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立てこもりの悲劇 (コメント数:10)

1 冴子 2020-01-12 10:24:24 [PC]

「く、っう。もれそう・・・」
あたし=重原詩子(しげはら うたこ)は、必死に、今にももれそうなおしっこを我慢していた。
「あ!。」
じわっ
あたしのパンティーに、『また』おしっこの染みが広がった。締めに締めた尿道のかすかな通り道を膀胱の圧に耐え切れず通って。


事件は、3時間前に起こった。
開店直後の大手銀行の支店。
そこに3人組の銀行強盗が押し入った!。
飛び交う銃弾、強盗の怒号、行員達の悲鳴、物の壊れる音・・・・・
自動小銃で武装していたその3人の強盗に、店内はパニックになった。
日本では、ほぼありえない自動小銃を持った強盗。
普通なら、あっさりと成功してしまっただろう。
強盗たちが窓口の現金だけで満足してさっさと逃げていれば。
ところが・・・
強盗達は欲深だった。
窓口に用意してある程度の現金では満足せず、大金庫の中にある現金までも要求したのだった!。
その時間のロスの結果、自動通報装置によって駆けつけた警官隊が銀行の周りを包囲してしまい、強盗たちは逃げるに逃げられなくなり、あたし達を人質に銀行に立てこもる事になってしまったのだった・・・

そうして、あたしは今、必死にもれそうなおしっこと戦っている。
そう、おしっこと。・・・何で、おしっこと戦わなければならないのよぉーっ!。
普通、強盗の恐怖と戦うとかじゃない!?、ドラマとかなら。
でも、現実の強盗立てこもり事件は、そういうドラマがあえて描かないみっともない現実に支配されていた。
ドラマの中の人質は、せいぜいお腹が空く程度でトイレに行かないけど、現実のあたし達はトイレに行かないともれちゃうのよっ!。
でも、犯人たちは、当然のようにあたしたち人質が各自の席を離れる事を許してはくれなかった。

2 冴子 2020-01-12 10:26:56 [PC]

すでに何人かの女子行員の足元には、おしっこの水溜りが広がっている。
犯人が、自動小銃を乱射した時に恐怖で失禁しちゃった子達だ。
いっそ、その子達がうらやましかった。
『恐怖で失禁した』なら、『仕方がない事』と思ってもらえるから。
でも、尿意に耐え切れずにもらした、何て事になったら、ただのおもらしさんじゃないのよぉっ!。
たくさんの同僚と犯人の目の前でおもらしするなんて・・・そんな恥ずかしい事!、あたしには耐えられそうになかった!。

いや・・・同僚の前だけならまだ良かった。
同じ体験をした同士、事情は分かってくれるはずだから。
でも、あたしの席は、ちょうど監視カメラのどまん前だった!。
こういう事態に備えて、店内のいたるところに隠されている監視カメラ。
今頃、警察の人達は、事態を打開すべくその映像に見入っているはずだった。
その目の前で!おもらしをするなんてっ!!!。
あたしには耐えられなかった。

そこからあたしの絶望的な想像はさらに広がって行く。
もしかしたら、解決した後で、ニュース映像として流されてしまうかも知れないっ!。
そして、その映像をいじわるな奴が動画サイトに投稿して、消しても消しても延々と・・・!。

あたしの頭の中では、そんな最悪な事態の想像がグルグルとめぐっていたのだった。

3 冴子 2020-01-12 10:29:24 [PC]

その頃。
警察署の中に設置された『○×銀行立てこもり対策本部』。
捜査官達が、銀行の中に隠された複数の監視カメラの映像を見ながら対策を議論していた。
だが、その中の1人、大陸奥路利(おおむつ みちとし)捜査官だけは、対策そっちのけで、とあるカメラの映像に見入っていた。
童顔で、ちょっと胸が大きめのある若い女性行員を映している映像。
それを見つめる路利の表情は、一見真面目そうだが、その鼻の下はかすかに伸び、口元もかすかにゆるんでいた。
(くぅー、良いなぁ、この子の表情!。こりゃもうすぐもらすぞ!。さあ、早くもらすんだ!。映像は、ばっちり保存しておいて上げるからねぇーっ。)
そう、彼は、警察官にあるまじき(?)ヨコシマな了見で映像に見入っていた!。
彼は、おもらしとかおしっこを我慢する女の子が大好きな趣味を持つ人物なのだった。

ぞくっ
「あっ・・・」
じわぁ・・・
ちらっと監視カメラを見上げたあたしは、ふと悪寒を感じてまた少しもらしてしまった。
あたしのパンティーは、何度かのおちびりで、すでにおまたの部分がぐっしょりと濡れてしまっていた。
それでもあたしは、カメラに映るようなおもらしだけはすまいと、尿意を誘う濡れたパンティーの冷たさに耐えながら、必死におしっこを我慢していた。
ああ、犯人達が隠された監視カメラに気付いて、壊してくれれば良いのに!。
そうすれば、心置きなくもらせる・・・
そんな事を考えた途端、気が緩んだのか、またじわっともらしてしまい、あたしはあわててその考えを頭から追い払った。
そう、この事件が解決すれば、心置きなくトイレに行けるのだから。
あたしは、一刻も早い事件の解決を願った。

4 冴子 2020-01-12 10:31:55 [PC]

(はぁーやぁくぅ、もらさないっかなぁー♪)
大陸奥路利はルンルン気分で、映像を見ていた。
その時、対策本部長が、重々しく立ち上がって口を開いた。
「すでにSAT(特殊急襲部隊)の配置も終わっている。あまり長引かせても人質に負担がかかるばかりだ。頃合を見て突入させよう!。」
(え?、そんな!。もうちょっとで、あの子おもらししそうなのに!。)
大陸奥路利は、思わず立ち上がって、本部長に反論した。
「本部長!。まだ犯人たちには、疲労の色が見えません。今突入すれば、冷静に反応して人質を殺害しようとするかも知れません!。
自動小銃で武装した奴らです。もう少し待った方が良いかと本官は思います。
もうすぐ昼時です。食事の差し入れを要求して来たら、その時こそがチャンスです!。」
ヨコシマな思惑を隠して、大陸奥路利はぬけぬけと言った。
「ううむ。それもそうか。たしかにそろそろ昼時だ。犯人達も腹が減ってきているかも知れんな。よし、もう少し待とう。」
こうして、詩子の願いも空しく、路利のヨコシマな思惑で、事件の解決は、延期されてしまったのだった!。

5 冴子 2020-01-12 10:34:06 [PC]

犯人たちは、あせっていた。
銀行襲撃は、スピーディーに終わるはずだった。
日本ではほとんど例がない自動小銃を使った襲撃なのだから、行員は慌てふためき、彼らの言うがままに金を渡すしかない、はずだった。
しかし、窓口には、彼らが思っていたほどの現金がなかった。
日本ではなかなか手に入らない自動小銃とその弾の入手に、彼らは多額の金を使っていた。
このままでは、この襲撃は赤字になってしまう!。
彼らに、窓口の金だけで逃亡する選択肢はなかったのだった。
そうして警察に包囲されてしまい、彼らは入り口のシャッターを閉ざして立てこもるはめになった。

「くそっ、腹が減って来たな。」
「だから、窓口の金だけで逃げれば良かったんだよ。」
「それじゃ赤字になるだろっ!、何のために銀行襲ったと思ってるんだよっ!?。」
「くっそー、大手銀行のクセにこんなシケた銀行だったとはなぁー。」
「もう、降参しようぜ。包囲されちゃってるし、オレ、射殺されるとかいやだよ!。」
「ここで、降参したら、今までの苦労は、何だったんだよっ!?。」
「ま、とりあえず、カツ丼でも差し入れさせようぜ?。」
「「あ、それもそうだな。」」
リーダーは、携帯で110番すると怒鳴った。
「オイ、○×銀行の強盗サマだ!。カツ丼を持ってきやがれ!。」
しょっちゅう警察に捕まっていた彼らにとって、『警察が食わせてくれる物』と言ったら、カツ丼だった(笑)。

6 冴子 2020-01-12 10:36:33 [PC]

「よし!、チャンスだな。」
本部長が言って、『良くやった』とでも言うように、路利を見る。
だが、路利は、思ったよりも早い犯人の要求に、ちょっとあせっていた。
例の女子行員は、まだおもらしをしていない。もうちょっとだと思うのだが。
何とか理由をつけて引き伸ばすか?、そんな事を考える路利だった。

そんな路利の思惑も知らず、テキパキと突入の準備が整って行く。
作戦はこうだ。
民間人を危険に放り込むわけにも行かないから、出前に扮した隊員がカツ丼を持って中に入る。
犯人達も当然警戒しているだろうから、この隊員には武器などは持たせない。
カツ丼自体も普通のカツ丼だ。それで良い。
突入のタイミングは差し入れた直後ではないのだから。
犯人達がカツ丼を完食し、ほっと一息ついた時こそが突入の好機だ。
中の様子は、監視カメラでこちらに筒抜けなので、そのタイミングは簡単に分かる。
これまで観察した限りでは、犯人達は退役軍人や傭兵やゲリラといった軍事の経験者ではないようだ。
自動小銃の扱いは一応ちゃんとしているように見えたが、訓練された兵士の動きには程遠かった。
せいぜいがサバゲーでエアガンを振り回し、グアムあたりの射撃場で実弾を撃った事がある程度だろう。
そんな奴らが無事カツ丼を食い、緊張から解き放たれて、ほっと気を抜いた一瞬。
そこを襲撃されれば、とっさには反応出来ないはずだった。

7 冴子 2020-01-12 10:39:10 [PC]

「カツ丼、持ってきましたぁー。」
通用口のドアがノックされ、そんな声がした。
リーダーは、一人の男子行員に命じて通用口のドアを開けさせる。
ドキューン!
「カツ丼を置いて、さっさと失せやがれ!。」
ドアに向かって1発撃って、リーダーはそう叫び、ドアを開けた男子行員にカツ丼を持って来させる。
岡持ちを開けると、出来立てのカツ丼の良い匂いが漂った。
思わずお腹がグーと鳴り、下っ端が手を伸ばしかけるのを、参謀役が止める。
「おい、ちょっと待て!。薬とか毒が入っているかもしれないだろっ!。その辺の行員にちょっと毒見させて見ろっ!。」
あわてて手を引っ込める下っ端。
参謀役が、カツ丼を一つ取り、こわばった顔をしている1人の女子行員の所に持って行って言った。
「オイ!、お前、ちょっと食ってみろ!。」

犯人の一人があたしの方に来て、恐い顔で言った。
「オイ!、お前、ちょっと食ってみろ!。」
突然の出来事。
ただでさえ限界に近かったあたしにとって、恐怖にすくむ、それだけで十分だった。
「ひっ、あ、や、あ、ぃやぁーーーーっ」
じょわわわぁーーーーー
あたしは、必死に我慢していたおしっこをとうとうもらしてしまった。
冷たくなっていたパンティーが一瞬にして暖かくなり、大量のおしっこで、ブワッと持ち上がる。
そして、足の付け根から勢い良くあふれたおしっこは、ばしゃばしゃとあたしのイスから零れ落ち、床に大きなおしっこの水たまりを作って行った。
あたしは、泣き崩れ、カツ丼を食べるどころではなかった。

8 冴子 2020-01-12 10:41:40 [PC]

「やった!、ついにもらした!。犯人グッジョブっ!。」
監視カメラの映像を見ていた路利は、思わず声を上げかけ、本部長と同僚の女性警察官に冷めたーい目で見られた。
「路利さん、やっぱり変態だったんですね。」
「不謹慎だぞ、路利君。」
しかし、こっそりと映像のバックアップをする事は忘れない路利であった。


「うっわ、きったねぇー!。この女、もらしやがった!。」
カツ丼を持った参謀役は、そう言ってあわてて飛びのく。
「お前があんまり恐い顔をしてるから、びびったんだろ。」
リーダーが笑いを含んだ声で言う。
「ったく・・・、たまらねえな。」
参謀役は、そう言って女子行員から離れ、別の行員の所へ行って、カツ丼を食べさせた。
しばらく観察していたが、特に変化はなく、毒や薬は入っていないようだった。
「よし、大丈夫みたいだ。食おうぜ。」
参謀役がそう言い、空腹の犯人たちは、むさぼるようにカツ丼を食べたのだった。

「ふう、食った食った。警察もたいした事ねえな。カツ丼に薬を仕込む事も思いつかないんだものな。」
満腹になってご機嫌の下っ端が言う。
「まあ、日本の警察なんてこんなもんなんだろ。何せオレ達は、自動小銃まで用意して来たんだからな。ビビッて、手も足も出ねえんだろ。」
リーダーが満足そうに言う。
「そんなモンなのかな・・・」
拍子抜けした参謀役がつぶやくように言った。

9 冴子 2020-01-12 10:43:20 [PC]

その時だった!。
ズン!!!
腹に響く音とともに、通用口のドアが吹っ飛び、次の瞬間さらに大きな音がして、視界が真っ白に染まった!。
犯人達は何が起こったのか分からなかった。
気がついた時には、何人もの重武装の警官の下敷きになって取り押さえられていた・・・。

轟音とともになだれ込んで来た警官?によって、あっという間に犯人たちは取り押さえられていった。
そうして、あたしは警官に両脇を抱えられながら救出された。
取材に来ていたたくさんのテレビカメラの前を、おもらしで濡れた服を晒し、ポタポタとおしっこのしずくをたらしながら・・・・・。

10 冴子 2020-01-12 10:47:27 [PC]

全国中継でおもらしした姿を晒されたあたしは、それからしばらく家に閉じ篭って、泣き続けた。
唯一の救いは、事件が労働災害に認定されて、その間の賃金や心の治療費がすべて勤めていた銀行に払ってもらえる事だった。

そうして、数ヶ月が過ぎ。
あたしは、やっと職場に復帰した。
でも・・・
「あっ、はぁ、ふう。」
突然の尿意と、おまたに感じる暖かさ。
「また、もらしちゃった。」
ため息とともに、そっとあたしはそうつぶやく。そして、そうつぶやくたびに胸に湧き起こる暖かくてくすぐったい気持ち。

あの事件以来、あたしはおしっこが我慢出来なくなってしまった。
そもそも、尿意を感じた途端にもらしてしまう。

おもらし姿を全国中継されたショックで、あたしはあの後、人前に出られなくなってしまった。
また人前でおもらししてしまうのではないか?、そんな恐怖で。
お医者さんは、あたしにおむつをはく事を薦め、あたしははいたのだけど・・・
うっかり、おむつをあふれさせてしまい、その恥ずかしさで元の木阿弥。

結局、あたしは入院して、人工的な赤ちゃん返りによるPTSDとおもらしの治療を受ける事になった。
『赤ちゃんなんだから、おもらししても恥ずかしくない。』そう思い込む治療。
その治療のおかげで、再び人前に出る事は出来るようになったんだけど。

おもらし自体は直らなかった。というより、よりひどくなってしまった。
お医者さんが言うには、あたしは、おもらししてもあふれない『赤ちゃんおむつ』を当てていないと不安で人前に出れず、自分が赤ちゃんだと思う理由がないと恥ずかしくて『赤ちゃんおむつ』を当てていられず、そのためには赤ちゃんのようにすぐにもらしてしまうことが必要だから、というややこしい理由でおしっこが我慢出来なくなったしまったそうだった。

あたしは、制服のスカートの上から、そっと自分のおまたを押さえる。
今おもらししたおしっこで暖かい、分厚いおむつの感触。
あたしは、これからずっと、このおむつを当てて生きて行くのだろう。
このちょっぴり恥ずかしくて、でもほっとする『赤ちゃんおむつ』を当てて。


ちゃんちゃん!
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