材大なれば用を為し難し

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もしその娘の父母が (コメント数:1)

1 Ryou 2013-12-01 12:23:38 [URL]

 もしその娘の父母が媒介人に対し「どうにか成りましょうから互いによく話して見ましょう」と返事をすると、媒介人はその後五、六遍娘の家に行って、いわゆる媒介人口をきいて勧めるです。そこでその娘の父母が「それでは娘を遣りましょう」とほぼ承諾しても、まず卜筮者とかあるいは高僧に判断を乞うとか、または神下しについてまずその吉凶いかんを尋ねに行くです。自分がよいと思ったから遣るというような事はほとんどチベットでは例を見ることが出来ない。卜筮者なり神下しがきっとよいといえばそれで忽ち結婚の相談が成り立つのです。
縁談は秘密 けれどもその子女の父母はその息子、娘に対してはその相談は全く秘密なんです。どうも非常な圧制のもので、これらの相談中に日本とかあるいは欧米の風俗のように幾許かの結納を納めて、そうして財産はどれだけ持って来るとか、あるいは何箇の荷物を贈るというような事は決してやらないです。あるいはまた夫の財産はどれだけで妻の財産はこれこれ、それで婚姻を取り極めるということもやらんです。その持って行く物にもどれだけという極りはないけれど、その家に相当して世間の人に誇られる位の物を持たして遣らなければ、娘の親も耻であるということは承知して居る。貰う方でも娘の母親に対して乳代を納めるのです。
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