材大なれば用を為し難し

返信投稿フォーム
ニックネーム:
30文字以内
URL:
* コメント: [絵文字入力]

1000文字以内
文字色:
* 印の付いた項目は必須です。

セエラの生活は (コメント数:1)

1 Ryou 2013-12-20 10:58:41 [URL]

 セエラの生活は、その日からがらりと変りました。マリエットは翌朝暇を出されました。昨日までセエラのいた部屋はすっかり片付けられ、新入生のためのあたりまえの寝室にされました。
 朝食堂へ出て見ると、ラヴィニアが、昨日までセエラの坐っていたところに坐っていました。ミンチン先生は冷かにセエラにいいました。
「セエラ、お前は、お前の用をすぐ始めるんだよ。小さい方達と、小さい方のテエブルに坐って、皆さんがお行儀よく食べるように、見てあげるんだよ。これからもっと早く出て来なきゃアいけないよ。ほら、ロッティはもうお茶をこぼしてるじゃアないか。」
 セエラの仕事は、この様にして始まりました。来る日ごとに用事はふえるばかりでした。フランス語を見てあげるのは、一番楽な仕事でしたが、そのほかお天気の悪い時でもかまわずお使いにやられたり、皆の残為した用事をいいつけられたりしました。料理番や、女中までが、ミンチン女史の真似をして、今まで永いことちやほやされていたこの娘っ子を、いい気持にこき使うのでした。
Ads by Google
(c)Copyright mottoki.com 2007- All rights reserved.