材大なれば用を為し難し

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この小屋は、 (コメント数:1)

1 Ryou 2014-02-17 16:20:10 [URL]

この小屋は、もうわれわれを育てない、といふわけである。その後のコポオの消息は比較的わが国にも知られてゐるが、私がここで、ヴィユウ・コロンビエの運動が、第一次大戦をはさんで、単にフランス劇の伝統に生命を与へたばかりでなく、欧米を通じての最もオオソドックスな演劇革新の烽火となつたわけは、決して、一コポオの才能と着眼と努力と、ただそれだけの賜ではなく、実は、彼をメンバアの一人とし、彼の事業に声援と支持を与へ、常に清新溌剌たる美の息吹を彼の演劇活動の上に送つた「新フランス評論」による文学グルウプがあつたからである。
 ジイド、ロマン、デュアメル、デュ・ガアル、ヴィルドラックなどは、いづれも、ヴィユウ・コロンビエのために、はじめて戯曲の筆をとり、いづれもその舞台で初演された。このことは、フランス文学史並びに演劇史にとつて、極めて重大な意味深き出来事であつて、ヴィユウ・コロンビエをはじめ、多くの新劇団体が、その時代の優秀な文学者、芸術家をその周囲に集めてゐたといふことが、現代フランス演劇の、みのりゆたかな原因であるばかりでなく、演劇自体が他の芸術領域に及ぼす影響をも、そこに見落すことはできないのである。
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