ネコのリカちゃんを探しています。

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少し休止させてください。 (コメント数:7)

1 竹内省吾 2013-08-08 06:48:59


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この掲示板を訪れてくださっている皆様。
リカの身を案じてくださっている皆様。
いつもありがとうございます。
 
ツイッターでは当日、少し経過をツイートしておりましたが、去る8月6日に、いま一匹の我が家の同居猫でありましたところのヒロアキが、亡くなりました。
享年は13歳ないし14歳と推定されます。
 
先週の土曜日(8月3日)の朝までは元気に見えたのです。ただ、元々室内から出たがらない彼が、遅い時刻に帰宅する僕を玄関先で待ち構えていて、ドアを開けるとともに外に飛び出すようにして、隣近所を少しばかり徘徊するようになりました。その行動を一種の夕涼みであると、僕は解釈していました。
食べるペースは減っているように見えましたが、それは日中が暑いので食欲がわかないのと、彼特有の問題として、1ヵ月半から2ヶ月のペースで毛玉を吐くのですが、これが七味唐辛子のビンくらいある巨大な繭玉で、その直前は一時的にほとんど食べなくなるので、その時期だと理解していたのです。現に水は飲み、またオシッコはしていたのです。
異変を感じたのは土曜日の帰宅時でした。やはり玄関で僕を迎えてくれたのですが、口臭がして口の周りに茶色というか臙脂色というか海老茶色というか、そんな濁った色の、目ヤニのような色合いの粘液質の物体を付けていて、少し元気がなかったのです。
しかしそれでも、彼は僕とともに階段を上がって動き回っていたので、一時的な現象で様子を見ようと考えていました。
日曜日も仕事で、出勤時はそれなりに元気そうに見えました。でも帰宅時には同様に口臭がして、ちょっとバテいてるように見えました。そこで水で冷やして硬絞りにしたタオルで身体を拭いて、少し冷やしてみました。涼しくて気持ちよかったのか、彼はそのまま寝入っていました。ただ、そうやって身体をタオル越しに撫でながら、少し痩せてきているように感じました。
 
月曜日の夜に帰宅したとき、彼は玄関先で荒い息を上げながらグッタリしていました。口臭はますます酷く、口元は再び粘膜がベットリと覆われ、また両の前脚の先も同様の色に染まっていました。
しかし何よりも僕を驚かせたのは、彼のあまりの変容でした。もともとは年齢を感じさせないフックラした、毛ツヤもしっかりした大柄なネコだったのに、たった一日で身体は痩せ細り、顔はこけ、目が落ち窪んで、完全に年老いたネコの風貌になってしまっていたからです。
すでに動物病院が開いている時間帯ではなく、また僕自身のスタミナにも限界があったので、彼を抱きかかえて風呂場に直行し、彼の身体を冷やしつつ、顔や前脚を水洗いして、彼の様子を見ることにしました。
意識は比較的しっかりしているようで、いろいろと目で訴えようとしたり、意思表示的なことを試みたりしていることは感じられるのですが、どうにも身体がダルいようで、その動きはスローモーでヨタヨタしたものでした。またどこから出血しているのか、ことあるごとに口の周囲が血で染まりました。
それでも自力で寝返りをうったり、また水を飲む行動を取ったため、翌日は仕事を休んで病院に連れて行くことに決めて、朝を待つことにしました。少しでも腹の足しになればと、スープ仕立てのご飯を買い与えてみたのですが、見向きもしませんでした。哺乳瓶から離れた直後からドライフードしか好まず、缶詰やスティックの類をエサと認めないコだったので、自分の食事だと判断できなかったのかも知れません。
 
6日火曜日の朝、病院に連れて行くなり異変を諒解してくださったお医者さんは、直ちに酸素を吸わせ血液検査をし、僕に問診をして、腎臓の値が良くないことを伝え、点滴をして半日入院させたい旨を伝えてきました。一も二もなく同意しました。
ややあって病院のケージに寝かされて点滴を受けているヒロアキに面会すると、痩せ細りながらも普段の、エメラルド色に光る目を僕に向けてなにか言いたげな表情の彼がいました。目にチカラがあると思って、ホッとしました。夜に迎えに来るからと伝えて病院を離れました。
 
※ 続きます。

2 竹内省吾 2013-08-08 22:11:42


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しかし、希望はついえました。
病院から自宅に帰り、夜に再び迎えに行くまでの時間に、諸々の用事をこなすべく身づくろいをしている正午前に、不意に電話が鳴りました。先ほどの病院からで、明らかに動揺をし、また嗚咽を含んだお医者さんの声で、ヒロアキの容態が急変して心肺が停止したこと、そして蘇生についての可否を問うものでした。
僕は無理な延命を避けていただくようにお願いをしました。そして再び病院を目指しました。
 
再び面会した彼はもう息をしていなくて、白い箱に入れられ、花が添えられていました。未だ体温が感じられる彼の身体は、一目で丁重に扱われていたことがわかる佇まいを発していました。
開いた目と閉じきれていない口が、逆に躍動感を湛えていて、彼が亡くなったことがなにかの冗談やドッキリのような気がしました。
気の毒なほど憔悴ししょげかえっている若いお医者さんは、点滴で落ち着いたところを見計らって超音波診断を行おうと準備していたところ、呼吸が徐々に荒くなって事切れた経緯を懇切丁寧に説明してくださいました。

きっと彼は、僕が翌日からも多忙になることを察し、知っていて、その日のうちに自分の命に区切りをつけてくれたのでしょう。お医者さんの謝罪の言葉を聴きながら、しかし僕には、ヒロアキに対する感謝と畏敬の感情だけが支配していました。
 
僕は彼がドコで産まれ、ドコからやって来たのかを知りません。当然ですが、彼の口からそれらが語られることはありませんでした。
取引先に向かうべくクルマを走らせているときに、ふとセンターライン付近を見ると、ちょっとしたカタマリが目に入ったのです。僕は最初にソレを、丸めた軍手だと思ったのです。
けれども気になって、通過しざまに視線を注ぐと「耳」があったのです。
 
子猫だ!!

後続車が居ないことを幸いにクルマを停め、走りよって摘み上げると、石鹸ほどのサイズの子猫がソコにいました。
たまたま持参していたタオルにその物体を包み、商談もソコソコに動物病院に走りました。移転前のヒロアキを看取った病院の、当時の女医さんは、物腰こそ柔らかく診察してくださり、また哺乳瓶と猫用のミルクが必要であるとレクチャーしてくださいつつも、生後間もない、たかだか体重200g程度の彼が、僕の手のもとで生きながらえられる可能性は1割を切ると、淡々と語ってくれました。
だから、彼がその生の始まりを僕に示すことがなくても、その終息についてキチンと見せてくれたことは、僕にとっては最大限の敬意の表れであると解釈したのです。
 
※ 続きます。

3 竹内省吾 2013-08-10 22:46:56


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病院には、ヒロアキの亡骸を玄関以外から退出させられないかと打診しました。平日とはいえ、待合室にはまだ沢山の、ほかのペットが順番を待っていました。我々人間のように未だに言葉を覚えることもせずに、しかし意思の疎通をはかることができる彼らの実力を以ってすれば、ヒロアキの死を瞬時に察知されてしまうでしょう。でもそれは、彼の本意に背いていることのように思えたのです。
清算を終え、裏口から病院を辞した僕は、かつてヒロアキの魂が宿っていたイレモノを載せたクルマを、一路南に向けました。目的地は市のクリーンセンターです。僕は彼の躯を、もっともシンプルに、その日のうちにアッサリと処分することに決めたのです。
冷酷で薄情な判断であるとは、自分でもそう思います。
正直に言ってリカ捜しにいろいろと費やして、所持金が払底していることは事実ですし、また本業が忙しくて彼を弔う時間的余裕がないことも要素としてはあります。でも僕の本音としては、老いさらばえたヒロアキの姿を最低限の人の目にしか触れさせたくなかったのです。
 
こうして彼は病院で亡くなり、自宅の敷居を跨ぐことなく彼岸へと旅立ちました。我が家にはネコは居ません。エサを入れた器も、トイレも、あるべき場所にそのまま置かれていますが、ソレを利用する者はこの家には居ません。
ヒロアキは産まれたてで我が家にやってきて、物心がつくまで他のネコとの接触もおよそ無かったので、彼が自分自身のことをどのように捉えているのかについては大いにナゾでした。長らく一人っ子として扱われ、競争や取り合いとは無縁の環境に身を置いていたので、エサをねだることはあっても、ソレが容器に入れられるのを見届けると、きわめて鷹揚に満足げな表情だけを浮かべるだけで、その場で食べ始めるということはありませんでした。だからリカがやってきたときはいいようにあしらわれていて、典型的な間抜けな兄と要領のいい妹の組み合わせが確立していましたが、それでもヒロアキにとってはリカは庇護すべき存在であると認識していたようで、ちょっとしたことで感心させられる出来事がしょっちゅうありました。つまりヒロアキは、ナイスガイだったのです。
 
ヒロアキを喪ったいま、並行してリカを捜すだけのバイタリティーは、どうやら僕には備わっていないようです。いまこうやってパソコンのキーボードを打っていても、日常的にそうであったように、隣の箪笥の隅に、わざわざ狭い隅に大きな身体を押し込めるように手足を揃えて座って、黙ってコチラの手元を見つめているヒロアキが居るような錯覚に襲われるのです。僕が捜し、彼が帰りを待つという、一種の役割分担ができていたから、僕はリカを捜し続けられていたような気がするのです。それほどまでに、彼の抜けた穴は大きいということです。
 
ただ、僕には未来があります。追ってお知らせできると思いますが、僕にはまだ、ネコと暮らすチャンスが残っているのです。ただそれは、まだしばらく先のことになるでしょう。
それまでの間、たった独りの王国で、考え、悩み、悔やみ、アタマを抱えることにします。
 
ちょっとだけ、休みます。
ご容赦ください。

4 レン 2013-08-13 17:05:33

はじめまして。
去年の秋頃にリカちゃんを探すチラシをポストで拝見してから気になっておりました。
私にも黒猫がいて…他人事に思えなくて。。。
辛い事が続いてるのですね。
コメントを書き込みしておきながら何も言葉が見つかりません。
涙が止まらなくて…。
いつまでも竹内さんの回復を待ってます。

5 竹内省吾 2013-08-15 22:23:03

>レン さま
 
はじめまして。ご訪問と書き込みをありがとうございます。
時間というものは公平というか残酷というか…、とにかくヒロアキが亡くなってから、主観的にはアッという間に一週間が経ってしまいました。
 
僕のことを気遣ってくださってありがとうございます。
でも、考えれば考えるほど、ヒロアキの死を相対化としてリカのことに置き換えると、僕は本当は、どのようなパラダイムでリカに執着しているのかについて、ちゃんと言葉にしないといけないような気がするのです。
 
僕とてヒロアキの死には納得して居ません。その対象が肉親であれ面識のある人物であれペットであれ、あるいは敵であれ、大多数の死は、ときに唐突で、そしてまた理不尽な側面を持っていると認識しています。でもまぁそれでも、ヒロアキについては、それでもなんとかツジツマが会うのです。
リカに関しては、やはりもう一度だけ手も逢いたい気持ちでいっぱいです。
 
もう少しだけですが、足掻いてみます。

6 レン 2013-08-18 17:11:36

ペットと言え家族ですよね…。
リカちゃんのことは私も探してます。
ご近所ですし見つかることを信じて散歩や買い物ときに注意深く猫ちゃんをチェックしてます。
暑い日が続きますが体調に気をつけてくださいね。

7 竹内省吾 2013-08-20 07:17:20

>レン さま

お心遣いありがとうございます。
ボチボチとではありますが、気持ちは治まりつつあります。
 
ちょっと前に仕事でクルマを運転しているときに、かなり前方を一匹の猫が横切りました。
そのフォルムというか、足の運び方がなんだかリカっぽいと感じて、最近その辺りをウロウロしています。
場所は、2号線のマクドナルドの西側の道を南方向へ進む、高校までのエリアです。
ただ、ほんの一瞬だけのことで、色やサイズにまで認識が及んでいないので、まったくトンチンカンな判断をしている可能性もあります。
 
なんだか混沌としております。
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どんな雑多な情報でも結構です。
極端な言い方ですが、死骸を見たでもかまいません。
どうぞよろしくお願いします。
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