Tokon Debatabank II

チュニジア (コメント数:4)

1 manolo 2013-10-17 08:30:17 [PC]


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出典:朝日新聞、10/17/2013、(「世界発2013 チュニジア政治 混迷」)p.10

1-1. 【相次ぐ暗殺 進まぬ憲法制定】
 「*アラブの春」の先駆けとなったチュニジアで、政治の混乱が続く。革命後、イスラム系政党が政権を主導するが、リベラル派などの野党は民主化の遅れや治安悪化を批判し、デモが続発。野党党首の暗殺事件も混迷に拍車をかけ、新しい国の基盤となる憲法制定が進んでいない。

*チュニジアと「アラブの春」
2011年に中東で広まった「アラブの春」は、チュニジアで果物の無許可販売の摘発に抗議し青年が焼身自殺したことが発端となった。約23年間独裁を続けたベンアリ政権は同年1月に倒れ、10月に制憲議会選挙を実施。穏健派イスラム政党ナハダが第1党となった。

2 manolo 2013-10-17 08:44:12 [PC]

1-2.
 7月25日朝、チュニス郊外の住宅地に銃声が響いた。世俗派野党党首のムハンマド・ブラヒミ議員が自宅を出たところで襲われ、銃弾11発を浴びて死亡した。2人組の男がバイクで近づき射殺するという手口は、2月上旬に別の野党党首が暗殺された事件と同じだった。被害者が最大与党のイスラム穏健派「ナハダ」を批判する急先鋒だったことも共通している。野党支持者らは「ナハダが黒幕だ」として一斉に反発。以来、最大労組のチュニジア労働総同盟(UGTT)などの呼びかけで、全国的に数千人規模のデモやストが相次いだ。

1-3.
 チュニジアは、革命後の民主国家の基盤となる新憲法を起草する段階にある。与野党でほぼ合意にこぎつけていたが、7月の暗殺事件をきっかけに制憲議会で野党の50人以上が欠席し、議長が議会を停止。9月中旬に再会いしたが、野党の欠席は続き、新憲法制定に向けた動きが止まっている。政治空白は2月の暗殺事件後にも生じていた。与野党対立で政局は混乱し、ジェバリ前首相が辞職。ラアレイエド現内閣の発足に約1カ月かかった。政府は野党に配慮し、ナハダに近いとされるイスラム厳格派の取り締まりを強める姿勢に転換。9月中旬から暗殺の再発防止に向け、野党関係者十数人に護衛をつけた。

1-4.
 ナハダと野党側は今月5日、今後3週間かけて協議し、その後に内閣辞職することで合意。後継内閣が1カ月以内に憲法起草を終え、大統領選と議会選挙の日程も確定させるという。

3 manolo 2013-10-17 08:58:04 [PC]

1-5. 【国民の政争疲れに危機感も】
 野党の反発は、暗殺事件や過激派対策の遅れだけにとどまらない。報道関係者の逮捕など言論弾圧に危機感を持ち、女性の権利を否定する動きが強まることも警戒する。経済の低迷も政権批判に拍車をかける。国立統計局などによると、昨年の失業率は革命前の10年と比べ、約4ポイント高い16.7%だった。4月にナハダを離れ新党結成を進めるマノール・ムハンマド・ダカンダローニ氏は「ナハダは(旧ベンアリ政権下の)亡命者やかつての政治犯の集まりで、国民の日常生活が分かっていない」と批判する。

1-6.
 ただ、民間調査機関が9月中旬に発表した世論調査では、内閣総辞職に反対は29%で、賛成の23%を上回った。議会の解散にも48%が反対と答えた。連立与党の左派「エタカトル」のロブナ・ジビリ議員は「本当の危機は暗殺ではなく、議会が憲法制定という任務を2年も果たせていないことだ。国民は政争に疲れている。一刻も早く新憲法を制定するべきだ」と訴える。

1-7.
 チュニジアは、内戦となったリビアやシリア、デモ制圧で大量の死者が出たエジプトと違い、比較的穏やかな民主化のプロセスを歩む。多数派のイスラム勢力が世俗・リベラル派と協力する形で、民主化のモデルになれるか注目される。政治家アナリストのサラヘディン・ジョルシ氏は「ナハダは民主主義を知らないが、それは野党も同じ。時間をかけることで、議論が深まっているとも言える。憲法改正を急いで軍のクーデターが起きたエジプトのようにはならない」と話している。

4 manolo 2013-10-17 09:05:32 [PC]

1-8. 【何より対話が大切 制憲議会副議長に聞く】
 制憲議会副議長でナハダ幹部のメヘリジア・ラビディ氏(49)が、朝日新聞のインタビューに応じた。

- 野党は内閣総辞職がなければ新憲法に同意しない、との主張です。
新憲法は2、3の相違点を除いて出来上がり、7月の暗殺事件の前までは野党は納得していた。何より対話をすることが大事だ。
- 男女平等を否定し、言論弾圧をしているとの批判があります。
(女性の)私を見れば、ナハダが男女平等を支持しているのは明らかだ。ジャーナりストは報道によって逮捕されたのではなく、別の訴追理由がある。司法は独立している。政府が介入することはない。
- ナハダに失策はありますか。
経済や貧困対策など多くを約束し、国民に期待させすぎたかもしれない。もちろん一部は実現したが、たった2年では限界もある。
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