材大なれば用を為し難し

返信投稿フォーム
ニックネーム:
30文字以内
URL:
* コメント: [絵文字入力]

1000文字以内
文字色:
* 印の付いた項目は必須です。

さて、昔どほりの処番地なので (コメント数:1)

1 Ryou 2014-03-27 09:50:51 [URL]

 さて、昔どほりの処番地なので、探す手間はいりません。ところが麹町一帯は、方角もわからないほど変り果てたバラツク街です。このへんと思ふあたりをたづねて、やつと土蔵を改築したらしい、「加部」と標札の出てゐる家をみつけました。
 窓の小さい、冷え冷えとした室の奥に、蝋燭の光がゆれてゐます。
「どなたですか」
 いきなり、薄暗い隅の方から影がして、一人の男が起つて来ました。それが加部錬之介でした。
 霊前での二人の対話は、あらまし次のやうなものでした。
「福代はあなたを唯一人の女友達だと云つてゐました。……いくら会はなくつても心が通じてゐればいゝとも言つてゐました」
Ads by Google
(c)Copyright mottoki.com 2007- All rights reserved.