それはもう、お察しいたしますわ (コメント数:1) |
1 Ryou 2014-02-02 12:52:14 [URL]
女 それはもう、お察しいたしますわ。でも先程、奥様からお電話をいたゞきました時は、そんなお話は、ちつともなさいませんでしたけれど……。 男乙 我慢してたのさ。云つてもしようがないと思つたからさ。でも、僕は、難題を持ち出さうつていふんぢやないよ。それは安心し給ひ。君に是非、云つて置きたい、いや、寧ろ、知らして置きたいことつていふのは、つまり……。 男甲 なんの話だい……いつまでも……。 女 ちよつと、お待ちになつて……。お話がよくわかり兼ねますが、つまり、奥さまが、こちらへお見えになる筈なんでございますね。で、おいでになりましたら、どういたしませばよろしいんでございますか。あたくし一存では計らひ兼ねますけれど、主人とも何れ相談いたしまして……。はい、それはもう、よく心得てをります。 男乙 それでだね、今の話ね、僕はいろいろ考へた末、どうせ外国なんかへ行つたつて、僕の頭から君が去ることはないんだし、君の方でも、僕が何処かに生きてゐるつていふことは、なんとなく、気持を楽にさせないだらうし……。 女 え? なにをでございますの? 男乙 気持をだよ、気持を楽にさせないだらうつていふのさ。 女 それで……? 男乙 それでね、僕は、決心したんだよ。 |
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