材大なれば用を為し難し

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久保田さんは (コメント数:1)

1 Ryou 2014-05-06 18:52:57 [URL]

 久保田さんは、作家としては、ある特殊な好みを強く出す作家であるが、批評家乃至演出家としては、それが芝居といふものに対する厳しく、確かな勘になつてこそをれ、決して狭い見解や趣味に閉じこもつてはゐないのである。久保田さんの劇芸術の根柢には、東西演劇の本質と伝統とが、誰よりも消化吸収されてゐるやうに思はれる。
 私の「速水女塾」は、幸ひ、久保田さんの演出といふことになつたが、実をいふと、私は、最善の結果が得られるだらうといふ安心が一方にあると同時に、相当痛いところを突かれ、場合によつて、荒療治を受けるだらうといふ覚悟をしている。「こいつはどうにもならん代物だ」と言はれたら、私はまた、勇気を出して、次の作を見てもらふつもりである。
 装置は長いおなじみの伊藤熹朔さんである。いつでも文句を言ひやうのない装置をしてくれる人、こんなに芝居に於ける装置の役割をちやんと心得、こんなにつゝましく輝いている存在はほかに例がない。
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