疫病-ステージ1 (コメント数:5) |
1 冴子 2024-07-07 16:33:10 [PC]
「えっ!?」 授業中、突然感じたおまたの暖かい感触に、笑美花(えみか)は小さな声を上げ、自分のおまたを見た。 暖かい感触はお尻や足へと広がって行き、やがて制服のスカートに濡れたシミが現れ、笑美花の鼻に、おしっこの匂いが漂って来た。 「あたし、もらしちゃったの?・・・。」 小さくつぶやく笑美花。 そのつぶやきを聞きつけたのか、おしっこの匂いを嗅ぎつけたのか、笑美花の周囲に小さなざわめきが広がって行く。 「おもらし病・・・!」 笑美花の耳に届いた小さなつぶやき、その言葉に笑美花はニュースを騒がせている病気を思い出し、はっとする。 通称「おもらし病」 かかると、おもらしが直らなくなる恐ろしい伝染病!。 伝染を防ぐために隔離され、一生おむつを当てて過ごさなければならなくなる・・・と言われていた。 「うそっ!」 笑美花の口から思わずもれる小さな叫び。 それに刺激されて、笑美花の周囲のざわめきはどんどん大きくなり、机を動かす音がして、笑美花の周囲に大きな丸い空間が出来た。 駆け寄ってくる先生、パニックのように高まって行くざわめき、遠くから聞こえて来るサイレンの音・・・ そんな中で、笑美花は茫然として座っている事しか出来なかった。 やがて防護衣に全身を包んだ救急隊員が教室に入って来た。 それを見て、笑美花は我に返り、近づいてくる救急隊員から逃れようともがくが、あっという間に取り押さえられて、寝袋のような袋に首から下を入れられて、担架に乗せられて、連れ出されたのだった。 |
2 冴子 2024-07-07 16:34:47 [PC]
最初は袋の中から逃れようともがいていたものの、(イケメン)救急隊員のやさしい声の説得に落ち着きを取り戻す笑美花。 とはいえ、病院に着くと不安から、またもがき始めたのだった。 そんな笑美花を見て、救急医が、看護婦に目配せをする。 いつもの事なのだろう、慣れた様子で看護婦が、スタンプのような物を笑美花の首に押し当てる。 ぷしゅんと小さな音がして、笑美花はすぐに意識がぼうっとなって来て、やがて眠り込んでしまったのだった。 それを確認して、待ち構えていた病院のスタッフたちが、笑美花を処置室で袋から出し、着ていた服を全部ハサミで切って脱がし、まず全身を洗う。 それから笑美花の尿道にカテーテル(細い管)を差し込んで固定し、エコーを取ったり、電極を刺して電気を流して反応を見たり、笑美花の尿道に針を刺して組織を採取したりと言ったたくさんの検査を行ったのだった。 笑美花が、意識を取り戻した時、笑美花はベッドに拘束されていた。 両手は体の横。両足は大きく開かされていて、おまたには大きなものが挟まっている感触。 (これって、・・・) 『おむつ』という単語がすぐに浮かんで来て、笑美花は顔を赤らめる。 (やっぱり、おむつ当てられちゃうんだ。そしてもう一生ここから出られないの?) そんな事を思って、悲しくなって、涙がぽろぽろとこぼれて来る。 そして、笑美花が鼻をすすりあげた時、ドアが開いて、医者と看護婦が入って来た。 |
3 冴子 2024-07-07 16:36:20 [PC]
泣いている笑美花を見て、医者がやさしく、でも、きっぱりと言う。 「その様子だと、もう察していると思うけど、あなたは『感染性失禁症』にかかっていました。なので、防疫のために、ここに隔離されて治療を受ける事になりました。」 笑美花が、涙声で聞く。 「あたし、もうここから出られないの?、一生こうやって縛られて、おむつ当てられて、過ごさないといけないのっ!?。」 医者がなだめるように言う。 「大丈夫!。あなたの場合は『ステージ1』だったので、体から菌が消えたらここを出られます。 治療のため、体を動かされると困るので、菌が体から消えるまでは、ちょっと我慢してもらわないといけないけれど。 おむつについても、リハビリを頑張れば、・・・あなたはまだ若いし、おむつなしで過ごすことも出来るようになる可能性は・・・高いです。」 医者は、ちょっと言い淀みながらも、笑美花にそう告げたのだった。 「治るんだ・・・?」 「治りますよ!。だから、菌が体から消えるまでは、おとなしく我慢して、そのあと、リハビリを頑張りましょうね!。」 「はい!」 笑美花は、ほっとして明るく返事をしたのだった。 それから、治療や現在の状態の詳しい説明があった。 おもらし菌は、今、笑美花の膀胱から尿道の間に感染していて、尿道括約筋などの神経を侵しているらしい。 これからしばらくの間、膀胱と尿道に薬を流して、その菌を殺す、との事。 その間、おしっこの大部分は、尿道から膀胱に入れたカテーテルを通じて外に出すとの事。 ただ、笑美花の尿道括約筋(おしっこを我慢する筋肉)は、今、緩みっぱなしになっているので、尿道からもタラタラと漏れてしまうので、おむつが必要という事。 また、これ以上他の部分に菌が感染しないように、点滴で抗菌薬などを体に入れて行く、という事だった。 |
4 冴子 2024-07-07 16:37:47 [PC]
治療の日々が始まった。 腰は固定されたままだけど、手は自由、足もちょうどおむつで閉じられないあたりまでは動かせるように、緩くしてもらえた。 常に膀胱に薬を入れ続けている、という事もあり、おしっこ+薬の液でおむつへもれ続け、2時間ごとにおむつ交換をされる。 膀胱に薬液を入れるチュ-ブの関係で、腰の位置を大きく動かせないので、赤ちゃんスタイルで交換される。 おまたの毛は、衛生的にするためという事で脱毛されていて・・・ すっごく恥ずかしい!。 そうして1か月が経って、やっと菌が身体から出なくなり、笑美花は拘束を外され、隔離病棟のベッドから解放されたのだった!。 それから、寝たきりで衰えてしまった全身の筋肉のリハビリが続いて。 笑美花が退院出来たのは、入院させられてから2か月後の事だった。 |
5 冴子 2024-07-07 16:38:30 [PC]
「はぁー、長かった・・・。」 笑美花は、病院の玄関で振り返ってそうつぶやく。 隣にはママ。 あたしが今着ているのは、お値段の安い、洗濯が容易なワンピース。 そして、おまたには大きな赤ちゃんおむつ。 退院手続きを待っている間にもらしたおしっこで、もうだいぶ濡れてしまっている。 そう、おもらしを治すリハビリは、これからだった!。 元の学校に通いながら、赤ちゃんおむつを当てられて。 笑美花は今、おしっこがしたいと気づいたら、そのままもらしてしまっている。 これを、ほんの少しでも我慢する練習から。 なので、全部もらしてしまう前提なので、赤ちゃんおむつ。 また、万が一、菌が残っていた場合に備えてという意味もある。 なので、おむつを自分では外せないように、おむつの上にレオタードのような鍵付きの服を着せられている。 そして、おむつ替えは学校の専用の部屋で専門の職員にされる。 ちなみに、感染経路が、笑美花の通う学校だったようで、笑美花の他に、10人ほどお仲間がいるらしかった。 ふと、入院した時のお医者さんの言い淀んだ口調を思い出す。 そう、「おもらしが直る可能性はある。」でも、それは、何年もかかる気の長ーいリハビリを頑張って、成功すれば、だった。 笑美花のおしっこの出口の筋肉は、今はまったく力が入らない。 リハビリを続ければ、少しづつ力が入るようになって来る、とは聞いたけれど。 お仲間も10人もいるんだし、いっそ、このまま一生おむつもアリかなぁ、などとつい考えてしまう。 リハビリの間ずっとおむつを当てられているのだし。 入院中の毎日のおむつ替えで、おむつの恥ずかしさが、少し薄らいだ笑美花なのだった。 ちゃんちゃん! |
(c)Copyright mottoki.com 2007- All rights reserved.
|