材大なれば用を為し難し

返信投稿フォーム
ニックネーム:
30文字以内
URL:
* コメント: [絵文字入力]

1000文字以内
文字色:
* 印の付いた項目は必須です。

奇怪なる多夫一妻 (コメント数:1)

1 Ryou 2013-12-01 12:20:32 [URL]

 結婚の事を話す前にちょっと、地方とラサ府の結婚の遣り方の違って居ること、それからかの国の夫婦の関係および権力等について予め言って置く方が順序かと思います。一体結婚の礼式は地方によって大変に違って居るから一概に言うことは出来ない。これまである西洋人はラサ府までは来ずに、法王管轄のチベットの関所いわゆるシナ領のチベットまで来て、そうしてチベットという名目で公けにされて居る書物が沢山ある。それらの書物の中にいろいろ結婚の事が書いてありますがそれは実際その人の見て来たのもありまた聞いて書いたものもあって確かなものではあるけれども、ラサ府の中に行われてある結婚について非常にくわしく書いてあるものをこれまで見ませぬから、特にラサ府の事をいうのが必要であると思う。
 そのいろいろ違って居る点は、その地方地方についていちいち説明しなければ、到底細かい事を言い尽すことが出来ないけれども、そういう事はとても及ばない。また自分も各地方についていちいち結婚の礼式を見た訳ではない。ラサ府で二、三の礼式を見ただけであるからこれについて述ぶるのが私において最も便利である。チベットは世人によく知られて居るように多夫一妻である。それにも種類があって兄弟で貰うのとまた他人同士が相談して貰うのと、それから最初は一夫一妻であったが、その妻君の権力が強くってよその男を引っ張って参り、自分の古い聟さんの承諾を得て多夫一妻になることも沢山ある。それでその人倫の紊れて居ることはほとんどいうに忍びないほどの事もありますけれども、チベット人は恬として耻じない。
Ads by Google
(c)Copyright mottoki.com 2007- All rights reserved.