2 manolo 2013-10-09 20:46:57 [PC]
1-3. 企業のアカウンタビリティ 企業が行うアカウンタビリティ活動の代表例は、IR(インベスターズ・リレーション、財務広報)活動である。企業は、投資家や利害関係者に対して、企業活動の結果や成果、事業活動の状況について情報を公開し、説明しなければならないが、財務諸表など経営状況の情報開示は、商法や証券取引法などの法律によっても義務づけられている。このように法律で義務づけられているものだけでなく、状況に応じて、様々な利害関係者と対話をすることも、社会的責任という点から、重要なアカウンタビリティになる。例えば、地域住民を対象とした説明会や見学会を開催したり、環境に与える影響に関して情報提供をしたり、事件や事故が発生した場合に記者会見を積極的に行ったり、NPOやNGOと対話したりするようなことも、今日の企業に求められるアカウンタビリティなのである。(pp.212-213)
1-4. 3. 行政のアカウンタビリティ 日本でアカウンタビリティが注目されるようになったきっかけは、1990年代に欧米で流行した*ニュー・パブリック・マネジメント(New Public Management: NPM 新公共管理)であった。NPMでは、市民をユーザーや顧客として捉え、彼らのニーズを満たすような行政サービスを提供するというように考える。業績評価や行政評価などを用いて 業績指標の達成程度を測定し数値化することによって、元来見えにくい行政サービスを、市民に対して見えるようにした試みが、行政におけるアカウンタビリティであった。(p.213)
*ニュー・パブリック・マネジメント 民間企業の経営手法を、政府や行政を応用したもの。成果主義の導入や市場メカニズムの活用、顧客中心主義など。(p.213)
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