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夢の一週間① (コメント数:9)

1 カンパニー 2018-07-15 18:50:23 [PC]

新シリーズ始めます。一応10話未満の短めのシリーズにするつもりです。

登場人物

高柳優実(16)
小さい子のおねしょやお漏らしが大好きな高校生。自身は小さい頃も含めておしっこの失敗がほとんどなく、あこがれのようにも感じている。

メイリン・ファウ(?)
ミラリオと呼ばれる、体長15㎝程の妖精。優実の夢をかなえるため、アフォードという世界から人間界にやってきた。

2 カンパニー 2018-07-15 18:50:58 [PC]

「はぁ~。」

ため息をつきながらベッドに倒れ込んだ1人の女子高生。名前は高柳優実ちゃん、16歳の高校2年生です。
一見、どこにでもいる普通の女子高生。なのですが、優実ちゃんには誰にも言えない秘密があるのです。それは…。

「してみたーい!おねしょとかおもらしとかしてみたーい!」

そう、彼女はおねしょやおもらしが好きな、いわゆる業界人なのです。
初めは、おねしょやおもらし小説を読んだり絵を見たりするだけでしたが、いつしか自分でもしてみたいという感情が芽生えました。
しかし、優実ちゃんのおねしょは3歳でなくなり、おもらしも保育園の年中を最後にしていません。もちろん今実際にすることはできないので、優実ちゃんのおねしょやおもらしの記憶は無いに等しく、余計におねしょやおもらしに気持ちを惹かれているのです。

(小学生に戻れたらなぁ。まぁ無理だけど。)

「はぁ~。」

もう一つため息をついて、枕元のスタンドを消してベッドに入った優実ちゃんなのでした。

ところがその夜、大変なことが起こるのです。

3 カンパニー 2018-07-15 18:52:48 [PC]

「…きて。ねぇ起きてよ。」
「えっ?」

目を覚ました優実ちゃん。どこからともなく、聞いたことのない声がします。

「ママ?」
「違うわ!私はあなたのママじゃない!」
「えっ!」

やはり、聞いたことの無い声。しかししっかりと聞こえます。
優実ちゃんはスタンドの明かりをつけました。

「えっ、え~!!!」

スタンドを点けると、そこには体長15cmくらいの人の姿が。しかも背中には羽が生えています。その姿まるで、ファンタジーに出てくる妖精のようです。

「大きな声出さないで。」
「えっ、えっ、なに、なに?」
「やっと気づいてくれた。」
「えっ、えっ??」
「私の名前はメイリン・ファウ。あなたの願いを叶えに、アフォードという世界からやってきたの。」
「私の願い?」
「そう。あなた、小学生に戻りたいって願ったでしょ?」
「うん。」
「それを叶えにきたの。」
「えっ?夢?なに?」
「夢じゃないわ、現実よ。それにこれはね、私に与えられた試練でもあるの。」
「試練?」
「そう。誰かの願いを7日間で叶える、それが試練。この試練を乗り越えれば、一人前のミラリオとして認めてもらえるの。」
「そう、なんだ。」
「そう。で、これからあなたの願いを叶えるから。あなたの心の奥底に眠る、本当の願いが叶うの。それで7日経って、あなたの願いが叶って心が満たされていたら、晴れて私は試練を乗り越えたってことになるの。わかった?」
「う、うん。」
「それじゃ、もう魔法はかけたから。また7日後に会いましょ。」
「いつのまに?何も変わってないよ。」
「いいから今は寝て。おやすみなさい。えい!」

メイリンにかけられた催眠の魔法で、優実ちゃんはあっという間に眠ってしまいました。

4 カンパニー 2018-07-15 18:53:22 [PC]

そして翌朝。

「優実ちゃん、朝ですよー。」
「ふわぁぁぁ…。」

目を覚ました優実ちゃん。しかし、何か違和感を感じます。

「パパ?えっ、なんかちがう。」

そうです。まずパパが優実ちゃんを起こしにくることなんてありません。そして、目の前にいるパパはやけに若々しく見えます。

「違う?何も違わないよ。優実ちゃん寝ぼけてる?ほらちゃんと起きて、1年生のお姉さん。」
「1ねんせいの、おねえさん?」

そう呟いてから周りを見渡す優実ちゃん、そこは確かに自分の部屋です。自分の部屋なのですが、小学校へ入学したころの部屋になっています。
部屋のレイアウト、朝起こしに来てくれる若々しいパパ、そしてパパの言っていることを総合すると…。

「もしかして、本当に小学生になっちゃったの!?」

5 カンパニー 2018-07-15 18:54:37 [PC]

「優実ちゃん、本当に寝ぼけてる?もう入学して1ヶ月は経つのに。」
「あっ、うん。そうだよね。えっと、今日って何日だっけ? 」
「5月10日だよ。」

(入学してちょうど1ヶ月くらいかぁ。)

今の状況を必死で理解しようとする優実ちゃんでしたが、パパが優実ちゃんをさらにびっくりさせる言葉を発しました。

「優実ちゃん、おしっこは?」
「えっ、おしっこ?したくないよ。」
「そっか。じゃあきっとおねしょしちゃってるね。オムツ脱ごう。」
「おねしょ?オムツ?」
「うん。もしかして今日はおねしょしてない?」

優実ちゃんは下半身に意識を集中させました。少しジトッとした感触がします。

(わたし、オムツしてるの?)

慌ててベッドの上に立ち上がり、ズボンを下ろすと、確かにパンツ型の紙オムツが優実ちゃんの下半身を包んでいました。

「今日もたっぷりですねぇ。まぁ、オムツから 漏れなかっただけよしとしよう。」

優実ちゃんのお股をポンポンと叩いてパパが言いました。

「おしり拭くからおむつ脱いで。それとも脱がしてあげようか?」
「い、いいよ!じぶんでやる!」

おむつを下ろすと中は黄色く染まっていて、思っていた以上にぐっしょり重たくなっていました。

「よーし。痛かったら言ってね。」
「うん。」

パパは言葉とは裏腹に、優しく優実ちゃんのお股とおしりを拭いてくれました。

「これでよしと。それじゃ、着替えたら朝ごはんだからね。」
「うん。ありがとうパパ。」

パパは優実ちゃんの部屋を出て行きました。

6 カンパニー 2018-07-15 18:55:06 [PC]

「うふふ♪」

突然笑い声がしました。しかしこの声を優実ちゃんは知っています。

「メイリン・ ファウ?いるの?」
「ばぁ!」

メイリンが優実ちゃんの目の前に現れました。

「ばぁ!じゃないよ。どうなってるの?」
「あなたの願いを叶えたのよ。」
「じゃあほんとうに、しょうがくせいになっちゃったの?」
「だからそうだって。」
「…ねぇ、いくつかしつもんしていい?」
「真面目な話?」
「もちろん!」
「いいけど、その格好じゃ真面目な話なんてできないわよ。」

優実ちゃんの姿は、上はパジャマで下はパパにおしりを拭いてもらったまま何も穿いていません。さすがにこれでは話はできません。急いで用意してあった服に着替えました。

7 カンパニー 2018-07-15 18:55:56 [PC]

「こんどこそ、いい?」
「どうぞ。」
「わたしは、どこまでしょうがくせいになっちゃったの?」
「知識や記憶は変わらないけど、他の部分は小学生ね、体力とか。だから、夜更かしなんてきっとできないわよ。病気にもなりやすくなってるから、無理はしないことね。」
「ふんふん。じゃあこのせかいは、かこそのまんまなの?」
「うーん、難しい質問ね。基本的にはそのまんまだけど、それはあなたが過去と全て同じ選択をしたらの話。でもそんなのはきっと無理だから、全く同じにはならないわ。」
「なるほどぉ。じゃあさいごにもう1つ。」
「なにかしら?」
「わたし、1ねんせいのころはもうおねしょなんてしてないはずなんだけど。」
「それはあなたの願いが叶った結果ね。おめでとう。」
「おめでとうって…まぁうれしいけど。」
「とにかく、今はこの世界を楽しんで。あなたの願いがちゃんと叶わないと私は一人前のミラリオとして認めてもらえないんだから。それじゃあね、また顔出すわ。」
「あっ、うん。」

そう言ってメイリンは、姿を消しました。

8 カンパニー 2018-07-15 18:56:50 [PC]

それから優実ちゃんは、顔を洗ってリビングに行きました。

「おはよう優実ちゃん。」
「ママ。おはよう。」

(ママも若いなぁ。)

「パパから聞いたよ。今朝はボケボケさんなんだって?」
「そ、そんなことないよ。いつもどおりだよ。」
「いつも通りボケボケさん?」
「ちがうってばぁ。ママ、わたしおなかすいた。あさごはんたべよう。」
「そうね。」

(っていうか、私すっごい馴染んでない?)

自分の順応性の高さにびっくりしている優実ちゃんなのでした。

9 カンパニー 2018-07-15 18:57:24 [PC]

朝ごはんを食べて歯を磨いたらママに呼ばれました。

「優実ちゃん、今日は髪の毛どうする?」
「かみのけ?」

(そっか。ママが毎朝やってくれてたんだっけ。)

「うーん、なんでもいいよ。」
「あら珍しい。いつもはあーしろこーしろうるさいのに。」
「えっと、そうだっけ?でもきょうは、ママにおまかせしたいきぶんなの。」
「OK任せて!」

そう言ってママは、霧吹きとブラシを駆使して、あっという間に優実ちゃんのヘアスタイルを完成させました。

「はいできた!」
「わぁ、ツインテールだぁ。」
「ツインテール?」
「あっと!えっと…。」

(そっか、この頃はまだ、ツインテールって言葉はあんまり馴染んでないんだ。)

「2つむすび!わたし、2つむすびだいすき!」
「ママもよ。優実ちゃんには2つ結びが一番似合う!うん、かわいい!」
「ありがとうママ!」
「いいえ。それじゃあ学校に行く準備をしちゃいましょう。ママはとっくにお仕事に行く準備できてるわよ。」
「うん!」

ハンカチとティッシュを持って、ランドセルを背負って、黄色い帽子を被れば、立派な1年生の出来上がりです。

(懐かしいな~。でもランドセルって重いなぁ。)

そんなことを思いながら玄関に行くと、ママが靴を履いて待っていました。

「お靴履いて。」
「うん。」
「今日の学童は延長だよ。7時には迎えに行くからね。たぶんパパになるかな。」
「はーい!いってきまーす!」
「いってらっしゃい。ママもいってきます。」
「いってらっしゃーい。」

昔のようにママとハイタッチをして、優実ちゃんは家を出ました。

(こうなったら、メイリンの言うように、おもいっきり楽しんでやるんだから!)

高すぎるほどの順応性を見せる優実ちゃん。小学生としての7日間、どんなことが起こるのでしょう。
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