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1 Web Voice: 日本のリベラルは、自分の国を守ることさえ拒否するのか 2018年04月05日 2018-04-09 22:01:37  [編集/削除]

■ リベラルの毒に侵された日本人

 アメリカでも「リベラル」勢力は、様々な問題を引き起こしています。 おかげであの「自由の国アメリカ」が、「全体主義的」ともいえるような、とても住みづらい社会になってしまっているのです。 私が本書『リベラルの毒に侵された日米の憂鬱』(PHP新書)を書いた理由の 一つは、日本には絶対そんな社会になってほしくないからです。

しかし、そんなアメリカの「リベラル」でも、日本よりはるかに「マシ」な、見習ってほしい部分があります。 それは彼らも、国を愛し、国を守る意識を持っていることです。

愛国心や国防に対する意識は、同じ「リベラル派」と称される人たちのあいだでも、日米では根本的に違います。 アメリカでは、保守もリベラルも、どちらも愛国心をきっちりと持っているのです。 アメリカ国民の大半は支持政党とは関係なく、もし自国の領土領域が侵されるようなことがあれば、必ず武器を取って立ち上がるでしょう。 なぜなら「正義の戦争はありうる」と、ほとんどのアメリカ国民が考えているからです。

したがって、身を挺して国防を担っている軍隊を侮辱するような発言をすれば、民主党、共和党を問わず、国民からの信頼を失いかねません。 また、アメリカの親たちも、子供たちに対する学校での愛国心教育に反対することなどありません。

しかし日本の「リベラル」は、その大半が愛国心というものに嫌悪感を抱き、安全保障問題の解決策とは、すなわち交戦権を否定した憲法九条を守ることだと考えています。 彼らは、日本という国そのもののあり方を否定さえしています。 学校で愛国心教育をやるなどけしからんと、警戒心で身構える人も少なくありません。

税金から給料をもらう公務員でありながら、国旗である日の丸と、国歌である君が代を否定して、自分勝手な思想を子供に教えて恥じない公立学校の教職員もたくさん存在します。

想像すらできませんが、仮にアメリカにそんな教師がいたら、保守からもリベラルからも「星条旗に忠誠を誓わない人間に教師の資格はない。 どうしても教師をやりたければアメリカから出て行け!」といわれることは確実です。

これは当たり前といえば当たり前の話です。 日本の場合は、日米安全保障条約の体制下、「アメリカが守ってくれる」という安心感を心の片隅で抱きつつ、教師だろうがメディアだろうが、好きなことをいっていられたわけです。 しかし、アメリカの場合、「アメリカを守ってくれる存在」などありません。 普通の国と同じように、自分のことは自分の力で、つまりは国民の気持ちと力を 一つに結集させて、祖国を守らなくてはならないのです。

たとえば、私が小学校に入学したのは 1957年でしたが、「防災訓練」が頻繁にありました。 防災といっても、日本のように地震や津波を想定したものではなく、ソ連による核攻撃に備えてのものです。

授業中にいきなり「ピーピーピー」という警報音がなると、生徒は急いで自宅に帰らなければいけない決まりでした。 核攻撃でライフラインが途絶した場合に備えて、街の至るところに備蓄倉庫が設けられていた時代でした。

さらに毎年のように、広島への原爆投下を題材にした映画を見せられたことを覚えています。 まだ小学生だった私にとって、共産主義とはすなわちソ連という敵国による核攻撃の脅威であり、いわば恐怖の対象として脳裏に刻まれました。 今でも放射能を示すハザードシンボルを見ると、当時の怖い気持ちを思い出してドキッとします。

32 3 2020-05-08 01:26:13  [編集/削除]

そもそも今、コロナ対応病床は、日本中にある全ての病床の内のわずか 0.7%です。 そして、残りの 99.3%の病床は今、概して、「ガラガラ」の状況にあります。 コロナ感染症に怯え、Stay Home を続ける 一般の患者達が皆、通院を回避しているからです。
 https://twitter.com/SF_SatoshiFujii/status/1257102096836386816

ということは今、全国に、ベッドは余りまくっているのです。

こういう状況を政府は知らない筈がありません。 だから、普通に考えれば、国民に 8割の接触回避を依頼する前に、「今、大量に余っている病床をコロナ対応病床に転換させる」という取り組みをすれば良い筈なのです。

実際、ドイツは、ICU(集中治療室)1床増設に対し「5万ユーロ(600万円程度)」の助成金を支払うという制度を作ったところ、ICU は「1.4倍」に増えたそうです。
 https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/756632/

医療従事者にしても、今、コロナ対応以外の病院では、大量に「余っている」状況にあります。

したがって、十分な手当を提示しつつ、全国の医療関係者にコロナ対応病院に来る事を提案すれば、大量に人材を調達することが可能と考えられます。

これは、現場の医療従事者に複数直接確認し、「間違い無い」という確約を頂いている話です。 例えば、開業医の多くは、大量の負債を抱えているにも関わらず、コロナ不況のために患者が激減し、経営が大変に厳しくなっているそうです。 そうした方々に「十分な手当」を提示すれば、彼らの貴重な医療技術を提供いただく可能性は 十分考えられるでしょう。

人工呼吸器や、医療ガウン、ゴーグルなども不足していると言われますが、これについても例えば、アメリカのように「国家命令」として、全額国費負担を前提として民間に生産する事を命ずれば、早期に確保することも決して不可能ではないでしょう。
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200403/k10012366091000.html

しかし、残念ながら安倍内閣はこうした取り組みを「何一つ」と言って良いほどの水準で進めていないのが実情です。 その結果、病床はさして増えず、コロナ対応の医療従事者もさして増強されず、必要な医療物資もさして増えてはいないのです。

それもこれも偏に「緊縮財政」のせいです。

アメリカやドイツは、このコロナ対応についてはカネに糸目をつけずに徹底的に政府資金を充当するという態度を取っていますが、日本では、3月一杯までは「予算は予備費しかありません」と言い募っていましたし、4月以降も「補正が決まるまではコロナ関係費が計上されていない当初予算しかありません、だからやはり予備費しか使えません」という事になっていたのです!!(ご存じでしたか・・・?)

じゃぁ、上に述べたような米独のような「コロナ対応の予算」はいつから支給できるのかと言えば・・・ 4月下旬に決定された補正予算が執行可能な、5月8日からなのです!!

何という遅さでしょう・・・

つまり日本政府・安倍内閣は、財務省が決めた日程と財布に唯々諾々と従い、そのせいで、医療供給力が全く上げられず、その必然的帰結として医療崩壊の危機が迫ってきているのです。

そしてその結果、政府はあろうことか「医療崩壊しそうだ〜!」と言って騒ぎ立て、それを防ぐ為に 4月7日の時点で早々と国民に 8割の行動自粛を要請したのです。 でも、その間、自分自身は財務省と戦おうとはせずに、医療供給力を上げる努力を怠り続け、医療崩壊リスク低減の努力を全て国民に押しつけ続けたのです。

なんという不道徳・・・ この構図を認識した良識ある国民で、憤りを感じない国民はいないのではないかと僕は思います。

ただし、この構図に気付かず、財務省に牛耳られた政府のでまかせに踊らされ、「自粛全体主義」を自ら作り出し、政府の「医療崩壊・緊縮財政」に加担し、自ら社会を崩壊させ続けている国民もまた、重い重い罪を犯しているのではないでしょうか・・・。 ついては、少なくとも心ある本記事読者だけでも、是非、この情けなき、罪深き状況を認識いただきたいと思います。

そうした現状認識が 十分にできた国民だけが(おそらくはそれができるのは、この広い日本の中でも極一部に限られているのではないかと思いますが・・・)、この危機から逃れ出るための正しき道をしっかりと考え得ることができるのではないかと、思います。

33 4 2020-05-08 01:27:52  [編集/削除]

追申: この情けなき罪深き状況が作り出したのは、日本国民そのものであると認識していますが、やはりこの方の罪は特に重いと考えています。 一人の学者の責務として、この学者について徹底的に批判いたしたいと思います。

「北大西浦教授の「8割おじさん戦略」は、批判的に徹底検証されねばならない。」
 https://foomii.com/00178/2020050112532166031

 2020.05.04

 https://the-criterion.jp/mail-magazine/m20200504

34 『表現者クライテリオン』メールマガジン: 【浜崎洋介】 2020-05-08 01:32:26  [編集/削除]

「過剰自粛」の不条理と戦うために――敵は「コロナ」ではない「過剰自粛」である 2020.05.06

こんにちは、浜崎洋介です。

 これまで私は、ウィルスや感染症、あるいは経済の素人である自分が、一知半解の理解で、ただでさえ情報過多な現状において、軽々に言葉を発するべきではないと思ってきました…… が、非常事態宣言の延長が決まった今、さすがに堪忍袋の緒が切れました。

 結論から書いておきましょう。 私は、どのような事情があろうと、この「接触8割削減」による「過剰自粛」という不条理は、一刻も早く解消すべきだと考えています。

 まず、現状を「過剰自粛」だと感じる理由を率直に述べておくと、私自身が「コロナ感染者」を見たことがない 一方で、日常を奪われ、失業の憂き目にあい、生活苦に喘ぎ、将来不安に慄き、その人生を狂わされた人々を、毎日のように見ているということがあります。 つまり、「8割削減」などというたった 一つの「計算式」、「抽象」のために、私と、私の目の前にいる人々との生活が、具体的に破壊され続けているという現実があるのです。

 なるほど、とはいえ、国民国家を営むには、ある程度の「抽象」が必要であることは否定しません。 以前のメルマガで紹介したカミュの『ペスト』においても、医師のリウーが、「〔感染症という〕抽象と戦うためには、多少抽象に似なければならない」と語っていましたが、まさに、目に見えないウィルスとの戦いにおいて、人間的感情(具体)がときに合理的計算(抽象)に席を譲らなければならない状況があることは私も理解しています。

 が、それは飽くまで「具体」を守るための「抽象」であることを忘れてはならない。 つまり、「抽象」にも、程度やリアリティの幅があるわけで、それを 一律の「8割削減」に見定めるのか、「手洗い・うがい・高齢者の自粛」に見定めるのかは、まさしく、私たち自身が守る生活の具体的イメージによって異なってくるのだということです。 その「具体」を忘れてしまえば、私たちは、いつでも「抽象」によって殺されてしまいかねません。

35 2 2020-05-08 01:34:16  [編集/削除]

 しかし、そう言うと、必ず「お前は命より経済を取るのか」と言う人間が出てきます。が、そう言う輩は、むしろ「経済」をこそ舐めていると言っていい。「経済」とは、すなわち 、日々の生活であり、その生活を支える生業であり、私たち自身の暮らしの異名なのです。 それは「おカネ」を媒介としますが、単なる「おカネ」の問題ではない。 人と人との接触、ギブ・アンド・テイクの関わり合いの中から生まれてくる感情の総体、喜怒哀楽の流れそのものなのです。 覆水盆に返らずとはよく言ったもので、生活を「一度止めてしまう」ことの取り返しのつかなさは、まさに東日本大震災で、私たちが経験したことではありませんか。

 しかし、だからこそ、「おカネ」だけを渡しておいて(金銭補償)、経済は止めておいてもいいのだ(ロックダウンを目指すべきだ)などといった言説は、ニヒリズムの肯定以外の何ものでもないのです。「金をやるから大人しくしておけ」などという言葉は、家畜や奴隷には言えても、日々の仕事と、その生活の中に喜びを見出して生きる「人間」に向かって用いるべき言葉ではない。 しかも、政府が「おカネ」をケチっている現状で、安易に「自粛延長」を唱えることは、それ自体が、ほとんど不条理な暴力と化していると言っていいでしょう。

 しかし、だからこそ、自粛の大義名分である「医療崩壊阻止」の掛け声にしても、それが、私たちの「具体」を守る上での「抽象」であることが自覚されなくなってしまえば、いつでも「暴力」に反転してしまいかねないのだという事は忘れてはなりません。 何も私たちは、「日本医師会」や「医療」のためだけに存在しているわけではない。 むしろ「医療」という行為は、私たちの暮らしや、生活を豊かにしていくための 一つの「手段」でしかないのです。 しかし、それが「目的」とされてしまえば、「医療崩壊阻止」の美名の下に、「医療」以外の全ての暮らしと人々の生活が犠牲にされてしまいかねません。 この「対米従属」ならぬ「医療従属」のニヒリズムを、抵抗すべき「不条理」と言わずして何というのか。

 事実、「病からの自由」を担保する医療行為は、消極的価値(死からの自由)にはなり得ても、その自由(命)を使って成し遂げるべき積極的価値(命を賭しても成し遂げるべきこと)にはなり得ません。 人が「命」を守るのは、その「命」を使って何かしらの生産をする限りであって、その逆ではない。 つまり、医療崩壊を防ぐ努力は当然だとしても、それは、飽くまで、私たちの生活(生き甲斐・喜び)を守る範囲内においてのことであって、そのために生活を過剰に犠牲にすべきではないということです。 さもなければ、私たちの社会は、「生き延びる」ことだけを自己目的化した、生きる屍たち(ゾンビ)の楽園となるでしょう。

 ただし、誤解してほしくないのは、だからといって私は、即刻、普通の生活に戻るべきだなどとは言ってはいないことです。 ただ、出来るだけの感染予防の努力をしながら ―三密の回避・手洗い・うがい・手で顔を触らないこと・高齢者などのコロナ弱者の自粛などなど― なお、最低限の生活の営みを守っていくことはできるだろうと言っているだけです。 果たして、それで人が死んでしまうのなら、それはそれで「仕方がないこと」ではありませんか。 そう言うことは、冷酷でも何でもない。 単に当然の事実を引き受けているだけのことです。 むしろ、その当然の事実を避けて、人々の生活を破壊し続けることの方が何百倍も罪深いのではないでしょうか。 繰り返しますが、私たちは、決して「医療」のために生きているのではない。 たとえ死んでも、「生活の喜び」(生き甲斐)のためにこそ生きているのです。

 この「仕方のなさ」から逃げようとするから、「仕方がない」などということはあり得ないと考えるから、つまり、「封じ込め」は可能だというゼロリスク神話に囚われるから、「8割削減」などという「抽象」を、バカの 一つ覚えのように叫びはじめることになるのです(ちなみに、無症状患者が多い新型コロナでは、「8割削減」の前提となっている、クラスター潰しによる感染経路の特定と、それによる封じ込めは間違いなく破綻します)。

36 3 2020-05-08 01:36:00  [編集/削除]

 よくよく考えてももらいたい、これまでも私たちは、肺炎による死者を毎年12万人以上出し続け(一日300人以上の計算)、インフルエンザでさえ年平均1万人の犠牲者(一日30人)を出し続けきているのです(補足すると、アメリカの 2017年〜18年におけるインフルエンザによる死亡者数は 6万人です)。 それに比べて、今年の 2月 から 5月にかけての「新型コロナ」による死亡者数は 一体どれほどにものなのでしょうか(5月5日時点で 521人)。 もちろん、「数量」によって個人の悲劇を図ることはできません。 が、それなら、単純に「命」と「経済」とを天秤にかけるべきでもない。「経済」とは「命」なのです。

 カミュは、その小説『ペスト』のなかで、旅行者でありながら、保険隊を結成するタルーという人物に、〈 抽象的に人々に死を強いるもの 〉の比喩としてペストを語らせていました。 しかし、だとすれば、タルーが語る ―あるいはカミュが描く―「ペスト」の不条理(致死率7割)は、弱毒性の「コロナ」には全く対応していないと言うべきでしょう。 むしろ、〈 私たちのペスト 〉は、「8割削減」と「過剰自粛」の不条理にこそ当て嵌まります。

 そして、小説の後半、疲れ切った 一日を過ごした後で、タルーは、医師のリウーを、市のロックダウンによって禁じられている海水浴に誘いながら、次のように語るのでした、「せんじつめてみれば、あんまり気のきかない話だからね、ペストのなかでばかり暮らしてるなんて。 もちろん、人間は犠牲者たちのために戦わなきゃならんさ。 しかし、それ以外の面でなんにも愛さなくなったら、戦っていることがいったい何の役にたつんだい?」と。

 この度の「コロナ禍」においても、政策の判断基準(クライテリオン)は、このタルーの言葉と違うものではないはずです。 すなわち、私たちのクライテリオンは、人々の「共感」であり、「愛情」であり、その「温かみ」の保守にほかなりません。 その他細かい政策は、その時々の状況を見定めながら ―コロナの毒性、経済状況、人々の心理状態などを鑑みながら―、その都度、適宜比較衡量して決めて行くしかないし、決めて行けばいい。 その「愛情」の基準において、捨てるところは捨て、得るところを得ればいいだけなのです。

 果たして、私たちは今、政府の「過剰自粛」によって殺されかけています。 が、同時に、私たちの人生を最後に守るのは、やはり私たち自身であることも間違いありません。 政府が「不条理」を強いるなら、それに「反抗」(カミュ)することは、決して不道徳なことではない。 むしろ、それこそが、私たちの「エートス」(その住み慣れた場所)を守るための最後のエチカ(倫理)なのです。 人が何と言おうと、私たちは私たちの「生き方」を守る必要がある。 それ以外に、私たちの「生き甲斐」など、どこにもありはしないのですから。

━━━━━━━━━

 (略)

 From 浜崎洋介(文芸批評家)

 2020.05.06

 https://the-criterion.jp/mail-magazine/m20200506/

37 Yahoo!ニュース: デイリー新潮 WHO上級顧問・渋谷教授、 2020-05-08 01:46:32 [画像]  [編集/削除]

政府クラスター班・西浦教授が発した数字のマジック 2020/4/20

 (渋谷健司氏)

 東京オンコロジーセンター代表の大場大氏、国立がん研究センター研究所がん幹細胞研究分野分野長の増富健吉氏は共にがんを専門とする。 忖度のない立場から語り合う今回のテーマは、〈 感染者数は報告の 10倍、42万人に死亡リスク 〉というショッキングな発言への異議申し立て――。

 ***

計算がまったく合いません

 大場:英国キングス・カレッジ・ロンドン教授で WHO事務局長上級顧問も務める渋谷健司氏が、4月16日の報道番組で、新型コロナウイルスによる日本の感染者数と死亡者数についてこう言及しました。

 〈 国内では PCR検査数が抑えられているので、実際の感染者数は報告数の 10倍(約10万人)以上いるのではないか。 そして死亡者数が海外報告より少ない理由については、これまで通常の肺炎で死亡していたケースの中に未検査の新型コロナウイルスが見逃されているからだ 〉と。

 増富先生はどのように思われますか? 

増富: 10倍の感染者がいるということは、亡くなる方も 10倍いるということになりますよね。 現実には亡くなっている方は 236人(4月20日現在)で致死率が 約2%ですから、致死率から推測した感染者数とは計算がまったく合いませんね。

逆に、日本での致死率が世界諸国と比べても極めて低い、すなわち、10倍低い致死率 0・2%だという可能性は、まだあり得る話だと思います。 日本の医療水準や法体制下において、新型コロナウイルス「見逃し」のせいで、死亡者が今より 10倍いるという理屈は無理があるのではないかと思います。

大場: もし万が一、通常の肺炎死亡患者の中で、新型コロナウイルスが見逃されていたケースがあったとします。 重症肺炎患者は人工呼吸器管理ケースがほとんどですから、濃厚接触ケアが必要となってきます。

新型コロナウイルスが念頭に置かれていない医療環境下では、医師、看護師をはじめとする多くの従事スタッフ、あるいは同じ部屋の患者さんに、かなりの確率で 二次感染を引き起こすことでしょう。 まさに大規模院内クラスターを生み出し、すでに社会で可視化されているはずです。

また仮にそのようなケースがいくつかあったとしても、死亡者数の桁が変わるほどの話にはならないでしょう。 臨床経験の乏しい医師によるロジックのみを操った危ない話だと思いました。

38 2 2020-05-08 01:48:44 [画像]  [編集/削除]

感染者数は1300万人以上に

 (西浦博氏)

大場: 厚生労働省管轄下にある新型コロナクラスター班の西浦博・北海道大学衛生学教授の会見での発言にも驚きました。 西浦氏は 4月15日、〈 8割の行動制限を各々で強いないと、感染コントロールを早期に収束させることは難しい。 もし全く何も対策をとらなければ、新型コロナウイルス感染で重症化する人が 85万人、うち 42万人近い死亡リスクがある〉などと話しましたね。

増富: 個人的には算出の根拠になる数理モデル自体を全く勉強もしていないし理解もできていないので、科学的に公平な言及はできないです。 極めて感覚的な発言ですが、85万人が重篤化してそのうち 40万人以上が亡くなるという、「数だけ」理論でいえば強い恐怖感を覚えます。

仮にもし 42万人の方が亡くなるとすると、日本での致死率を現状よりも悪く 3%に見積もったとしても(4月20日現在の実際は 2%程度ですが)、感染者数は 1300万人以上になるという話。 恐怖を感じざるをえません。 きっと極めて難解な理論で、一般向けに簡単には説明できないのかもしれませんが、ある程度の背景となる数理の解説をわかりやすく国民に向けて示さなければ、「数だけ議論」が先行して危険だと思います。

大場: 僕も同様な意見です。 すでに国民一人ひとりが様々な行動制限を強いられている最中、丸腰状態のシナリオを持ち出してきて、大きな数字でリスクを煽るやり方には感心できませんね。 国民全員に危機感を共感してもらい、より「人と人との接触を避ける」行動変容を促すためのプレゼンとしては問題があったように思います。


昼の街クラスターは?

増富: 西浦氏は、「新型コロナクラスター対策専門家」というツイッター( https://twitter.com/ClusterJapan )上で、専門的な解釈を説明しているようですが、1人の感染者が何人に感染させるかの平均値を R0「基本再生産数」と呼び、ドイツで推定されている R0=2・5 を基準としているようです。

それをもとに、今回の緊急事態宣言のように、国民に行動制限を与えたときに何人に感染させてしまうかの平均値を Rt「実行再生産数」と呼び、Rt<1(平均で感染させる他人の数を 1人よりすくなくする)を目標として計算されているようですね。 R0=2・5 の前提や計算の中身自体が正しいのかどうか 一般にはわからず、それが不安を引き起こすのかもしれません。

大場: 英国では、当初「集団免疫」のスタンスを取っていましたが、一転、ジョンソン首相が首都閉鎖という強力な施策に方向転換をした背景には、インペリアル・カレッジの数理モデルの後押しがあったといいます。 その後も、オックスフォード大学の数理モデルを参考にして、英国民に対して広く抗体検査を普及させる計画を練っているようです。

国内の数理モデルについても、ある仮説のみに固執するやり方ではなく、国内の現状に合わせた柔軟な対策を期待したいところです。 例えば、夜の街クラスターが問題というなら、至るところでみかける昼の街クラスターはどうなんでしょう。 電車に乗るなというなら、電車をストップさせないと。

増富: そもそも、統計学的、疫学的手法での感染拡大予防は、今回の新型コロナウイルスに関してはもう限界なのかもしれませんよ。 感覚的かつ興味本位の発言になり、この場にふさわしくないかもしれませんが、株価の予測とか経済予測みたいなものって、基本的には当たりませんよね。 でも、経済評論家はハズレても非難されない論法が身についている気がしているんです。 腹の中で考えている数値と、口に出す数値って本当に同じなのかと私はいつも感じます。

 週刊新潮WEB取材班

 デイリー新潮 新潮社

 2020年4月20日 掲載 17:02 配信

大場大 おおば・まさる
 1999年 金沢大学医学部卒業、2008年、医学博士。
 2016年より東京オンコロジーセンター代表を務める。
 2009年-2011年がん研有明病院。
 2011年-2016年、東京大学医学部附属病院肝胆膵外科。
 2019年より順天堂大学医学部附属順天堂医院肝胆膵外科非常勤講師。
 専門は、外科学、腫瘍内科学、消化器病全般。

増富健吉 ますとみ・けんきち
 1995 年金沢大学医学部卒業、2000年、医学博士。
 2001年-2007年 Harvard大学医学部 Dana-Farber 癌研究所。
 2007年より現職。
 がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含む RNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
 専門は、分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/3e2a037e722b08293b476182c08cd7115bc1bd97

39 Yahoo!ニュース: デイリー新潮 新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音 2020/5/2 2020-05-09 12:41:19  [編集/削除]

 (新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音とは(※写真はイメージ))

新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音

 新型コロナウイルス関連の報道では、数多くの医師がメディアに登場して、自身の知見を述べている。 しかし、最前線で感染者たちと接している医師の話をじっくりと聞く機会は意外と少ない。 実際にはその患者を診たことがない「専門家」(中には医師ではない者もいる)のオピニオンのほうが多く流布されている。 現場からの声として紹介される多くは、治療現場の苦境といったところに限定されているようにもある。

 そこで今回、ある総合病院で新型コロナウイルスを実際に診察し、また現場の統括もしているベテラン医師に匿名を条件で本音を語ってもらった。 匿名にした理由は「特におかしなことを言ったつもりはありません。 同じように考えている医師も多いと思います。 でも、ただでさえ忙しいのに、病院あてに抗議などが来るとたまらないから勘弁してください」というものである。


 ― お勤めの病院はどんな感じですか? 

現状をお話しする前に、平時の病院、医療がどうだったかを少しご説明させてください。

もともと日本は国民皆保険ですし、東京は医療へのアクセスが極めてイージーになっていました。 中学生までは医療費ゼロですし、救急車を呼んでもお金は請求されません。 欧米なら数万円は確実に取られます。 それゆえ、子供を昼間病院に連れて来られないというだけの理由で、救急外来を夜間に普段使いするような親までいたのです。 だからいつも病院が混雑していることが問題になっていました。 一方で、開業医の先生を含めて医療機関側もそれで儲けていた、という面もあったことは否定できません。「どんどん来てください」とやって、医療費は国に負担してもらえばいいのですから。

ただ、新型コロナウイルスの影響で、普段は安易に病院に来ていた方が減ったので、全体としての患者数は減っています。 感染症や救急を担当していない病棟や医師はむしろ時間に余裕ができているようです。 不要不急の手術も延期にしていますから。 1、2月に比べて 3月の病院全体の収入は 3割減というところでしょうか。 病床の稼働率も 10%ほど下がっています。 おそらくこれは開業医などでも同様でしょう。「売り上げ」が落ちて困っているところもあるだろうと思います。

一方で、私たち新型コロナの担当医たちだけは忙しくなっています。 うちの病院では新型コロナの診察を救急医が受け持つようにしています。 その担当医らの仕事は、大雑把にいって 1.5倍になっているという感じです。 ただでさえ忙しかったところに、仕事が急増しました。

私が若い頃は救急を専門とする医師は月15日くらい当直というのが当たり前でしたが、さすがに今はそうはいかないので、当直は月6〜8日くらい。 週休2日は確保できるようにして、休日出勤の際には代休も取るように、という方針でした。 これがさっき言ったように仕事量が増えているため、「当分、代休は取れません」という感じになっていて、実感としてかなりキツい日々が続いているのは事実です。

私自身は現場の診療の他に、病院全体の感染症対策等々の仕事が増えました。 省力化できたことといえば、テレビ会議が増えたので結果として会議の時短などが進んだことでしょうか。

40 2 2020-05-09 12:42:42  [編集/削除]

 ― 新型コロナに関しては、膨大な情報量が発信されています。 この状況をどう見ますか? 

 SNSで誰もが発信できるようになったことで、不安をかきたてる情報が溢れすぎている、という印象はあります。 また地上波のテレビ、ワイドショーがセンセーショナルに伝える傾向があるのは良くないと思っています。 たしかに政府の言う通りのことを流すのでは政府広報になってしまうので、良いことだとは言えません。 しかし、恐怖を煽って,今の対応が危険だと強調しすぎているように思います。

現政権が嫌いなのかもしれませんが、それと医学の問題は別です。 現在の政府方針、専門家委員会の方針は、専門的な知見のある人たちが議論して打ち出したものであり、相応の合理的な判断だと現場の医師から見ても思います。

ですから煽られておかしな行動をとるのではなく、とにかく今の対策を守ってもらわないと,収束できるものもできなくなると思います.

にわか専門家のコメントが全部間違っているとは言いませんが、大事なことをうまく伝えられていないと感じます。 自称専門家はもちろん、芸能人の方などの不用意な発言でも、視聴者は扇動されます。

外国の例を簡単に紹介するのも問題です。「海外ではこうだ」というのですが、それぞれの国によって医療レベル、保険制度、国民性、文化など異なる背景があります。 だから安易に「あそこがいい」「ここがいい」という話ではありません。

「アフリカの〇〇ではこうだ」と言われても、その国は常に様々な感染症の脅威が存在する国かもしれません。 その国の政策を参考にする、といっても無理があるのではないでしょうか。


 ―「何もしないと 42万人が死ぬ」というシミュレーションも恐怖を煽っていたのではないでしょうか? 

あれはあくまでも「何も対策を講じなければ」という前提で、最悪の事態を示したのですから、「ステイホーム」を訴えるという点では良いのではないでしょうか。

「エアロゾル」感染といった言葉が独り歩きしたせいで、ちょっと勘違いがあるように思うのですが、基本的には空気感染ではなく接触・飛沫感染です。 だからちょっと話をした程度であれば、問題はない。

空気感染だと思うと「じゃあ空気がいいところなら大丈夫」という勘違いが生まれます。 ここが心配です。 たとえば「空気がいい」ゴルフ場に行く、公園でジョギングをする、というのは問題ないように思っている方もいるでしょう。 たしかにゴルフ場でプレーするだけなら感染はしないでしょう。 しかし、その前後に外食をしないでしょうか。 ジョギングの最中に無意識にガードレールを触って、その手で顔を触り…… となっていないでしょうか。

そういうリスクがあるからこそ、「ステイホーム」と呼び掛けているわけです。 あくまでも個人的な、そしていささか楽観的な見方ですが、きちんと自粛をしていれば、あと 1、2カ月のうちには良い状態が来るのではないか、と思っています。

41 3 2020-05-09 12:45:58  [編集/削除]

 ― そうした報道に煽られて、検査や診察を求める患者さんが殺到していて、かえって病院が困っているとも聞きますが、どうなんでしょう? 

確かに、必要とは思えない患者さんが検査を求めてくる事例はあります。 直接こちらの病院には来なくても、かかりつけ医から紹介状をもらってきて、検査を求めるケースです。 そういう人の中で検査を断られた人が、SNSやテレビで「検査も受けられない」と主張することもあるのでしょう。

ただ、この間、数多くの新型コロナウイルス感染者を診てきた者として言えるのは、「この人は陽性だな」と思う人は検査に回さなくても、ほぼわかる、ということです。 あくまでもその診断を確定させるために回すのです。 病歴を聞き、問診をして、CTを撮り…… といった診察の過程でかなりの確率でわかります。

ところが、そうした経験のないお医者さんが、患者さんに強く言われたとか、あるいは患者さんサービスの 一環で検査を求めるとどうなるか。 結果として、本当に早く確定して欲しい人の検査スピードが遅くなります。

これが問題です。


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