材大なれば用を為し難し

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初めの一二ヶ月の間は (コメント数:1)

1 Ryou 2013-12-20 11:00:51 [URL]

 セエラは、初めの一二ヶ月の間は、素直に働いていれば、こき使う人達の心も、そのうちには柔ぐだろうと思っていました。自分は、お慈悲を受けているのではなく、食べるために働いているのだということも、そのうちには解ってくれるだろう、と思っていました。が、やがて彼女も、皆が心を柔げてくれるどころか、素直にすればつけあがるだけだということを、悟らなければなりませんでした。
 セエラが、もう少し大人らしくなっていたら、ミンチン女史も、セエラを大きい子達のフランス語の先生にしたでしょうが、何分セエラはまだ子供々々していますので、大きくなるまで、女中代りに使った方が得だと思ったのでした。セエラなら、むずかしい用事や、こみいった伝言なども、安心して頼むことが出来ました。お金を払いにやっても間違いはないし、ちょっとしたお掃除も、器用にやってのけるのでした。
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