NATO3 manolo 2014-04-08 09:25:42 manolo
政治理論(Glossary)9 manolo 2014-04-05 19:17:35 manolo
メディア研究(Glossary)7 manolo 2014-04-02 16:02:44 manolo
ビットコイン4 manolo 2014-03-23 13:32:38 manolo
Ads by Google
1 manolo 2014-06-12 14:07:02 [PC]


300 x 168
出典: 『朝日新聞』、3/28/2014、「袴田さん48年ぶり釈放」p.1

死刑停止 再審決定
「証拠捏造、警察のほかにない」
操作を厳しく批判

1-1.
 1966年に静岡県の一家4人が殺害、放火された「袴田事件」で、静岡地裁(村山浩昭裁判長)は27日、死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(78)の再審開始を認める決定をし、袴田さんは同日夕、東京拘置所から釈放された。逮捕から48年ぶり。死刑囚が再審決定と同時に釈放されるのは初めてとなる。

2 manolo 2014-06-12 14:28:30 [PC]

1-2.
 決定は、物証が捏造された疑いに言及。「証拠を捏造する必要と能力を有するのはおそらく捜査機関(警察)のほかにない」と批判。「国家機関が無実の個人を陥れ、45年以上拘束し続けたことになり、刑事司法の理念から到底耐え難い」と悔恨もにじませた。

1-3.
 2008年4月に始まった今回の第2次再審請求審では、犯行時の着衣とされたズボンや白半袖シャツなど「5点の衣類」についた血痕のDNA鑑定が実施された。まず11年12月に、衣類に付いていた被害者のものとされる別の衣類から検出したDNA型が一致しないことが弁護士側の鑑定で判明。12年4月には、袴田さんの血痕とされた白半袖シャツの右肩の血と、袴田さんのDNA型が一致しないとする結果が、検察、弁護士側双方の鑑定で明らかになった。

1-4.
 検察側は「DNAが劣化していた可能性がある」と信用性を争ったが、静岡地裁は信用性を認め、「DNA鑑定が裁判で提出されていれば、有罪判断に達していなかった」と指摘。5点の衣類は袴田さんのものでも犯行時の着衣でもない可能性が十分と認定した。

1-5.
 5点の衣類は事件の約1年2カ月後、現場の近くのみそ工場タンクからみそ漬けの状態で発見された。弁護士団側は血をつけた衣類をみそ漬けにする実験の結果、長期間漬かっていた衣類と色が違うと主張。地裁決定も、5点の衣類は「事件から相当期間経過した後、みそ漬けにされた可能性がある」として、「後日捏造さたと考えるのが最も合理的」と判断した。また、5点の衣類のうち、「B」と書かれたズボンの札について、確定判決は「B」の意味を肥満体ようの表示と認定。袴田さんがズボンの装着実験でははけなかったにもかかわらず、もともと肥満体用のズボンがみそに漬かっている間に縮んだだものとしていた。第2次再審請求審で弁護側は、検察側の新たな証拠開示で得られた供述調書から「B」は色を表すと指摘。地裁決定も「ズボンは袴田さんのものでないとの疑いに整合する」と判断した。

3 manolo 2014-06-12 14:44:54 [PC]

■再審開始決定の骨子
・確定判決で犯行時の袴田さんの着衣とされた「5点の衣類」は、弁護士側が提出したDNA型鑑定によれば、袴田さんのものでも、犯行時の着衣でもなく、後日、捏造された疑いがある。
・5点の衣類が(事件の約1年後にみそ工場のタンクから)発見された当時の色合いや血痕の赤みは、長期間みそのなかに隠されていたにしては不自然だ。
・その他の証拠を総合しても袴田さんを犯人と認定できるものはない。
・再審を開始する以上、死刑の執行停止は当然。操作機関によって捏造された疑いのある証拠で有罪とされ、極めて長期間、死刑の恐怖の下で身柄を拘束されてきた。これ以上、拘束を続けることは耐えがたいほど正義に反する。よって拘置の執行も停止する。

*袴田事件
1966年6月30日未明、静岡県清水市(現・静岡県清水区)のみそ製造会社専務(当時41)宅から出火。焼け跡から専務、妻(同39)、次女(同17)、長男(同14)の遺体が見つかった。全員、胸や背中に多数の刺し傷があった。県警は同年8月、従業員の袴田巌さん(同30)を強盗殺人などの疑いで逮捕。一審・静岡地裁は袴田さんは家を借りるための金が必要で動機があるとして死刑を宣告した。この時、死刑判決を書いた熊本典道・元裁判官は2007年、「捜査段階での自白に疑問を抱き、無罪を主張したが、裁判官3人の合議で死刑が決まった」と評議の経緯を明かし、再審開始を求めていた。

4 manolo 2014-06-13 00:43:56 [PC]

出典:『朝日新聞』3/28/2014、「時時刻刻 証拠一転、「無実」の根拠」、p.2
袴田事件 DNA鑑定、再審決め手

2-1. 【精度、飛躍的に向上】
 DNA型鑑定は、人の血液や唾液などの細胞からDNAを取り出し、それを作っている「塩基」という物質の配列を分析する。DNAにはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の塩基がある。これが、例えば「AATG」などの特定の並び方で繰り返し現れる部位があり、その繰り返しの回数は個人で異なっている。この違いを個人識別に利用したのがDNA鑑定だ。

2-2.
 DNAの研究が進歩し、繰り返しが現われる部位が多く見つかるようになり、鑑定の精度が高まっている。DNA型鑑定が実用化された1989年は、観察できる部位は1カ所で、同じDNAの型を持つ人の割合は「200人に1人」だった。だが、06年ごろからは15カ所に増え、識別できる割合も「4兆7千億人に1人」と飛躍的に向上した。

2-3.
 その結果、証拠として提出された血液が誰のものか分からなくても、「Aさんのものではない」と認定できるようになった。名古屋大の勝又義直・名誉教授(法医学)は「鑑定技術の進歩によって、結果的に冤罪を防ぐことに利用できるようになってきたのでは」と話す。

2-4.
 栃木県足利市で90年に女児が殺された「足利事件」も「DNAの型が一致しなかった」という鑑定結果が再審開始の決め手となった。関西医大の赤根敦教授(法医学)は「検査機器や試薬の改良が進んでいることも、精度向上の一因になっている」と話す。

5 manolo 2014-06-13 00:46:35 [PC]

2-5. 【調書1通のみ採用 犯行時の着衣変更 操作不備、一審から指摘】
「国家機関が無実の個人を陥れ、45年以上にわたり身体を拘束し続けたことになり、刑事司法の理念から到底耐え難い」 静岡地裁決定が厳しい捜査批判の言葉を連ねた背景には、早い段階から指摘された捜査の問題があった。

2-6.
 一審・静岡地裁判決によると、袴田さんに対する取り調べは逮捕から起訴まで連日平均12時間に及んだ。否認を続けていた袴田さんは、拘留期限の切れる3日前に犯行を「自供」した。袴田さんは裁判では一貫して無実を主張。一審は、袴田さんの供述調書45通のうち、44通は違法な取り調べとして証拠採用しなかった。一審判決は「自白を得ることに汲々として、物的証拠に関する捜査を怠った」と厳しく捜査を批判しつつも、結論は有罪とした。

2-7.
 袴田さんを犯人とする物証も異例の経過で見つかった。起訴段階では犯行時の着衣はパジャマとされた。しかし、公判が始まっていた67年8月、現場近くのみそ工場のタンクから「5点の衣類」が見つかると、検察側はこれを犯行時の衣類だと主張を変えた。

2-8.
静岡地裁決定は捜査の問題点に触れ、「証拠が後から捏造されたと見るのが合理的で、それができるのは捜査機関」と批判した。

2-9.
 しかし、問われているものは捜査機関だけではない。多く疑問点がありながら有罪の結論を導いた裁判所にも厳しい目が注がれる。例えば、今回の決定で袴田さんのものではない可能性が強まった「5点の衣類」のうちのズボン。二審の東京高裁は、試着した袴田さんがサイズが小さすぎてはけなかったのに、「ズボンはみそ漬けで縮んだ一方で、被告が太ったためにはけなくなっただけ」と判断していた。西嶋勝彦・弁護団長は記者会見で言った。「検察と癒着し、迎合した裁判官の責任がただされるだろう。」

6 manolo 2014-06-13 00:47:03 [PC]

2-10. 【チェックできなかった裁判所】
 元刑事裁判官の木谷明弁護士の話
捏造の疑いがあるとまで指摘された捜査内容は、どのように批判されても仕方がない。問題は裁判所が事件をチェックできなかったことだ。当時、DNA型鑑定がなかったものの、わずか1通だけ採用された怪しげな自白調書に引きずられたことを深刻に受け止めるべきだ。背景には、裁判所の捜査機関に対する「あってはならない信頼」であり、その体質は変わっていない。今回のような問題を防ぐためには、裁判所が、捜査機関、捜査内容を批判的に見るとともに、検察に全面的な証拠開示を迫っていくことが必要だ。
 
1 manolo 2014-06-11 10:04:28 [PC]


275 x 183
出典:『週刊東洋経済』、6/7/2014、
「企業買収 和製M&A 失敗の研究」、pp.48~52

日本企業による巨額の海外企業買収はかつてないほど増加。今や政府の成長戦略に位置づけられ、空前のM&Aブームが起きつつある。ところが過去を振り返ると、買収後にさんざんな顛末を迎える企業が実は少なくない。買収の成否を分かつものは何なのか。その真相に迫る。

2 manolo 2014-06-11 10:06:31 [PC]

1-1.
 大型の海外M&A(海外企業の合併・買収)が、毎週のように全国紙の1面をにぎわしている。5月15日には、サントリーホールディングスが米ビーム社の買収を完了し、両社トップがそろって会見を開いた。買収金額は1.6兆円と巨額だ。格付け会社のムーディーズ・ジャパンはサントリーを2ノッチ(段階)格下げ。しかし、「巨額の財務負担から格下げしたが、ビーム買収の戦略は悪くない」とセメトコ真理子・主任格付アナリストは笑顔で語った。その1週間後の5月22日には、「味ぽん」で知られる調味料大手のミツカンホールディングスが、英蘭系の食品大手・ユニリーバからパスタソース事業を2150億円で譲受すると発表した。同事業は、「ラグー アンド ベルトッリ」という米国で有名なブランドを持つ。(p.48)

1-2.
 ソフトバンクは2兆円以上の巨額買収を狙い、米当局と折衝中だ。同社は2013年に米携帯通信大手のスプリントを1.8兆円で買収。現在では、同じく米携帯通信大手のTモバイルUSの買収を狙っている。(p.48)

1-3.
 M&Aの世界では、1000億円以上を大型買収と呼ぶ。その大型の海外M&Aを政府が後押しする。政府系金融機関である国際協力銀行(JBIC)を通じた融資の枠組みを広げる秘策が、6月の成長戦略に盛り込まれる見通しだ。(pp.48-49)

1-4. 【第一三共がインド撤退 実は討死にだらけ】
 空前の海外M& A ブームが訪れそうな勢いだが、それに水を差す不穏なニュースも複数ある。4月には、製薬大手の第一三共が、08年に4994億円を投じて買収した後発大手・印ランバクシー・ラボラトリーズの実質売却を発表した。同じく4月NTTドコモも09年から合計2667億円を出資していた印タタ・サービスシズリミテッドの保有株を売却すると明らかにした。(p.49)

3 manolo 2014-06-11 10:10:44 [PC]

1-5.
 実は過去を振り返ると、海外大型案件は「失敗だったのでは」と疑いたくなるものばかり。「これまで欧米の不景気や円高を背景に2度の買収ブームがあったが、結果はほとんど討死に」と早稲田大学大学院の服部暢達・客員教授はあきれ顔だ。一方で、成功例から学ぶものもある。過去から学べば、「多くの日本企業は未来永劫、海外M&Aが苦手なまま」と悲観しなくてもいい。なぜ過ちは繰り返されるのか。そして、どうすれば失敗せずに済むのかを追った。独自分析でわかった原因や解決策は意外なものだった。(p.49)

1-6.
 M&A助言会社のレコフによると、過去に海外M&Aが集中したのは2006年。この年は日本たばこ産業(以下、JT)が2.2兆円で英ギャラハーを、ソフトバンクが1.9兆円でボーダーフォンを、日本板硝子が英ビルキントンを6160億円で買収した年だ。左上図の棒グラフを見ると、「国内勢同士(M&Aの専門家は『イン-イン』と称する)」国内から海外(同じく『イン-アウト』。本誌では『海外M&A』)」「海外から国内(『アウト-イン』)を持ち合わせたM&Aの総額は乱高下しているこれは国内外の景気や為替の変動による。ところが同図の折れ線グラフを見ると、10年以降、海外M&Aの比率は景気や為替にかかわらず、60%前後の高い比率を示している。今年1~3月は80%台と高い水準である。(p.50)

1-7.
 海外M&Aを地域別に見ると、件数ではアジアが首位だが、金額では欧州がトップだ。1件当たりの平均単価を見ると、欧州はアジアの3倍だ(13年)。これはⅠ3年に欧州で巨額案件が成立したからだ。アジアで巨額だったのは三菱UFJファイナンシャルグループ(以下、MUFG)によるタイのアユタヤ銀行買収(6760億円)くらい。これに対して欧州では、LIXILグループによる独グローエ買収(3816億円)、MUFGの独PBキャピタル買収(3563億円)、オリックスの蘭ラボバンク買収(2420億円)と目白押しだ。(pp.50-51)

4 manolo 2014-06-11 10:11:57 [PC]

1-8. 【失敗9割、成功1割 5割が10年以内に撤退】
 いったい海外大型M&Aの何割が成功し、何割が失敗しているのか。それを知るために、本誌は独自に「M&A通信簿」を作った。レコフの調べでは、1985年以降で1000億円以上の大型M&Aは134件ある。ここから金融、電力・ガスを除くと100件になる。さらに株価のない未上場企業、グループ内の整理統合目的、不動産取得目的、純投資が目的の総合商社を除いた48件を、本誌の分析対象とした。M&Aが有力な成長戦略ならば、少なくとも買収後に最高益を更新していても不思議はない。そこで本誌のM&A通信簿では最高益を更新しているかを物差しにした。

1-9.
 高値づかみのM&Aの結果、のれん償却が発生。その均等償却で業績が低迷している会社がある一方、のれんを一括償却して翌期から業績が劇的に改善している会社もある。M&Aの専門家はのれん償却を控除する。しかし、重いのれん償却は、業績低迷の言い訳にはならない。償却を上回ってこその成長戦略だからだ。この通信簿ではのれんの均等償却を考慮しない。(pp.51-52)

1-10.
 営業利益と純利益の最高益を倍以上更新したのはソフトバンク、JT、ブリジストンなどの7件。うち米コロムビアを6440億円で買収後にのれん2652億円を一括償却したソニーを除くと、成功と言えそうなのは48件中わずか6件だ。一方で営業益・純益とも最高益を更新できていないのは14件もあった。営業益だけを取ると、計20件が最高益を更新できていない。第一三共は、印ランバクシー・ラボラトリーズ買収後に、営業益・純益とも最高益を更新していない。発表直後の株価は6.56%も上がるなど株式市場の関係者に大いに期待されたにもかかわらず、である。(p.52)

1-11.
 日本企業の海外大型買収において成功例は実に1割に過ぎず、残りの9割は不本意な結果に終わっていることが、左の表からわかる。しかも、10年以上経過した案件を見ると、13件のうち6件、約5割が事実上撤退、7割が巨額の特損を計上。これは「日本企業が海外M&Aを持続的な利益成長につなげられていない証拠である」(SCRグローバルコンサルティングの松本茂取締役)。(p.52)

5 manolo 2014-06-12 01:25:39 [PC]

出典:『週刊東洋経済』6/7/2014
「5000億かけて第一三共は何を学んだのか」(p.52)

2-1.
 第一三共が2008年に約5000億円を投じてインドの後発医薬品大手、ランバクシーを子会社化した案件は、大型失敗M&Aの代表例となった感がある。当時、新薬の潜在的ライバルである後発薬を抱えることに、株式市場は当惑したものの、新薬開発が困難度を増す中では合理性もあると、その「複眼経営」を好感した。

2-2.
 ところが、株式公開買い付け中の08年9月、米国食品医薬品局(FDA)が品質管理上の理由から2工場へ対米禁輸措置を適用すると、リーマンショックも加わりランバクシー株は暴落。第一三共は買収年度に3540億円ののれん償却で赤字に沈んだ。

2-3.
 その後、第一三共は創業家の現地社長をクビにするなど経営陣を一新、ランバクシーは禁輸解除に向けFDAと協議を重ねる。ようやく11年、改善計画(5年間)でFDAと、5億ドルの罰金支払いで司法省とそれぞれ合意ができた。

2-4.
 同じ11年12月には、半年間の独占販売権を持つ大型高脂血症薬、リピトールの後発薬を発売。同様の独占権を持つ大型後発品が順次投入され波に乗るかと思われた矢先、リピトール後発品が異物混入でリコールに。大型品の承認もストップした。

6 manolo 2014-06-12 01:26:40 [PC]

2-5. 【FDAの信用を完全に失う】
 業界関係者は言う。「あれで完全にFDAの信用を失ったのではないか」。12年9月~13年1月、さらに2工場が禁輸となり、4月、第一三共は、インド同業2位のサンによる株式交換でのランバクシー吸収合併に同意した。12月に契約が完了すれば、第一三共はサンの9%株主になる。

2-6.
 この案件から得られる教訓の一つはデューデリジェンスの大切さ。2工場へはTOB以前にFDAから厳しい指摘があったはずだ(それを軽視したなら経営の問題)。次に、予想外の問題への対応。常勤役員こそ置いたが、現場レベルでは、必要な人材を必要な期間派遣するにとどめた。「外部から専門家をかなり投入したようだが、早期に第一三共から人員を投入していればうまく解決できたのでは」(あるM&Aアドバイザー)。

2-7.
 ほかにも批判的な指摘は可能だがいずれも結果から見た話。今問われるべきは、売却の当否だ。全面的に関与してないため、第一三共に経験はほぼ蓄積されていない。ランバクシーの立て直しを選べば、どんなに苦しく、時間がかかっても世界的な後発薬事業の知見を得る可能性があったが、売却で閉ざされた。
 
1 manolo 2014-05-18 15:45:54 [PC]


275 x 183
出典: 『朝日新聞』/5/18/2014/「裁判員5年 見えてきた課題 上」/p.39

死刑 覆った市民感覚
先例優先か 二審で3件

1-1.
 初めてつかまり立ちをして見せた笑顔、ひな人形の前でほほ笑むあどけない姿、友だちと行った沖縄でのシュノーケリング、母校での教育実習――。荻野友花里さんが生きた21年の証しが、一枚ずつスライドに映し出された。3月末、兵庫県のJR明石駅前にある学習センターの一室。友花里さんの級友や両親を支援する約100人が集まった。

2 manolo 2014-05-18 16:17:06 [PC]

1-2.
 スライドが終わると、母・美奈子さん(61)が言葉を絞り出した。「裁判員の方々が友花里の無念の死を、私たちの心情を分かって下さった。最高裁で、友花里の命の価値を正しく判断していただきたい」

1-3.
 友花里さんは2009年10月、通っていた千葉大学の近くの自宅マンションで殺害された。千葉地裁の裁判員裁判は11年6月、強盗殺人罪になどに問われた竪山(たてやま)辰巳被告(53)に死刑を言い渡した。被告は事件の2カ月前に刑務所を出所。逮捕されるまでに、友花里さんの事件以外にも8件の強盗強姦事件などを起こしていたことを重くみた。裁判員の1人は「議論を尽くして導いた結果」と語った。

1-4.
 だが、二審・東京高裁は13年10月、一審を破棄。無期懲役とした判決は「死刑の選択にあたっては先例の傾向を踏まえるべきだ」。殺害された被害者が一人の場合は死刑が避けられる過去の傾向を重視した。

1-5.
 「裁判に市民感覚を取り入れるために、裁判員制度ができたはず。裁判官だけで積み重ねた『先例』で決めるなら、裁判員制度はいらない」。美奈子さんは強く批判する。検察は上告した。二審判決が出るまで、遺族は公の場で発言することを控えてきた。だが、「黙っていては友花里に申し訳ない」と思い立った。明石での集会もその思いから。7月には同県加古川市で講演する。

3 manolo 2014-05-18 16:42:24 [PC]

1-6.
 友花里さん事件の高裁判決が出る4か月前、同じ東京高裁で、同様に裁判員裁判の死刑判決を破棄する判決があった。東京都内のマンションで五十嵐信次さん(当時74)を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた伊能和夫被告(63)の裁判。裁判員裁判の死刑判決が初めて覆されたケースだった。

1-7.
 「何が正しいのか、分からなくなった」。50代女性は苦々しげに話す。この事件で裁判員を務め、11年3月、死刑を言い渡した。「死刑になってほしいと思ったわけじゃない。証拠を組み合わせて行くと、必然的に結論が出てしなった」。納得した答えだった。しかし、二審は違う答えを導いた。ならば、自分たちの考え方は何だったのか。「人に死刑を告げたときから、心には重たいものがある。その自分自身が、分からなくなってしまった。灰色の底に落ちてしまったような感じです。」

1-8.
 検察は昨年7月に上告。「一般市民の量刑感覚を裁判に反映させるという裁判員制度の趣旨を損なう」と、上告趣旨書に記した。

1-9.
 優先されるべきは、市民感覚か、先例か―― 裁判官出身の原田国男弁護士は、名古屋地裁や東京地裁の判事として多くの死刑判決にかかわった。「死刑は、他の刑とまったく異なる」。何とか死刑を回避できる理由はないか、ぎりぎりまで考え抜き、どうしても見つからない場合のみ死刑を言い渡したという。

4 manolo 2014-05-18 16:50:36 [PC]

1-10.
 そのうえでこう指摘する。「裁判員が熟慮して出した死刑の決断は尊重されるべきで、『先例』だけで破棄することは納得が得られない」 ただし、命を奪う究極の刑の適用は、二審でも改めて慎重に判断すべきだとも強調する。「上級審は事件の本質を見極めて量刑判断をし、しっかりと説明することが求められる」

1-11.
 裁判員裁判が導いた死刑判決は21件。そのうちの3件が、この1年に破棄された。
 
1 manolo 2014-05-12 16:59:31 [PC]


240 x 174
出典:『週刊東洋経済』/5/17/2014/「生命科学は怠慢だ」/吉川弘之/p.21

 東京大学総長や日本学術会議会長などを務め、科学技術の政策の立案に深くかかわってきた吉川弘之氏。STAP騒動を受けて、日本の科学研究の問題点を聞いた。

1-1.
 今回の問題を考えるうえで、生物を研究対象にする生命科学は、他の科学とは違うということを認識すべきだ。生物も物理学と同じ方法で理解できるという立場で研究を始め、ワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造を発見したのが1950年代。長い歴史を持つ物理学に比べ、生命科学は歴史が浅い。仮説は検証を受けるまでは、真実かどうかは不明であり、検証前の仮説を評価してはいけない。

2 manolo 2014-05-12 17:10:04 [PC]

1-2.
 物理学では費っグス粒子の検証は仮説から50年で要約評価された。一方、若い生命科学は研究者の間で仮説検証の方法がまだ合意されていないように見える。まだ、物理学は研究内容が数量的で厳密に検証できるが、生命科学の実験結果は細胞写真で示されている。その写真は説明用で、伝統的な植物学の「説明画」と同じ。今、小保方晴子さんのSTAPの真偽を言う段階ではないが、その前に生命科学が持つこれらの問題を専門家がより深く議論し、論文の基準を定めるべきだ。それをしないのは生命科学全体の怠慢であり、小保方さんは“被害者”なのかもしれない。

1-3.
 理化学研究所は世界的に評価の高い機関で、国内では生命科学の分野で最大規模の研究を行っている。理研が国際的にも連携しながらリリーダーシップをとりつつ、生命科学の論文の基準作りをするべきだということは、今さら言うまでもない。

1-4. 【不正をどう防ぐか】
 研究不正は、第三者機関のチェック以前に、まず研究者の自身で追放するものだ。科学者はただの研究機械ではなく、人としてまず夢を持ち、選んだ研究方法に信念を持ち、それに基づいて研究を計画し、実施し、発表する。それぞれの段階には守らなければならない規範がある。

3 manolo 2014-05-16 19:02:51 [PC]


240 x 174
出典:『週刊東洋経済』/5/17/2014/「生命科学は怠慢だ」/吉川弘之/p.21

 東京大学総長や日本学術会議会長などを務め、科学技術の政策の立案に深くかかわってきた吉川弘之氏。STAP騒動を受けて、日本の科学研究の問題点を聞いた。

1-1.
 今回の問題を考えるうえで、生物を研究対象にする生命科学は、ほかの科学とは違うということを認識すべきだ。生物も物理学と同じ方法で理解できるという立場で研究を始め、ワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造を発見したのが1950年代。長い歴史を持つ物理学に比べ、生命科学は歴史が浅い。仮説は検証を受けるまでは、真実かどうかは不明であり、検証前の仮説を評価してはいけない。

4 manolo 2014-05-17 16:03:53 [PC]

1-2.
 物理学ではヒッグス粒子の検証は仮説から50年でようやく評価された。一方、若い生命科学は研究者の間で仮説検証の方法がまだ合意されていないように見える。また、物理学は研究内容が数量的で厳密に検証できるが、生命科学の実験結果は細胞写真で示されている。その写真は説明用で、伝統的な植物学の「説明画」と同じ。今、小保方晴子さんのSTAPの真偽を言う段階ではないが、その前に生命科学が持つこれらの問題を専門家がより深く議論し、論文の基準を定めるべきだ。それをしないのは生命科学全体の怠慢であり、小保方さんは“被害者”なのかもしれない。

1-3.
 理化学研究所は世界的に評価の高い機関で、国内では生命科学の分野で最大規模の研究を行っている。理研が国際的にも連携しながらリリーダーシップをとりつつ、生命科学の論文の基準作りをするべきだということは、今さら言うまでもない。

1-4. 【不正をどう防ぐか】
 研究不正は、第三者機関のチェック以前に、まず研究者自身で追放するものだ。科学者はただの研究機械ではなく、人としてまず夢を持ち、選んだ研究方法に信念を持ち、それに基づいて研究を計画し、実施し、発表する。それぞれの段階には守らなければならない規範がある。

1-5.
 たとえば、再生医療で難病の人を救いたいという夢は社会的に歓迎される。だが、希少元素を使ってそれを実現するという信念は、経済性からは受け入れられない。専門学会や同じ方法に興味を持つ学派と呼ばれる研究者集団での公開討議で、規範からの逸脱は防ぎうる。研究実施では研究機関が逸脱防止の最大責任を持つ。研究者の同僚が研究状況を把握し、その仕組みを作るのが研究機関だ。

5 manolo 2014-05-17 16:05:38 [PC]

1-6.
 科学研究とは、多くの科学者の知恵を集積することで進む。そのために協調するのが本来の姿だ。昨今の競争は、研究が科学コミュニティにおける共同作業であるという理念を忘れている。政策や研究費制度も研究競争至上主義の上に成り立っている。この傾向を変えなければいけない。競争だけをあおる研究指導者には退場してもらいたい。

1-7.
 論文発表についても理解に苦しむ状況がある。従来の自然科学の論文は定期的に開かれる学会で口頭発表し、公開の討論に耐えたものに投稿資格が与えられていた。一方、英科学誌『ネイチャー』の論文は発表がなく、ほかの研究者が批判する機会がない。

1-8.
 実用化の期待が大きい生命科学では、研究者だけでなく産業界、マスコミなどが興味を持つため、研究途上の討論が難しい面もある。であればこそ、研究機関は専門学会の協力を得て、研究発表を含む研究過程のあり方を示すべきだ。今回の件は、生命科学として解決しなければならない問題で、理研が世界に先駆けて解決を提案することで信頼回復を図るしかない。
 
1 manolo 2014-05-12 16:22:21 [PC]


258 x 195
出典:『エコノミスト』/5/20/2014/p.15

1-1. 【丹呉元次官のJT会長就任で再び強まる財務省の影響力】
 丹呉泰健元財務事務次官(1974年旧大蔵(現財務)省)が、6月末に日本たばこ産業(JT)の会長に就任することが内定した。JTは同省OBの天下りを受け入れないとみられていただけに、驚きを持って受け止められた。

2 manolo 2014-05-12 16:33:22 [PC]

1-2.
 JTの前身は日本専売公社で、歴代総裁は同省OB。85年に民営化されてからも3代連続で同省出身者が社長を務め、2000年に生え抜きの本田勝彦社長が就任してからも、財務省は会長を送り続けてきた。財務省はJTの発行済株式の3分の1強を保有する「筆頭株主」であり、同省幹部らは「JTはわが社(財務省)の子会社」と公言していた。

1-3.
 それでも、12年に涌井洋治元主計局長(64年)が会長を退任してからは、社長・会長とも生え抜きになり、JTは財務省の影響力から脱した、とみられていた矢先の今回の人事だ。

1-4.
 丹呉氏の就任は、同期の杉本和行元事務次官が1年前に公正取引委員会委員長に就いているため、財務省が丹呉氏にも本格的な天下り先をみつける必要に迫られたからだ。またJTは国と地方と合わせて約2兆円のたばこ関連税収を稼ぐ、財務省にとっての「ドル箱」でもある。いったんは緩めたグリップを、大株主の権限を行使して再び強めたいと思うのは、財務省の本能でもある。
 
1 manolo 2014-04-20 23:53:09 [PC]


274 x 184
出典:『ニューズウィーク日本版』/4/22/2014/「極右の台頭が欧州の夢を脅かす」p.17

1-1.
 ヨーロッパ各地で最近、選挙や世論調査が行われるたび、繰り返し取り上げられる言葉がある。「極右の台頭」だ。今月6日に行われたハンガリーの議会選挙では、露骨な反ユダヤ主義などを掲げる極右政党ヨッビクが全国比例で21%の得票率を獲得。初の国会進出を果たした2010年の前回選挙から大きく支持を伸ばした。先月末のフランス統一地方選でも、右派の国民戦線が10以上の都市で第1党となるなど躍進した。同党はユーロからの離脱や反移民を打ち出しており、昨年からは共通する公約を掲げるオランダの自由党をはじめ他の欧州諸国の極右政党と連携する動きも見せ始めている。

2 manolo 2014-04-20 23:54:29 [PC]

1-2.
 彼らが次の目標としているのは、5月下旬に予定されている欧州議会選挙(定数766)。EU加盟各国で投票が実施され、有権者が自国から欧州議会に送り込む議員を直接選ぶこの選挙は5年ごとに行われる。今年の選挙では、国民戦線や自由党のような極右政党が大きく議席を増やすとみられている。オーストリアやイギリス、ベルギー、ギリシャ、イタリアなど、反EUを公約に掲げる政党が多数の議席を獲得しそうな国はいくつもある。欧州議会では7カ国から25人の議員を集めれば新しく会派を作ることができる。EU懐疑派の新会派ができれば、彼らの影響力は高まるだろう。

1-3.
 EU懐疑派が台頭する背景にあるのは、ユーロ危機の余波に苦しむ各国の経済状況だ。高い失業率や低賃金に悩む人々の怒りの矛先は、ドイツ主導の緊縮財政政策や、他国から来て自分たちの職を奪う(ように見える)移民に向けられる。その結果そうした現状を招いたとしてEUへの反発が強まっている。EUは欧州で繰り返された大戦の悲劇を繰り返さぬよう、各国の連携強化を目指して作られた組織だ。それがヨーロッパの人々の選択によって崩壊の危機を迎えるとしたら――。そもそもEU崩壊をもくろむ議員が欧州議会に当選するのが、皮肉な話なのだが。

3 manolo 2014-04-21 00:59:25 [PC]

出典:『ニューズウィーク日本版』/4/1/2014/「フランス政教分離が危機に」pp.40~41

2-1.
 保護貿易、移民排斥、反ムスリム、反ユーロ――フランス国民の3分の1が、こうした右翼的な政策を支持しているとなれば、この国は大きな問題を抱えているということだ。ルモンド紙が2月に行った調査で、極右政党「国民戦線」の政策に共感すると答えた人は34%に上った。マリーヌ・ルペン党首率いる国民戦線は昨年来、急速に支持を拡大。特に高齢者や24歳未満の若者に人気だ。党執行部は、今月下旬に行われる各地の市長選挙のうち、少なくとも15の都市で勝利を収める可能性があると強気だ。5月に予定されている欧州議会選挙でも、国民戦線の議席数の増加が予想される。(p.40)

2-2.
 ルペンは11月に、路上で礼拝するイスラム教徒たちはかつてフランスを占領したナチスと同じだと発言したような人物。そんな差別主義者が党首を務める国民戦線は、フランスの「イスラム化」はごめんだと叫び、少数民族のロマの排斥や通貨フランの復活を訴える。リベラル派や穏健派は、フランスの政治や社会が崩壊しつつあると動揺の色を隠さない。市長選を目前に控え、与党・社会党は国民戦線に票が流れるのではないかと懸念している。かつては取るに足らない存在だった極右政党の台頭は、フランス革命の理想と相反するものだ。自由、平等、友愛の精神だけでなく、「ライシテ」と呼ばれる政教分離の原則も脅かされている。極右の政治家たちは、信教の自由をうたった1789年のフランス人権宣言や、国家と教会の分離を定めた1905年制定の法律などで受け継がれてきたライシテの撤廃をもくろんでいる。(p.40)

4 manolo 2014-04-21 01:42:37 [PC]

2-3.
 世論調査機関IFOPの調べでは、極右の過激なイデオロギーはフランスで市民権を得つつある。イスラム教徒とユダヤ人の人口がヨーロッパ最大規模であるこの国で、55%が「移民が多過ぎる」「ムスリムに権利を与えすぎだ」という国民戦線の考え方を支持した。国民戦線は国内での人気を追い風に、他の欧州諸国の極右政党と同盟を結んでいる。オランダの自由党とは5月の欧州議会選挙で協力することで合意した。国民の3分の1が心が極右に向かいつつあるのと同時に、イスラム過激派に傾倒する人たちが目立つ。時に右翼とイスラム原理主義者が徒党を組むこともある。初等教育で男女平等を教えることの義務化に反発するイスラム原理主義者と、超保守のカトリック教徒(国民戦線の支持層)は、一緒にデモに参加するなどの活動を行っている。(pp.40-41)

2-4. 【職場の「世俗主義」を徹底】
 フランス政府によれば、約700人の若者が内戦の続くシリアへ飛び、彼らにとっての「聖戦」に参加しているという。その多くがイスラム教に改宗し、過激派思想に傾倒する若者たちだ。(p41)

2-5.
一方、極端な思想と一線を画し、「中道」を歩む人々もいる。パリ北部のセーヌ・サンドニ県の移民が住む地域に、パブレクという大きなリサイクル企業がある。従業員は4000人で、多くがムスリムだ。同社はジャンリュック・プティフギューニンCEOの要請で、職場における「世俗主義と多様性の憲章」を制定。イスラム教徒のスカーフ着用を禁止し、礼拝のための部屋も設けていない。「宗教原理主義者の台頭を心から心配している」と、プティフギューニンは保守系週刊誌レクスプレスに語った。「私の会社には宗教紛争で苦しんだ人もいる。原理主義の圧力から守ってほしいという従業員もいる」 スカーフや体全体を覆うベールの着用の強要を恐れている女性従業員もいるという。禁止令がなければ、ひと握りの厳格なムスリムからそのようなプレッシャーを受けかねない。(p.41)

5 manolo 2014-04-30 23:25:52 [PC]

2-6.
 一見厳しくみえるパプレクの憲章だが、すべての従業員から支持され、ムスリム社会の指導者や研究者の間でも高く評価されている。社員が職場の宗教的プレッシャーから解放されるだけでなく、ムスリムを敵視する右翼や差別主義者とのいらぬ対立も避けられるからだ(スカーフの着用や礼拝といった分かりやすい行為は、反ムスリムに攻撃材料を与えることになる)。ストラスブール経営大学イザベラ・バース学部長は、職場での宗教に関する憲章についてこう評価している。「仕事と信仰の折り合いをうまくつけられる『声なき大多数』を、ひと握りの声高な人たちから守るためのものであることが多い」(p.41)

2-7.
 とはいえパプレクの憲章は、民間企業における個人の自由と権利を守るフランスの法律の下では無効になり得る。これについて、プティフギューニンは残念だと語る。彼に言わせれば、フランスにはすでに世俗主義の伝統がある。だからこそ、多くの人種や民族、宗教が集まる社会で、緊張が紛争に発展することなくやってこれたのだと。10年前、ジャック・シラク元大統領は公立学校でのスカーフやベールを禁止する法律を提唱し、世界的なニュースになった。物議を醸した法案だが、以外と順調に制定・施行に至り、公立学校から娘を退学させたムスリム家庭もわずかだった。現在、社会党政権はスカーフ禁止法をさらに強化するような動きに出ている。昨年9月、政教分離をうたう「ライシテ」がフランス人の基本的価値であり原則であると記した「世俗憲章」が公立学校に導入された。(p.41)

2-8.【声なき大多数を守るため】
 その狙いは、男女別のクラスやイスラム教にのっとったハラル食の提供を求める保護者からの圧力をかわすことだと、専門家はみている。性教育や進化論の授業を拒む生徒たちに対し、断固たる態度をとるという意味合いもあったのだろう。ただし、こうした政策は慎重に進める必要がある。自分たちだけがターゲットになっているとムスリムが不公平感を抱き、異教徒間の緊張をかえって高めてしまう可能性もあるからだ。それでもパプレクのケースでは、多数のムスリムたちが世俗主義の方針を支持した。(p.41)

6 manolo 2014-04-30 23:26:38 [PC]

2-9.
 ヨーロッパには今、暴力に発展しかねない移民排斥感情が渦巻いている。ムスリムに対する偏見も根強い。そのような差別主義の波を抑えていくには、異なる宗教に敬意を払う憲章や合理的な法律が必要だ。それは同時に、ひと握りの過激派とは違う世界観を持つ、声なき大多数を守るようなものでなくてはならない。(p.41)
 
1 manolo 2014-04-08 09:00:38 [PC]


278 x 181
出典:『ニューズウィーク日本版』/4/15/2014/「ウクライナ危機で問われるNATOの意味」、p.14

1-1.
 13年に及びアフガニスタンでの任務が終わりに近づき、NATOは新たな役割を模索していた。戦争の長期化と多大なコストは厭戦ムードを生み、域外地域における危機管理という冷戦後のNATOの役割に疑問を投げかけた。NATOの存在意義が問われていた。そんなNATOを救ったのはロシアだ。ロシアがウクライナ南部クリミア半島に侵攻したおかげで、NATOは原点に返れた。「NATOの最大の責務は加盟国の領土と国民の防衛」だと、先週の記者会見でアナス・フォー・ラスムセンNATO事務総長は語った。

2 manolo 2014-04-08 09:22:10 [PC]

1-2.
 NATOはこの日の外相理事会でポーランド、ルーマニア、バルト3国など東欧の加盟国の防衛強化を決定。ロシアとの軍事及び民間協力を全面停止し、「ウクライナ軍の治安能力向上」に向けた支援強化も決めた。しかし具体的な方法については意見が分かれたままだ。アメリカはポーランドとバルト3国に戦闘機を配備しているが、ロシアと国境を接するこれらの国々はより強い措置を望んでいる。一方、ドイツ、オランダ、イタリアなどは外交による緊張緩和を模索中だ。

1-3.
 ポーランドは領内に1万人規模のNATO軍を駐留させるよう求めている。ポーランドは99年、ハンガリー、チェコと共にNATOに加盟。04年には旧ソ連圏の他の7カ国がNATOに加盟した。こうしたNATOの東方拡大にいら立つロシアをなだめるため、NATOは新規加盟国への戦力配備を自制することに合意した。しかし今回、ロシアがクリミアを占領し、ウクライナとの国境付近に約4万人の兵力を集結させたことで、合意はほごになったと一部の加盟国は考えている。「ポーランドは条約の文言だけでなくNATO軍によって守られるべきだ」と、ポーランドのトゥスク首相は語った。

1-4. 【「冷戦終結後最大の危機」】
 NATO条約第5条は、加盟国に対する攻撃はNATO全体への攻撃と見なして集団的自衛権を行使する、と定めている。なのにNATOはアフガニスタンやリビアなど域外での任務に重点を置き、ヨーロッパにおけるロシアの脅威に備えができていないと、東欧の加盟国は以前から不満を漏らしている。NATOは「第5条が定めていることを陸・海・空で目に見える形で実行する」べく計画策定中だと、ケリー米国務長官は語った。

1-5.
 ロシアがウクライナに侵攻すれば経済制裁で対抗すると欧米の指導者は言う。しかしNATO内には、ロシアとウクライナが戦争になればより広範囲に飛び火するかもしれないと懸念する声がある。ウクライナの危機は「冷戦終結後最大の危機」だとラスムセンは言う。悪夢のシナリオはいくらでもある。民間人が多数犠牲になったり残虐行為が行われたり、ウクライナからの難民がEUに大量流入する事態になれば、欧米の介入圧力は増大するだろう。ロシアが経済制裁に対抗して、あるいはウクライナで激しい抵抗に遭って、バルト3国に矛先を向ける可能性もある。

3 manolo 2014-04-08 09:25:42 [PC]

1-6.
 アフガニスタンでもコソボでもリビアでもNATOの介入は一応の成果を挙げたが、ウクライナ危機はNATOにとってそれ以上に大きな試練となるはずだ。たとえ紛争は回避できても、アメリカと欧州加盟国の軍事格差の問題がある(現在アメリカ以外でGDP比2%という目標に達成しているのはエストニアとギリシャとイギリスだけだ)。しかし何より心配なのは、危機が深刻化した場合、団結を証明するだけの政治的決断力がNATOにあるかどうかだ。
 
1 manolo 2014-04-04 14:50:33 [PC]


228 x 221
出典:『Issues in Political Theory (2nd Ed.)』、Catriona McKinnon、Oxford University Press、2012

1. act utilitarianism
Act utilitarianism is the view that all of our actions should aim to maximize the amount of collective utility of all persons or even sentient beings. For example, a hedonistic version of act utilitarianism would require that we act so as to maximize the amount of pleasure and minimize the amount of pain in the world. Cf. rule utilitarianism (p.331)

2. aggregative justice
An aggregative conception of justice is one that primarily focuses on the total amount of a given x. Imagine that this x is, for example, 'opportunity for well-being'. The aggregative approach will aim at maximizing its total amount, even at the cost of a more unequal distribution of it. Cf. distributive justice (p.331)

2 manolo 2014-04-04 15:15:50 [PC]

政治理論(glossary)

3. anti-egalitarian suffcientarianism
This is a suffciency principle that attaches great importance to the universal attainment of certain critical level of advantage, and denies the importance of equality or priority once such level has been universally attained. (p.331)

4. assimilation
This term refers to a policy that encourage cultural minorities to lose their distinctive customs or norms on order to fit in more easily with the rest of society. Assimilation is often resisted by minority cultures. Cf. intergration (p.331)

5. autonomy
An individual has sutonomy (or individuality) to the extent that he or she rationally chooses his or her acts and omissions in accrod with his or her own judgement and inclination -- where 'rationality' implies at least a minimum capacity to understand and foresees the prbable consequences of those acts and omissions. The individual may have autonomy without necessarily having moral autonomy. (p.331)

6. autonomy theory
This approach focuses on the rationality of human beings with specific reference to their capacity to make moral choices, in relation to both what dury requires of them and the capacity to choose to do what their reason tells them to be morally right. (p.331)

7. basic libety principle
A principle of social justice defended by Rawls that restricts inequality by insisting on upholding the fair value of rights to participate in the political system and not merely more familiar civil liberties. (p.331)

8. bill of rights
A declaration of citizens' rights or human rights, normally incorporated in a constitutions and sometimes used by courts to override legislation or executive action deemed to be contrary to the bill of rights. (p.331)

9. brute luck
This referes to luck inherent to the conditions faced by individuals and independent of the choices they have made. Cf. option luck. (p.331)

10. civil disobedience
A method of protest in which participants break specific laws in an cordinated fashion in order to address an injustice. Some theorists add that civil disobedience must be open and accountable, in the sence that participants must not try to keep their illegal acts secret and they must subsequently submit to due legal process. (pp.331-332)

11. classical utilitarianism
A version of utilitarianism that posits that a morally right act is that whcih maximizes the greatest good of the greatest number. The idea is associated with Jeremy Bentham and Henry Sidgwick. (p.332)

3 manolo 2014-04-04 15:51:54 [PC]

政治理論(glossary)

12. coersion
The forcing of someone to do something by threatening him or her with an unpleasant outcome if he or she does not comply. Some theorists think that the threatened outcome must also be wrongful in order for the threat to count as coersive. The term is sometimes used more widely to refer to the use of force, both threatened and actual, to achieve some aim.(p.332)

13. consequentialism
A moral theory that bases the rightness or wrongness of conduct solely on the extent to which it maximizes good consequences and minimizes bad consequences. (p.332)

14. contract theory
The view that political authority and obligation is justified, because citizens have formed a contract with each other to obey the law. Unlike the term consent theory, the term contract theory is not usually used for the view that contemporary citizens give their tacit consent to obey the law, being more commonly used in relation to hypothetical consent theory. (p.332)

15. cultural identity
This refers to an individual's sense of belonging to a cultural or ethnic group. The term is most often used to describe the content of that individual's identity, for example 'wearing the veil is part of my cultural identity'. (p.333)

16. cultural relativism
The view that either (a) what is right or wrong is entirely a matter for cultural determiniation and/or (b) that there is no basis for saying that values of one culture are batter than those of another. (p.333)

17. deliberative democracy
A form of collective decision-making whereby laws and policies are legitimate to the extent that they are publicly justified to the citizens of the community. Public justification is justification to each citizen as a result of free and reasoned debate among equals. (p.333)

18. deontology
A theory that grounds morality in imperatives that lay down moral obligations that are independent of the consequences of their being followed. (p.333)

19. descriptive
Concerned with how things actually are in the world or how they would be if something were to happen. (Cf. normative) (p.333)

4 manolo 2014-04-04 16:18:05 [PC]

政治理論(glossary)

20. distributive justice
A distributive conception of justice is one that primarily focuses on the distribution of this x in sciety. Imagine that this x is, for example, 'opportuity for well-being'. The distributive approach will care about how the 'pie' of opportunity for well-being is divided up, even if it means that we will end up with a smaller 'pie'. Cf. aggregative justice.(p.333)

21. freedom of expression
This refers to the freedom to express oneself in speech, writing, performance, apperance, etc., without fear of punishment or social censure. It is variously defended in the name of individual autonomy, self-respect, pursuit of truth and knowledge, and also scepticism about the existence of universal truths, or our abilty to know them.(p.334)

22. hypothetical consent
Consent that would be given in some imagined world if certain conditions were to obtain that do not, in fact, obtain. Cf. express consent and tacit consent. (p.334)

23. intergration
The idea that different cultural groups within the same country can belong equally to it, but still have different institutions and rights. The opposite of integration is segregation. Multicultural thinkers greatly prefer integration to the idea of assimilation. (p.335)

24. international resource privilege
This refers to the way in which governments may freely dispose of their country's natural resources in a way that is legally recongnized internationally. (p.335)

25. judicial review
A mechanism whereby legislation can be challenged through the courts on the grounds that it infringes one or more of the rights recognized by a constitution. Judges will evaluate whether, in fact, the legislation does so and will be empowered to invalidate the law in question, or the offending part of the law, if the case is proven. (p.335)

26. jurisdiction
Refers to the right to exercise legal authority and the limits within that right may be exercised. (p.335)

5 manolo 2014-04-04 16:54:15 [PC]

政治理論(glossary)

27. just war
An account of how war should conform to moral regulation. Cf. pacifism, realism, and romantic militarism. (p.335)

28. legal positivism
The view that rights are creation of positive law or conventional social norms that set out what is acceptable behaviour in particular societies. Positivists hold that these rights are subject to evaluation, criticism, and moral legislation, but contend that this is a matter of deciding whether rights serve important human values and interests, rather than of acquiring knowledge of pre-existing natural or moral rights. (p.335)

29. levelling down objection(「水準低下の異議」)
This refers to the committment of those who endorse the principles of comparative egalitarianism to thinking that it would in one way be better if everybody were to be poor or blind, rather than if only some were to be rich or sighted, because then there would be more equality. (p.335)

30. libetarian
This refers to an ideology that celebrates freedom and is suspicious of government. The term was originally associated--and in some circles still is associated--with the anarchist version of a non-coersive, egalitarian society, based on social cooperation. Its more common usage in contemporary political theory is to refer to a right-wing ideology that advocates, for both economic and moral reasons, a minimal role for government and a maximal role for the market in economic affairs. (p.335)

31. liberty
An individual has liberty in a purely descriptive sense in relation to given domain of acts and omissions if, and only if, he or she can do as he or she wishes within that domain. If the indivuduals chooses whatever act or omission her of she likes, then it follows that other people are not preventing that individual from acting, or omitting to act, as he or she chooses. The domain of conduct in relation to which an individual has liberty may be extensive or narrow, depending on context. As long as he or she can choose even a single act or omission, however, that individual is at liberty in relation to that particular act or omission. It is a separate question whether the individual's liberty has value in a given context. (pp.335-336)

32. minimal state
Introduced by Robert Nozick, the term refers to a state that restricts itself to enforcing basic property rights and rights against harm. A minimal state exercises sole authority in a given territory to arbitrate in jucidial matters and enforce its judgments. Its protection is afforded by to all who live within that territory. (p.336)

6 manolo 2014-04-04 17:16:46 [PC]

政治理論(glossary)

33. moral autonomy
An individual has moral auatonomy if, in addition to having autonomy, his or her conduct satisfied ethical standards of right conduct prescribed by a given theory of morality. The ethical standards might be incorporated within a thick concept of rationality, or they might be assumed to constitute a concept of reasonableness that is independent of a thin concept of rationality. Ethical standards may vary across differnet moral theories and, in some instances, may overlap with standards of beauty established by aestheric theories.(p.336)

34. multicuturalism
This term can refer to the fact of cultural diversity in countries rainging from the former Yugoslavia to the UK, and may also describe the coexistence of different kinds of cultural group within a country.(p.336)

35. neoliberalism
An approach to democracy that minimizes the scope of the authorty of the state and turns most decisions over to the market or voluntary organizations. Cf. elite theory and interest group plualism (p.336)

36. normative
Concerned with how things outght to be or what people ought to do. Cf. descriptive (p.33&)

37. option luck
A technical term that has been widely employed since Dwarkin used it, which refers to luck in the choices that individuals make rather than that of the conditions into which an individual is born or brought for reasons independent of his or her will. Cf. brute luck (p.336)

38. pacifism
A reaction to warfare that rejects it as utterly immoral. Cf. realism (p.337)

39. patriarcy
The literally means 'rule of the father'. It is used in feminist philosophy to mean a society that is structured according to sexual inequality, with men being advantaged and women disadvantaged. Patriarchies, in this feminist sense, need not have male political leaders, although men usually occupy more positions of political power than do women. (p.337)

40. popular sovereignty
The view that sovereignty belongs to the people and, tehrefore, that authority is legitimate when it rests (directly or indirectly) on the consent of those subject to it. (p.337)

7 manolo 2014-04-05 18:46:05 [PC]

政治理論(glossary)

41. prioritarianism
A distributive principle according to which the moral value of a benefit or disvalue of a burden diminishes as an individual becomes better off. The standard form of this view requires attaching non-absolute prority to the interests of the less advantaged and is not comparative, although forms of camparative prioritarianism, moderate prioritarianism, and extreme prioritarianism also exist. (p.337)

42. public sphere
Defined in contrast to the private sphere. The public sphere refers to areas of life that are properly subject to political interference and which should be regulated by principles of justice. The public sphere is sometimes referred to as the political sphere. (p.337)

43. realism
A reaction to warfare that accepts it as somehow beyond moral adjudication. There are, however, different interpretations of how radical this reaction really can be. Cf. pacifism. (p.337)

44. recognition
This refers to the positive assertion of differences in the public space and it is seen as the first symbolkic step towards the full inclusion of minority groups. (p.338)

45. rule utilitariansim
A moral theory that states that we should choose that set of rules which, if consistently followed, would maximize the amount of collective utility of all persons, or even sentient beings (for example, given a hedonistic conception of utility, that set of rules which would maximize the amount of pleasure and minimize the amount of pain in the world). We should then judge the moral acceptability of an actions by reference to these rules. This two-stage approach introduces some distance between the moral acceptability of an act and its consequences, thereby overcoming some of the objections faced by act utilitarianism. (p.338)

46. secession
This describes the process in which a portion of a political community divorces itself from the rest of community to form its own state--that is, a group's act of breaking away from a larger nation to establish its own system of government. For example, the Basques wish for secession from Spain's rule, because they see themselves as culturally distinct from the Spanish. (p.338)

47. security
An individual's securty is another name for his or her civil liberty and political liberty, where political liberty is conceived broadly to include living under a constitutional government that has no authority to violate basic rights, and which is suitably constrained by a system of checks and balances to prevent abuses of authority. Arguably, security is maximized under some form of constitutional democracy, which recognize a basic right to absolute liberty of self-regarding conduct. (p.338)

8 manolo 2014-04-05 19:10:11 [PC]

政治理論(glossary)

48. self-determination
This view that each people or nation should have its own set of political institutions to enable it to decide collectively on matters that are of primary concern for its members. (p.338)

49. self-regarding conduct
An individual's conduct is 'purely self-regarding' in Mill's sense if, and only if, it does not directly and immediately affect other people, or if it only does so with those people's unoforced and undeceived consent and participation. (p.338)

50. social cleavage
A factor that divides members of society into groups that have different status or resouces. Examples of social cleavages are sex race, and class. (p.338)

51. social construction
This refers to the process by which social norms affect our lives, either by shaping the options that are available to or appropriate for us, or by affacting the way in which we interpret society, understand ourselves, and form preferences. (p.338)

52. social contract
An agreement between persons in a state of nature that establishes the terms for a common society and/or government. (p.338)

53. social norms
There are informal rules about how people ought to behave in a society. Examples of social norms include rules of etiquette, clothing, and social interaction. Social norms can become internalized, such that people prefer to comply with them--for exmaple, many people feel embarrased about passing wind in public and do not wish to do so. (p.338)

54. sovereignty
The supreme authority within a given geographycal territory. (p.339)

55. sufficiency principles (十分性原理)
These are moral principles, assuming that there are non-instrumentally morall relevant thresholds. They are often employed to claim that, when evaluating distributions, what matters is wether individuals have enough to escape absolute deprivation or to live above some ciritical threshold. (p.339)

56. tacit consent
Also sometimes called implicit consent or passive consent, consent that is expressed by doing something that you would not otherwise permitted to do, because someone has a right that you not do that thing without thereby consenting. An example would be tacitly consenting to pay for a meal in a restaurant by eating the meal. Cf. express consent (p.339)

57. Tobin tax(トービン税)
This is the popular name of a currency transaction tax, proposed by James Tobin in the 1970s, as a means of reducing destabilizing trades, slowing down speculation, and promoting more long-term investing. (p.339)

9 manolo 2014-04-05 19:17:35 [PC]

政治理論(glossary)


58. utilitarianism
The doctrine, of which there are many versions, that social institutions and practices should be organized so as to maximize general welfare or common good at the sole ultimate ethical value, and that individual actions ought also to aim at this end. Mill's version holds that a code of justice and rights is more valuable for this purpose than any competing considerations. (p.339)

59. veil of ignorance(「無知のヴェール」)
A phrase coined by Rawls to refer to the limited knowledge of characteristics--for example, sex. race, and class--that can be (dis)advantaging in the real world, but which ought not to be (dis)advantaging in the just society. (p.339)

60. voluntarism
The view that political authority and obligation is jusified because citizens have voluntarily agreed to obey the law. Often used interchangeably with the terms consent theory and contract theory, although, strictly speaking, voluntarism includes other ways of agreeging to do something to do something, such as promising. (p.339)
 
1 manolo 2014-04-02 13:47:20 [PC]


265 x 190
出典:『Understanding the Media(3rd Ed.)』、Eoin Devereux、SAGE Publications、2014

1. Active Audience
The term refers to the agency or creativity of media audiences. Audiences are seen to be active interpreters of media texts. Recent debates about audience agncy have also focused on the capacity which audiences have to be producers/prosumers. (p.289)

2. Asymmetrical Relations of Power
Unequal relationships of power in the social world with particular reference to how inequlity manifests itself in terms of people's position in the social structure based upon one's class, ethnicity or gender in one or other combination. (p.289)

3. Citizen Journalism
Refers to journalism engaged in by so-called ordinary citizens. Citizen journalism has expanded significantly in the context of the spread of social media. Free or cheapter forms of media technologies (e.g. blogs, Twitter and web-based zines) have allowed ordinary people to re-circulate existing media texts or create commentaries on and/or offer eye-witness accounts of matters of public interest. (p.289)

2 manolo 2014-04-02 14:06:36 [PC]

(メディア研究(Glossary))

4. Conglomerate/Conglomeration
Large-scale corporations that operate at national and transnational levels. Conglomerates are made-up of a range of coporations that have strong monopolistic tendencies and are either vertically or horizontally integrated (or sometimes both) in terms of their owenership structure. Media corporations may be part of larger media conglomerates or conglomerates of a more genral nature which have economic interests outside of the media industry. (p.289)

5. Core, Peripheral and Semi-Peripheral Societies
World System Theory sees the world as being divided into core, peripehral and semi-perioheral societies. The labour forces and raw materials of peripheral and semi-peripheral societies are exploited in order to create goods and services for the core scoieties in the western capitalist world. (p.290)

6. Cultural Industries
According to Hesmondhalgh (2013: 4) the cultural industries 'are involved in the making and ciculating of products that, more than the products of any other kind of industry, have an influence on our understanding and knowledge of the world.' (p.290)

7. Deregulation
In some territories the state has played a strong role in regulating publically and privately owned media organizations. The deregulation of the media market has seen the state play a reduced role in regulating media organizations. Conglomerates favour a deregulated environment and have lobbied the politically powerful to ensure less regulatory involvement by the state. (p.290)

8. Deserving Poor
The poor or socially excluded who are deemed to be worth of assistance or help. The deserving poor are believed to be poor through no fault of their own and are deserving of state or other forms of support or assistance. The deserving poor are sometimes referred to as 'God's Poor'. (p.291)

3 manolo 2014-04-02 14:23:54 [PC]

(メディア研究(Glossary))

9. Digital Divide
A concept used to highlight the gap between the information rich and information poor. While the digital divide is most apparent between northern and southern hemispheres, the concept may also be used to understand information inequalities in the 'developed world'. The concept of the digital divide warns us to be sceptical about the widely used concepts such as the global village and the information society. (p.291)

10. Discourse
A form of knowlege. (p.291)

11. E-zines
Internet-based magazines or newsletters. These are often aimed at specific interst groups. (p.292)

12. Fandom
Within media and cultural studies fandom refers to the phenomenon of fans forming an attachment to a partucular star, celebrity or media genre. Fan studies are often the site of some very interesting reserch on what some audience members can do in their role as producers or prosumers. (p.292)

13. Globnalization
The term globalization is at once both multi-faceted and ambiguous. As a process globalization refers to a number of things - the restructuring of economic activities on global lines; the apparent 'shinkage' of time and space as a result of new information and communications technologies; the increased awareness of the global in everyday life; cultural homogenization and the intensification of local identities. The media industries (and conglomerates especially) have globalized in terms of both their reach and their presence in a range of core, peripheral and semi-peripheral societies. Media globalization has resulted in the wider circulation of media texts and has given rise to new kinds of concerns and questions for audience researchers in particular. (p.293)

14. Hegemony
The dominance of one social group over another. Hegemony may be achieved through either force or consent. Hegemonic ideologies are those ideologies that facilitate or enable domination to take place. Counter-hegemonic ideologies are ideas that run counter to those expressed within the dominant ideology. (p.293)

4 manolo 2014-04-02 14:52:13 [PC]

(メディア研究(Glossary))

15. Hybrid/Hybridization
The term hybrid has two key meanings. Hybrid media texts may be creted when their producers or creators mix the ingredients from more than one media genre. Hybridization also occurs when globally circulated media texts are appropriated by audiences and are localized. (p.294)

16. Hyperreality
According to Baudrillard, in the media saturated post-modern world it is no longer a queston of us having to examine how the media represent 'reality'. Media 'reality' has become the (hyper) reality for most members of society. (p.294)

17. Ideology
At its most basic ideology means the 'Sceince of Ideas.' In media analysis the emphasis is on examining how the media construct and disseminate ides that are of benefit to the dominant class or other social group. We usually differntiate between dominant or hegemonic ideologies about class, ethnic or gender relations and other counter-hegemonic ideologies evident in media content. (p.294)

18. Infotainment
The merging of information and entertainment usually in a news setting. It may also refer to the increasing tendency within more serious media content of entertainment masquerading as information. (p.294)

19. Integration
(Horizontal and Vertical) The terms 'vertical' and 'horizontal' integration refer to two contrasting styles of media ownership structure. With vertical integration a media company (usually a conglomerate) owns and controls all aspects of the production, marketing, distribution and selling of a media product. Media companies that are horizontally integrated own and control a range of media companies involved in different kinds of activities such as printing, broadcasting and ICT. (p.294)

20. Media Imperialism
The terms media imperialism, cultural imperialism and US imperialism ('Hollywoodisation') are often used interchangeably in reference to the spead and global domination of western media culture. Those who are concerned about western media imperialism see it as being responsible for wearing down of local cultures. However, those who argue from a g-localization perspective believe that local audiences have the capacity to resist, hybridize and localize globalizing forms of media culture. (p.295)

21. Media Oligopolies
Powerful media conglomerates who dominate and control the global media industry. (p.295)

22. Modernity
Increasingly a contentious term, modernity refers to the era in which societies became industrialized, secular and urban. The contention arises from whether or not modernity has given way to postmodernity. (p.295)

5 manolo 2014-04-02 15:04:53 [PC]

(メディア研究(Glossary))

23. Narrative/Narrative Analysis
A research method concerned with the narratitve structure of media texts. How do individual media texts such as reports broadcast on television news programs tell or narrate stories about the social world? What conventions are employed in explaining 'terrorism' for example?(p.296)

24. Neo-Liberalism
A now dominant ideology which sees members of society as primarily economic rather than social factors. According to this perspectives, the stste should either play a significantly reduced or non-existent role when it come to the provision of goods and services in society. In addition, capital should be unfettered as far as possible and should be free from state interference. Neo-liberal marketisation ideas have assumed a dominant or hegemonic position in the shaping of state policy in terms of how education, health and welfare are provided for its citizens. It has underpinned the de-regulation (and increased privatisation) of the media. (p.296)

25. Netizens

Citizens who use the possibilities afforded by the Internet (e.g. social media, blogs, etc.) to discuss and debater matters of economic, political and moral importance. Netizens use the Internet as a possible Public Shere to argue, debate and inform. (p.296)

26. Paradigdm
At its simplest, a paradigm is a model or a framework which is used to make sense of phenomena. (p.296)

27. Patriarchy
The control and domination of women by men. Patriarchal ideologies or discorses are one that legitimize the continuation of male dominance in positions of influence and power. (p.296)

28. Postmdern, Postmodernity
A lively debate has ensued in recent years as to whether the era of modernity has come to pass. Postmodernists argue that modernity has been replaced by a postmodern era characterized by cultural and economic globalization; homogenization; increased fragmentation of local identities and media saturation. Proponents of postmodern theory treat the certainties inherent in more traditional sociolical approaches towards undestanding the social world in genral and the media in particular with some scepticism. The postmodern perspectives celebrates what it sees as the fragmented nature of postmodernity. Meida reality has become hyper reality or more real than reality itself. A key criticism of postmodernism is the lack of empirical evidence to support the many arguments which state that have moved on from the ear of modernity. (p.297)

29. Produsers/Procumers
Traditionally, media producers and media audiences (consumers) were placed at opposite ends of the spectrum. With the advent of new media, which affords the possibility of user generated content, some theorists have begun to reconfigure audience as producers and prosumers. (p.297)

6 manolo 2014-04-02 15:48:29 [PC]

(メディア研究(Glossary))

31. Public knowledge
The degree to which members of the public are informed about public affairs concerning politica and the economy for exmaple. Concerns have been expressed over the degree to which members of the public are informed by media organizations which are increasingly privatized and which have a greater emphasis on information rather than issues of public concern. (pp.297-298)

32. Public Service Braodcsting/Broadcasters
Traditionally dominant in Western Europe, Public Serive Broadcasting refers to publicly owned media companies engaged in the production and broadcast of radio and television programmes. In the face of increased competition from privately owned (and increasingly transnational) media companies, Public Service Broadcasting orgnizations have re-itertated their public sphere function. (p.298)

33. Public Sphere
A space allowing discourse and debate of political imporance. The public sphere is seen as essential element in the democratization of modern societies and ideally the media should facilitate such a space. The processes of privatization, homogenization, 'dumbing down' and the rise of infotainment all militate against the media providing a public sphere for media audiences. (p.298)

34. Reflexivity
The concept of reflexivity refers to the capacity of social actors for reflection, criticism and self-awareness. (p.299)

35. Representation
This form of media analysis is primarily concenred with how media texts represent (or more accurately re-present) the social world. (p.299)

36. Resistance
The ways in which audience members may reject the preferred or intended readings or meanings in a media text. The term is often used to describe how audience members reject the dominant or hegemonic codes evident within a media text. Audience members are said to be 'reading against the grain' in rejecting or subverting dominant or hegemonic ideology. (p.299)

37. Structure
Constrains that determines or shape human behaviour. In doing media work, for example, media professionals may be constrained by rules imposed by an employer, by the laws governing broadcasting or print journalism and by audience expectations. (p.299)

7 manolo 2014-04-02 16:02:44 [PC]

(メディア研究(Glossary))

38. Social Media
Media technologies and tools which allow for the creation of social networks and virtual communities. Social media enables the online sharing of a wide variety of media texts. Developments in social media underlie recent developments in Citizen Journalism (the 'Arab Spring') and the reconfiguraion of some audience members as produces/prosumers. (p.299)

39. Stigmatization
Following the work of sociologist Erving Goffman, stigmatization refers to the processes by which indentities are spoiled. In a media setting, for example, consistently negative media discourses might be seen as contribution to the stigmatization of a group of people (e.g. linking crime with particular ethnic groups) or places (e.g. stressing how particular neighbourhoods are dangerous). (p.299)

40. Texts
The increased concentraion withing media analysis on the agency or creativity of audience members came hand in hand with an emphasis upon seeing media content as texts rather than messages. Implicit in the notion of audience members 'reading' media texts is the process of active, interpretative work in the creation of meaning. (p.300)

41. Transnational
...referes to both media companies or organizations and media texts. Many media texts are increasingly transnational because they are ciculated globally. Transnatinal media conglomerates are media companies that operate in several countries. (p.300)

42. Underserving Poor
The undeserving poor are those catergories of poor or socially excluded who are demonized and who are personally blamed for their poverty and exclusion. They are sometims termed the 'Devil's Poor.' While many poor people have been categorized as underserving over time, there has, in recent yeras been a decided emphasis on disgust reactions to the welfare class or 'chavs'. (p.300)
 
1 manolo 2014-03-23 13:25:56 [PC]


275 x 183
出典:『Newsweek』/3/11/3014/「ビットコインは悪玉じゃない」pp.34-35

1-1.
 ビットコインは麻薬の取引やマネーロンダリングに利用されかねず、結局はバブルに過ぎない悪い通貨だ――。登場してから5年。新通貨としての注目度が増加しているビットコインには常にこういった「悪玉論」が付きまとっていた。(p.34)

1-2.
 その悪玉論が先週、日本で噴き出した。東京にある世界でも大手のビットコイン取引所「Mt. Gox(マウントゴックス)」が突然サービス停止に陥り、約480億円に相当するビットコインが消失して引き出せなくなったのだ。渋谷にあるマウントゴックスの運営元ディバン社には、投資した資金の返還を求める投資家が押し掛けた。(p.34)

2 manolo 2014-03-23 13:28:42 [PC]

1-3.
 この取り付け騒ぎを見て、メディアのビットコイン批判は過熱した。「仮想通貨もろさ露呈」「日本の不安拡大」「消える運命」「ビットコイン破綻」……。あたかもビットコインのシステムそのものがすぐにも崩壊するような見出しが新聞に躍った。メディアだけではない。副総理兼財務・金融担当相の麻生太郎はビットコインについて、「誰も認めている通貨ではない。どこかで破綻すると思っていた。」と記者会見で述べた。アメリカでも、上院議員のジョゼフ・マンチンがマウントゴックス騒動後、米財務省とFRB(米国連邦準備理事会)に宛てた書簡で、「非常に不安定ので米経済に混乱を招く」とビットコインの使用禁止を求めた(FRB)ジャネット・イエレン議長は「FRBはビットコインの監督・規制権限をもたない」とコメントした。(p.34)

1-4.
 だがマウントゴックスの騒ぎの原因は、あくまでビットコインの仕組みにあるのではない。今回の騒動の原因は、あくまでビットコインの取引を仲立ちする中間業者マウントゴックスにある。例えるなら、銀行預金の取引データが消滅したためにその銀行が負債を負って倒産したようなもの。だからと言って紙幣や硬貨という「お金」の価値には影響しないのと同様、マウントゴックスの失態でビットコインの仕組みや信頼性自体が揺らぐわけではない。(p.34)

1-5.
 マウントゴックスは、今回の騒ぎが起きる半年前にもビットコインが引き出せなくなるトラブルを起こしていた。その後も細かいシステム上の不具合を繰り返していたが、今年2月の大規模なサーバー攻撃によりシステムがダウン。ビットコインを引き出すことができなくなった。その後も状況が改善しないままサイトへのアクセスができ[なく]なり、先週末ついに民事再生手続きを申請し、経営破綻に追い込まれた、というのが実情だ。(p.34)

3 manolo 2014-03-23 13:30:55 [PC]

1-6. 【マウントゴックスが例外】
 先月上旬にマウントゴックスと似たサイバー攻撃を受けたほかのビットコイン取引所は、すべて操業停止後数日でサービスを再開した。ビットコインの取引自体もサイバー攻撃前と変わらず行われている。マウントゴックスだけが、唯一の例外なのだ。マウントゴックス騒動を受け、別の取引所を運営するカリフォルニア州のコインベース社など6社が共同声明を発表。あくまでもマウントゴックスの問題であり、ビットコインの価値やデジタル通貨業界には影響しないと強調したのも無理はない。マウントゴックスだけでなく、違法薬物などの取引の温床といわれるサイト「シルクロード」も先月、ハッカーに狙われた。ターゲットになったのは、多数の取引を特定のサーバーに集中させる取引所としてのシステムが脆弱であるが故。システムの隙を突いた攻撃を受ければ、被害が出るのは避けられない。(pp.34-35)

1-7.
 ビットコインそのものの仕組みは、技術的・構造的にかなり信頼性は高く、こういった騒動の後も揺らいではいない。それは受け手の端末コンピューターと送り手のサーバーが情報をやり取りするのではなく、多数の端末同士が結びつく分散型システム「P2P(ピア・トゥ・ピア)」が取り入れられているからだ。「ビットコインは(中略)その信頼性を命がけで守る中央銀行のような番人がいない」。国際経済に詳しい同志社大学大学院の浜矩子教授はマウントゴックス騒ぎの後、朝日新聞にこうコメントした。発行主体を持たないビットコインに対し、国や中央銀行の裏付けがないから信用できない、という声は根強い。(p.35)

1-8.
 だが、ビットコインは分散型ネットワーク上で展開されるプログラムであり、どこか数か所攻撃されても流通不可能になることはない。マウントゴックスが管理しているビットコインがすべて行方不明になっても、ビットコイン全体から見れば、ごく一部にすぎないので、システムにはほとんど影響が出ない。中央銀行がないから信頼性に欠けるというのは、ビットコインのシステムを理解していないからこそできる発言だ。(p.35)

4 manolo 2014-03-23 13:32:38 [PC]

1-9.
 この問題を伝えるメディアも、ビットコインの仕組みを十分理解していない。例えば、大半のメディアがビットコインを「仮想通貨」と表現する点。「バーチャルカレンシー(Virtual currency)」という英語を直訳して使っているようだが、通貨はそもそも実在する富を交換・流通しやすくするため仮想化したもの。1万円札も100ドル紙幣も、そもそも紙切れにすぎないことを考えればよくわかる。つまり「仮想通貨」という言葉を使うと、もともと仮想的な存在をさらに仮想化するという意味不明な説明をしていることになるのだ(本誌では「仮想通貨」という表現は避けている)。(p.35)

1-10.
 便宜上ビットコインと呼ばれているだけで、「コイン」という実態を伴うわけではない、という事実を見落としやすい。単位はビットコイン(BTC)だが、実際に物理的なコインをやりとりするわけではないため、「枚」と表現するのは間違っている(写真のようにロゴを入れた擬似的なコインは存在するが、あくまでイメージに過ぎない)。(p.35)


1-11. 【通貨として成熟する過程】
 たしかにビットコインの仕組みは分かりにくい。その周囲にはどこが怪しげな人間が群がっていることも事実だ。だがそれは、既存の通過と同じことだ。中南米の麻薬取引にドルが使われることを考えればいい。不慮の事故や大災害で銀行の帳簿やデータが完全に消失すれば、おそらく誰も保障を受けることはできないだろう。マウントゴックスの破綻もこれと変わりない。公的機関の裏付けがないことは事実だが、その代わりビットコインには国境や為替に縛られない自由さというメリットがある。(p.35)

1-12.
 1つの取引所が事実上消滅したからといって、ビットコインそのものの存在を否定することにはならない。もっともメディアや有識者(とされる人々)の喧騒をよそに、投資する側は冷静だ。マウントゴックス以外のビットコイン取引所では、取引価格が騒動前の水準に戻っている。通貨としてみれば、ビットコインはまだよちよち歩きを始めたばかりの赤ちゃんのような段階でしかない。投資家の保護や法的な枠組みの設定を求める声も出始めた。世界を驚かせた今回のマウントゴックスが騒動は、この新通貨がさらに成熟するための成長期に過ぎない、と勧化が得るのが妥当だろう。(p.35)