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シリア (コメント数:14)

1 manolo 2013-09-01 21:51:38 [PC]


294 x 171
出典:朝日新聞、9/1/2013、玉川透、p.7
(「イラク戦争の教訓、シリアで生きるか」)

1-1.
シリアへの軍事介入の行方は、オバマ米大統領の最終判断に委ねられた。10年前ブッシュ政権が踏み切ったイラク戦争の教訓は生かされるのか。

1-2.
 2003年2月5日、当時のコリン・パウエル国務長官は国連で演説。イラクのフセイン政権が、核や生物化学兵器の開発を進めていると、「証拠」を挙げて非難した。「イラクを武装解除し、国民を開放する」。翌月19日夜、ブッシュ米大統領はホワイトハウスでテレビ演説し、イラク攻撃の開始を宣言した。当時、「証拠」とされたのは通信傍受の記録や衛星写真情報、ドイツの情報機関が得たイラク人亡命者の証言などだった。しかし、その後、証言は虚偽だったことが判明。最終的に「大量破壊兵器」は見つからず、米国は国際的な批判を浴びた。

2 manolo 2013-09-01 21:54:32 [PC]

1-3.
 今回も米国は、通信傍受や衛星探知の記録などを「証拠」に挙げている。外傷のない多くの遺体の映像から化学兵器が使われたことは確かなように見えるが、だれが何の目的で使ったのかについての決定的な証拠は明らかにされていない。このため、議会からも「国連の調査が終了するまでシリアを攻撃するべきではないし、多くの国の支持なしに攻撃しても威力は弱まる」(カール・レビン上院軍事委員会委員長)と攻撃に慎重な意見が出ている。米国と情報を共有しているとみられる英国では、議会の反発で軍事介入の断念に追い込まれた。

1-4.
 イラク戦争は、「9.11」(米同時多発テロ)の報復をねらった、「対テロ戦争」だった。国際テロ組織アルカイダとのつながりが疑われたフセイン政権を倒すことが目的で、巡航ミサイルや戦闘機の空爆に加え、戦車やヘリコプターの地上軍が拠点を制圧した。
今回、オバマ氏が、政権転覆でなく「化学兵器を使ったことに対する懲罰」を目的とし、短期間で限定的な攻撃を検討しているのは、アサド政権が倒れればテロ組織が勢いづくリスクもはらんでいるからでもある。シリアは反体制派内にイスラム過激派が多数入り込んでいるとも言われる。反体制派への武器供与を米国が渋っているのもこのためだ。

1-5.
 イラク開戦直前、パウエル国務長官は、英国や日本、韓国、オーストラリアなど米国支持を表明した30ヵ国のリストを発表。国際社会の支持を強調した。一方、オバマ政権は今回、最大の盟友・英国を失い、他の同盟国の多くもあいまいな支持にとどまっている。世論も逆風だ。イラク戦争開始時は支持が7割を超えたが、対シリア軍事介入への支持は25%にとどまり、反対の46%を大きく下回っている。

3 manolo 2013-09-01 21:58:06 [PC]

【米政府が公表した調査報告書の骨子】
◆米政府はシリア政府が8月21日にダマスカス郊外で化学兵器を使ったと強く確信。神経ガスも使われた
◆攻撃で少なくとも426人の子どもを含む1429人が殺害された
◆シリア政府はダマスカス郊外が拠点の反体制派を追い払おうとして失敗。いらだって化学兵器使用に走った可能性がある。
◆政府側の化学兵器部隊が攻撃の3日前からダマスカス郊外で準備をしていた
◆衛星による探知で政権側支配地域からダマスカス郊外へのロケット弾発射を確認
◆近隣3病院に神経ガス症状の患者約3600人が搬送された
◆政権側が化学兵器を使ったと確認する内容のシリア高官の通信を傍受
◆化学兵器による攻撃は、シリア政府の指示によると考えるのに十分な証拠がある

【イラク戦争とシリア軍事介入の比較】
〈イラク戦争〉
開始: 2003年3月20日(バグダッド)
根拠: イラクが大量破壊兵器を開発など(後に米調査団が否定)
方法: 空爆と地上軍を投入
目的: フセイン政権の打倒
世論: 7割が「攻撃を支持」
戦闘終結: 03年5月、ブッシュ大統領が宣言
〈シリア軍事介入〉
開始: ?
根拠: 反体制派に対する化学兵器攻撃
方法: 軍事施設などに対する限定空爆?
目的: 化学兵器の再使用を防ぐための懲罰的な軍事行動
世論: 軍事介入への支持25%、反対46%
戦闘終結: 「数日間」の短期間?

4 manolo 2013-09-04 12:08:13 [PC]

出典: 『ニューズウィーク日本版』 September 10, 2013、「シリア内戦の2年半を読み解く」、山田敏弘、pp.27-31

2-1.
 シリア情勢が重大局面を迎えている。先月シリア政府による化学兵器使用の疑惑が浮上したことで、アメリカが主導する軍事介入の可能性が出てきた。ただし、イギリス議会が先週、英軍の軍事介入案を否決したため、アメリカが単独で武力行使することも考えられる。(p.27)

2-2.
 介入後、シリア情勢がどうなるのかは誰にも分からない。中東諸国の入り組んだ関係を考えれば、米軍による中途半端な攻撃は混乱を深めるだけで何らメリットがない、と指摘する専門家も多い。少なくとも、武力介入後もアサド政権は続き、政府軍と反体制派の戦いがすぐに終焉することもないだろう。シリア政府が国民に対して化学兵器を使用する可能性も消えない。(pp.27-28)

2-3.
 2年半で死者数は10万人を超え、難民は190万人に達したシリア内戦。そもそも国内外でさまざまな思惑が渦巻くシリアの情勢をここまで泥沼化させた原因は何なのか。「アラブの春」から、軍事介入が迫る現在に至るまでシリア情勢がどう推移してきたかを振り返ってみると、その背景が見えてくる。(p.28)

2-4. 国民の怒り
 すべては2011年3月、少年たちの落書きから始まった。シリア南部の都市ダルアー。前年末からチュニジアやエジプトで発生した大規模な民主化デモ「アラブの春」に触発された少年15人が、学校の壁に政府批判の落書きをした。すると民主化運動の波及に敏感になっていた治安当局がこの話を聞きつけ、彼らを逮捕した。拘束された少年たちが当局者から暴行を加えられたと報じられると、怒った地元住民が街頭で抗議デモを開始。デモを制圧するために出動した治安部隊が集まった人たちに発砲し、犠牲者を出す事態に発展した。(p.28)

5 manolo 2013-09-04 13:04:32 [PC]

2-5.
 もともと秘密警察などが言論の自由を統制していたシリアで、治安当局はいつもどおりの弾圧を行ったにすぎなかった。だがそこから、反政府運動の波が一気に全国に広がった。(p.28)

2-6.
 当初、国民が抗議デモで吐き出したのは、主に政治的な自由や、生活向上といった経済面にまつわる不満。バシャル・アサド大統領の退陣を求める声はそれほど大きくはなかった。40年前に無血クーデターで実権を握った父ハフェズ・アサド前大統領を引き継いだ次男バシャルの在任期間がまだ10年ほどと比較的短く、政治姿勢は穏健で改革志向だと見られていたからだ。軍部をがっちりと掌握していたこともある。アサド自身もそれをよく分かっているようだった。アサドは当時、シリア政府は「民意と合致しているから」安泰だと語っている。だがすぐに、チュニジアやエジプトでの出来事が対岸の火事ではないことを思い知る。

2-7.
 拡大するデモ隊への弾圧を続ける政府に対して、国民の怒りは強まっていく。シリアでは過去48年もの間、「非常事態法」の下で、治安当局には無制限に近い権限が与えられてきた。反体制派は投獄され、秘密警察が国内を「統制」するような国だった。そうした体制にも国民の怒りの矛先は向き、政治犯の釈放を求める声が高まった。やがて各地で治安当局や政府軍と反体制派が衝突し、多くの犠牲者が出るようになった。11年6月には中部ハマを中心に政府軍が大規模作戦を実施。戦闘は激しさを増していった。(p.28)

2-8.
 衝突が続くなかで、アサド政権の反体制派弾圧に抗議する政府軍の幹部が離反を始めた。彼らは「自由シリア軍(FSA)」を結成し、反体制派勢力の中心的存在になっていった。アサドも事の重大性に気がついたのか、民主化要求に応える姿勢を見せた。閣僚を総入れ替えし、4月には非常事態法を撤廃。8月にはバース党の一党支配を廃止した新政党法を承認し、複数政党制を可能にした。(pp.28-29)

6 manolo 2013-09-04 14:14:23 [PC]

2-9.
 それでも、反体制派の蜂起を抑えることはできなかった。彼らはトルコやイラクなどで武器を手に入れ、アサド打倒に向けて攻勢を続けた。様子を見続けていたオバマ米政権は8月、シリアで混乱が始まってから初めて、アサドに対して公然と退陣を迫った。バラク・オバマ大統領は「シリアの人々のために、アサド大統領が辞職する時が来た」と語り、アメリカが04年から行ってきた経済制裁の強化を命じた。(p.29)

2-10. 代理戦争
 エジプトやチュニジア、リビアやイエメンなどでも「アラブの春」から発生した混乱が続くなか、オバマはとにかく中東でこれ以上、頭痛の種を増やしたくなかった。シリアで政治の実権を握ってきたのはイスラム教シーア派の分派、アラウィ派のアサド一族。アサド大統領の父ハフェズの時代から、人口の10%にすぎないアラウィ派が70%を占めるスンニ派や、キリスト教徒、クルド人などを支配して自分たちの既得権益を守ってきた。(p.39)

2-11.
 アサド政権が崩壊して権力の空白が生まれれば、その多様な社会に、スンニ派の国際テロ組織アルカイダだけでなく、シーア派のイランや、隣国レバノンのシーア派武装組織ヒズボラなどが入り込むことになる。収拾がつかなくなるのは火を見るより明らかだ。そんな事態をオバマも、アメリカの同盟国かつシリアの隣国であるイスラエルも望んでいない。本意ではないが、できるならアサド政権のままで現状維持が望ましかった。アサド家の支配か、はたまた中東地域のさらなる混乱か - 二者択一をオバマは迫られて、決断を出せずにいると指摘する声も聞かれた。(p.29)

2-12.
 同じ理由でアサド政権を渋々支持してきたアラブ諸国は、アサドに見切りを付けた。内戦が一向に収まらないことで、アラブ連盟は11月11日、シリアの同連盟への資格を停止し、経済制裁を科す決定を下した。アサド政権の孤立化を狙ったのだ。(p.29)

7 manolo 2013-09-04 14:39:23 [PC]

2-13.
 その流れは結果的に、アサド政権を倒したいスンニ派国家による反体制派への武器や資金の提供を加速させた。昨年になるとカタールのハマド・ビン・ハリファ・アル・サーニ首長(当時)とサウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ国王が、反体制派への支持を表明。自由シリア軍に資金や武器を提供すると公言した。それは同時に、戦闘のさらなる激化を意味した。昨年の半ば頃にはアメリカも動きを見せ、オバマ政権はCIA(中央情報局)に対し、反体制派に情報と訓練を提供する許可を与えた。一方でアサド政権には、中東全域の派遣を狙うイランや、レバノンのヒズボラが支援を続行。シリア内戦は、諸外国による代理戦争の様相を色濃くしていく。それに連動するかのように、政府軍と反体制派の戦いもますます泥沼化していった。(p.29)

2-14. テロリストの侵入
 この2年半の間には、国連主導で対話による解決を促そうとする動きもあった。国連とアラブ連盟の合同特使に任命されたコフィ・アナン前国連事務総長は昨年3月、シリアと和平調停案に合意した。だが停戦直後に武力衝突が確認され、約束は守られなかった。アナンは辞任し、後任のラクダル・ブラヒミ元国連アフガニスタン特別代表も、10月下旬の「イードアルアドハー(イスラム教の犠牲祭)の期間中に調停するようシリア政府と反体制派から合意を取り付けたが、すぐにほごにされた。(pp29.-30)
 
2-15.
 国連は結果的に、シリア情勢について、効果的な提案を実現できていない。すべてはシリアと歴史に関係が深いロシアと中国が安保理決議に拒否権を行使するからだ。アナンは辞任の際に、悔しさを込めてこんな言葉を残した。「絶望的な状況の中でシリアの人々が行動を求めているのに、安保理では責任のなすり合いと非難の応酬が続いている」。アメリカをはじめとする国際社会は、シリアで毎日のように罪のない人たちが戦闘の巻き添えになって死んで行くのを横目で見ながら、何ら手立てを打てない状況が続いた。(p.30)

2-16.
 そんな状況下で、シリア国内では不穏な動きが顕在化していた。反体制派の中で、イスラム過激派組織やアルカイダ系のテロリストが勢力を拡大していたのだ。これらの中には米政府がテロ組織に指定するアルカイダ系外国人武装集団の「ヌスラ戦線」などもいる。米情報機関も、反体制派の実態を把握するのに苦労していた。(p.30)

8 manolo 2013-09-04 15:10:23 [PC]

2-17.
 一向に情勢が好転する兆しを見せないなか、シリア政府が備蓄する化学兵器の存在がクローズアップされるようになる。政府による化学兵器の一部を移動し始めたと報じられたことだった。その目的は明らかになっていない。しかし同時に、シリア外務省のジハード・マクディシ報道官(当時)はアサド政権の化学兵器保有を認め、他国から攻撃を受けた場合には使用することも辞さないと発言。ただし、自国民には使用しないことを約束した。(p.30)

2-18. レッドライン
 この挑発的なシリアの発言にはオバマも黙っていられなかった。化学兵器をめぐる一連の動きを受けて、オバマは昨年8月、シリアの騒乱が始まってから最も重要な警告を行う。大量破壊兵器に認定されている化学兵器を使用することは「レッドライン(越えてはならない一線)であることを、この地域のあらゆる勢力にはっきり伝えてきた」とオバマは強調し、「イスラエルを含めたこの地域の同盟国に関わる、アメリカにも影響する問題だ」と語った。その上でオバマは、アサド退陣という「軟着陸の見込みはかなり低そうだ」と、強い警告を発した。(p30)

2-19.
それまでアメリカはシリア情勢に積極的な関与はせず、傍観者に徹してきた。「最後の一線」である化学兵器が注目される状態になるまで、オバマ政権と同盟国の政府がシリアに対して慎重な姿勢を乱さなかったのには理由がある。

2-20.
 まず、米国民とNATO(北大西洋条約機構)の内部には、イスラム圏への軍事介入に懲りた空気があった。シリア情勢に首を突っ込むことで生じる負担を、オバマは望んでいない。米外交問題評議会のレスリー・ゲルプ名誉理事長は、「アメリカが全面に出て積極介入すれば、反体制派を勝利させる責任の大半をアメリカが負うことになる」と、指摘する。「犠牲者が増え続ける悲惨な内戦と、予測不能なその結末、莫大な復興費用の大部分もアメリカの責任になってしまう。(p.30)

2-21.
 オバマ政権は、対立する信条を持つ反体制派のさまざまな組織に対して、疑念も持っていた。反体制派にの中には、反米組織や、アサド後に支配権を握るチャンスをうかがっているイスラム原理主義の組織もある。反体制派を支援することは、自らの敵に武器や資金などの支援を与えることにもなりかねない。(p.30)

9 manolo 2013-09-04 15:34:56 [PC]

2-22.
 そして何より、さまざまな組織が絡み、一枚岩ではない反体制派には、アサド後についての明確な考えがない。ある活動家はかつて本誌にこう語っている。「今のシリアには1つの敵(アサド体制)がいる。これが崩壊した後は、全員が敵同士になるだろう」。昨年11月に結成され、唯一の正当な反体制派の代表と国際社会から承認されたシリア国民連合も内部対立などが起き、今も存在感を示せないでいる。(pp.30-31)

2-23. 化学兵器使用
 昨年暮れ頃からシリアで化学兵器に関する動きが浮上し始めたことで、潮目は変わった。米NBCテレビでは12月、サリンの原料物質をシリア軍が爆弾に搭載したと報じた。サリンはごく微量で人を死に至らしめる。極めて致死性の高い神経ガスだ。アサド政権は、その原料となる物質をおよそ500トン蓄えていると言われている。(p.31)

2-24.
 内戦の様相が変わる気配を見せてきたことで、オバマ政権はシリアに関与する必要性に迫られた。まず今年2月には、反体制派に対して6000万ドル分の物資援助を約束した。そして3月、シリアで化学兵器が使用された疑いがあるというニュースが世界を駆け巡った。化学兵器使用を最初に告発したのは国営シリア・アラブ通信(SANA)だ。現場の映像を流し、「テロリスト」がアレッポ郊外をロケット砲で攻撃したと報じたのだ。アサド政権は、この攻撃で犠牲者が呼吸困難に陥ったり、泡を吹いたと報告した。25人が死亡、86人が負傷したという。(p.31)

2-25.
 オバマはそれから1カ月もたたないうちに、シリアで化学兵器が使用された疑いがあること公に認めた。米上院軍事委員会の重鎮である共和党のジョン・マケイン上院議員は、「シリア情報は明らかに大統領の言うレッドラインを超えている」と、指摘した。「そうである以上、これまでの(消極的な)方針を転換するべきだ」。

2-26.
 これに対してシリアのオムラン・ゾウビ情報相は、化学兵器を使用したのは政府側ではないと断言。アルカイダとつながりのある反体制派の仕業だと反論した。実際にトルコのシリア国境地域では今年5月、反体制側が所持していたサリンが押収される事件も発生していた。米政府は6月中旬、反体制派に公式に武器を供与する方針を決め、「支援の範囲と規模」を拡大すると発表した。シリア政府が戦闘において化学兵器を使用した確証を得たからだという。(p.31)

10 manolo 2013-09-04 15:41:46 [PC]

2-27.
 オバマは今や慎重ではいられなくなっている。昨年に設定した「レッドライン」のおかげで、アサド政権による化学兵器使用が「証明されれば」、空爆など武力介入をしないわけにはいかな体。「最後通牒」ひっくり返し、引き続きこれまでと同じ路線に戻れば、例えば核開発疑惑を非難するらイランに示しがつかなくなる。オバマの言葉の重みがなくなりかねない懸念もある。その一方で、仮に化学兵器を使ったのがオバマ政権の支持する反体制派だということになれば、アメリカの立場はなくなる。(p.31)

2-28.
 いずれにせよ、慎重を期してきたオバマが、自らをこれまでにかく難しい立場追いやったことは間違いなさそうだ。(p.31)

11 manolo 2013-09-04 21:39:14 [PC]

出典:BBC News、(Q & A: Threatedned strike on Syria)、August 30, 2013、
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-23876085

3-1.
  A US military strike against Syria is looming in the aftermath of a suspected chemical weapons attack in Damascus, taking the crisis into a new phrase. Here is a look at some of the issues surrounding the current tensions.

3-2. Why is military action being talked about now?

  Many have posed the question of why the US and its allies are talking up the prospect of an intervention now when the conflict has already left around 100,000 dead, forced more than 1.7m Syrians to flee the country (with more internally displaced) and has increased tensions in neighbouring countries. US president Barack Obama said last year that any use of chemical weapons by the Syrian regime of President Bashar al-Assad would be a “red line”. After several alleged instances of chemical weapons use earlier this year, in June the US said its intelligence services had “high confidence” that they had indeed been used and that the US would be as a result send unspecified military aid to the opposition. However the events of 21 August, when a suspected chemical weapons attack left hundreds of people dead in the Ghouta area on the outskirts of Damascus, seem to have convinced Western powers that a stronger response was necessary. While reported death tolls vary, the Ghouta attacks stand as one of the deadliest incidents of the entire conflict, with horrific footage uploaded by activists showing scores of dead bodies, including many children. US Secretary of the State John Kelly said that “the indiscriminate slaughter of civilians, the killing of women and children and innocent bystanders, by chemical weapons is a moral obscenity” and Western officials have said the killings cannot go unpunished.

3-3. Who would carry out a military strike?
  The UK, France and the US were all quick to raise the prospect of military action ? and have forces in place in the region that could be used in the event of a strike. But UK Prime Minister David Cameron’s plans to join US-led action were dashed after a vote in support of military intervention was rejected by Parliament on 29 August. US Defense Secretary Chuck Hagel said the US would continue to seek out an “international coalition” for military action even if the UK is not involved. French President Francois Hollande said France is still prepared to take action, even without British involvement. In the region itself, Turkey has said it would be ready to take part in international action against Syria, even without UN approval.

12 manolo 2013-09-04 21:43:39 [PC]

(「シリア」続き)

3-4. What form would a Western military strike take?

  The options for how it would be carried out range from limited “punitive strikes” to enforcing a no-fly zone over the country or trying to establish control over Syria’s chemical weapons arsenal. President Obama seemed to suggest that any strike would be limited in nature - as he put it to serve as a “shot across the bows” of the Syrian government rather than to try to tip the balance against it in the conflict.

3-5. What is the likely timeframe for any military action?

  UN chemical inspections investigating the alleged attack in Ghouta are expected to leave Syria on 30 August and present their initial findings to the UN the following day. A fresh push is then expected to be made at the UN Security Council for a resolution authorizing action, even though this will almost certainly be blocked by Russia and China. Although the White House has said it views the inspectors’ mission as “redundant” because the US was already convinced Syria had used chemical weapons, it is thought Western powers will want to be seen as having exhausted all possible diplomatic avenues before taking action. In addition, there has also been speculation that Western powers will not want to take action before or during a two-day G20 leaders’ summit in Russia, scheduled on Thursday 5 September.

3-6. What have Syria and its allies said?

  The Syrian government has strenuously denied that it has used chemical weapons. Syrian officials have suggested that the opposition were behind any such attacks and that they were encouraged in this by Western powers. Syria’s Deputy Foreign Minister Faisal Miqdad said on 27 August that Syrian would “defend itself against any international attack” and warned that it would trigger “chaos in the entire world”. Syria’s key allies Russia and Iran have also been highly critical of any intervention. Russia has said there is no proof the Syrian government was behind the Ghouta attacks and has warned of “catastrophic consequences” of any intervention, calling it a “grave violation of international law”. Although Russia is unlikely to be drawn into any direct confrontation, correspondents say it may increase weapons supplies to Damascus in retaliation. Iranian Supreme Leader Ali Khamenei has said an intervention would be a “disaster”. Other Iranian officials have in the past warned of consequences for the region and recently threatened Israel would be attacked in return. There has been speculation that Lebanese militant Shia movement Hezbollah, allied to Iran and which is fighting alongside government troops in Syria, might fire rockets against Israel in response to any Western strike.

13 manolo 2013-09-04 22:32:02 [PC]

出典: 『ニューズウィーク日本版』 September 10, 2013、「シリアの巻き添え?イスラエル戦慄」、ノガ・ターノポルスキー、p.35

4-1.
 バラク・オバマ米大統領は昨年、化学兵器の使用は「レッドライン(超えてはならない線)だと宣言。シリアがその一線を越えたとなると、アメリカの攻撃は不可癖だと多くのイスラエル人はみている。そうなれば、イスラエルは窮地に立たされる。イスラエルはシリア内戦に関与していないが、地理的にはシリアをめぐって対立する国々の中心に位置している。アメリカの身代わりとしてシリアの報復攻撃の標的となる可能性もある。

4-2.
 イスラエル政府は既に防御態勢を強化している。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は先週、「どんなシナリオにも対応できる準備がある」として、「われわれに危害を及ぼす試みが確認されたら、断固たる対抗措置をとる」と明言した。イスラエルの国家安全保障顧問ヤーコフ・アミドロー将軍は上級レベルの代表団を率い先週、ホワイトハウスを訪問した。シリアとイラン問題についてスーザン・ライス大統領補佐官と協議を行った。

4-3.
 今もシリアのバシャル・アサド大統領を支援する数少ない同盟国の1つであるイランは、危機の高まりに中心的役割を果たすとみられる。イラン議会の外交安全保障委員会アロオディン・ボルジェルディは「シリアに対する軍事的侵略の炎はイスラエルをのみ込むだろう」と、オバマに脅しをかけた。やはりシリアの盟友であるロシアのアレンクサンドル・ルカシェビッチ外務省報道官も「国連安全保障理事会を迂回する試み」は「シリアの人々に新たな苦痛をもたらし、中東と北アフリカの他の国々を破滅的な状況に陥れる」と警告を発した。

4-4.
 しかしイスラエルが直接的に軍事介入のとばっちりを受ける可能性が低いとの見方もある。「アサドもそこまで愚かではない」と、イスラエルの軍事問題アナリスト、ロニー・ダニエルは言う。「イスラエルを攻撃すれば、非常に厄介な事態になり、アサドは権力を失いかねない。国外でのテロ攻撃などで報復を試みるかもしれないが、イスラエルを巻き込めば、代償ははるかに高くつく」。いずれにせよアメリカは、軍事介入に踏み切る際にはイスラエル政府に事前に知らせるだろうと観測筋はみている。

14 manolo 2013-09-04 22:48:26 [PC]

4-4.
 一方で、イスラエル軍放送局の軍事アナリスト、タル・レフラムは「あらゆる事態が起こりえる」と警告する。「備えは不可欠だ。まともな頭の持ち主ならともかく、アサドなら何だってやりかねない」

4-6.
 イスラエル陸軍を昨年退役したエシュコル・ショクロン元大佐も、アサド政権かシリアの反政府勢力がイスラエルを標的にした報復攻撃を行う可能性があるとみている。ショクロンによると、シリア内戦が始まった時から、収束のシナリオは3つあった。「1つは外部からの介入。ただしそれによってシリアの内紛が収まる保証はない。2つ目はシリア国内の多様な勢力が合意に至ること、3つ目は一方の側の決定的な勝利だ」。

4-7.
 現時点では第3の形での決着も難しく、内戦は「何年も続く可能性がある」と言う。「シリアの今後は不透明だ」
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