オープンザプライス (出張問題鑑定団inらて鯖)
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1 オリオン◆orkE.R5GC2 2018-08-12 01:50:34 ID:tKvQSQh6O [編集/削除]
出張問題鑑定団inらて鯖の鑑定結果の一覧です。
秘密の部屋でも鑑定結果の一覧は見られるようにしておきますので、どうぞ見やすい方でご覧下さい。
9 オリオン◆orkE.R5GC2 2018-08-13 10:22:03 ID:tKvQSQh6O [編集/削除]
【質問番号8:詩穂さん】
民話よりの出題です。
【仲直り】
https://late-late.jp/mondai/show/870
問題寸評をお願いします。
【鑑定士:Go To_Labelさん】
詩穂さんはじめまして。よろしくお願いします。
おおおおー、うーん、この色つや、いいですね〜。
この民話、私もどこかで読んだことがあります。たしか挿絵があって、「眠らせた王様を詰めた袋をかついで夜陰に城から出ていくお妃」でした。知恵があり愛情深いうえに力持ちとは、すごい人だなあと感心した記憶がうっすらとあります。
元ネタの民話を改変せずにそのまま使っていると思われますが、これは一般論としては避けた方がいいやり方です。
なぜなら、よく出来た元ネタであればあるほど、
マンガならマンガの形式に、
小説なら小説の形式に、
民話なら民話の形式に、
それぞれ最適化されているはずだからです。
ウミガメはこれらとは別形式ですので、ウミガメとして最適化するなら、多少の加工が必要になるのが道理なのです。
このことについては後で詳しく述べます。
まずその元ネタの民話ですが、これは大変面白いです。
大切なものだけ持っていくと言い、それにケンカの相手自身を選ぶというのはまさに水平思考。
機知に加えて、深い愛情が余韻を残します。
ネタの選び方にもウミガメのセンスが問われるのですが、これをウミガメにしようと発想されたのはすばらしいの一言です。
さて、そのすばらしいネタを問題にするにあたって、2点頭をひねるべきところを挙げます。
1.
「私の一番大切なものをどうか、お城から持ち出させてください」という願いを問題文に入れるか。
入れたら簡単になってしまう懸念があるが、入れないと難度が跳ね上がってしまう。
2.
民話だから「王様を連れて実家に帰ってきた」でよいのだが、実はこれは不自然。王様の意思に反していることは明らかなので、これは王様の拉致です。実行に移すのは困難を極めるはず(実のところ、上で書いた挿絵のようにしなければならないでしょう)。
つまりは絵空事特有のできごとであり、現実の問題として謎を解こうとした場合、難易度が上がる結果になる。
2について補足しますと、ここで先の、「民話なら民話の形式に最適化されている」ということが出てきます。
民話ならこれでいいのです。ちょっと変だな、と思ってもすぐにそこは通り過ぎて、見事な結末に驚いて満足してくれます。
しかしウミガメとして出すと、参加者は道理にあった無理のない解釈を優先的に考えますので、答えを出すにも手間取りますし、答えが出た後でも割り切れない思いが残ります。
民話や小説とウミガメとの違いは、ウミガメでは参加者が能動的に関わる点にあることは注意が必要です。
※実際は、どんな形式でも、変なものは変です。民話だからいくら変でもかまわない、ということにはなりません。形式によって、アラが出にくい/出やすいの別がある、とご解釈ください。
1の願いの記述を削り、2を元ネタそのままにすると、相乗作用でかなり難度の高いものになります。
対策の取り方の例を挙げます。
・1について、記述を加える。ただ、表現を変えることを検討。「身の回りの必要なものだけ持って、さっさと出ていけ」と王様に叫ばせる、など。
・2について、そもそも元ネタのエッセンスだけを抽出して全体の物語を変える。エッセンスは、「立場の強い者が理不尽な理由で弱い者に出ていけと言う。弱い者はそれでも強い者を見捨てず、【大事なもの】として一緒に行動することを選ぶ」であると思われる。よって、「金持ちの孤独な老人と、養子に取られた貧乏な青年」などに配役を変える。
例としては大したものではありませんが、このような検討が「元ネタをウミガメとして最適化するための加工」となります。
ご参考になれば幸いです。
ただし、とはいうものの。
詩穂さんが実際に採用した問題文、つまり1にも2にも対策はしないという行き方も、なくはない判断だと思います。
元ネタの良さと味を最大限生かすことを主眼に置くならそうなるでしょう。
ただしその場合、難度についてもきちんと判断しておき、「いざとなればヒントを出す」という想定はしておく必要があります。
実際問題として、この問題では合計5回ヒントが出されています。
どれもタイミング・内容ともすばらしく(他の方もぜひここに注目してほしい)、おそらく難度は高いことは想定されていたのでしょう。
なるべくなら、ヒントは出さずに問題文だけで調整するのが望ましいことは間違いありません(それは憶えておいてください)。
ただ、本問はヒントの質が高いことも込みで、ちゃんとした出来栄えだと鑑定いたします。
良い問題です。大事になさってください。
なお、No.4の鑑定もご参考になさってください。
両問はまるで違うように見えて、実はその本質は同じなのです。
詩穂さんの今後のご活躍も期待しております。
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