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スレッド名 | コメント | 作成者 | 最終投稿 | |
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セエラの生活は | 1 | Ryou | 2013-12-20 10:58:41 | Ryou |
さようでございましょうが | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:14:19 | Ryou |
「いやなことだ!」 | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:13:50 | Ryou |
上杉の付家老 | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:13:29 | Ryou |
いや、事情の分かっている殿中で | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:13:10 | Ryou |
「内匠頭は、切腹と決りました」 | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:12:38 | Ryou |
「しばらく、どうぞ明日の」 | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:12:19 | Ryou |
勅使の接待方の予定が | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:11:59 | Ryou |
「不調法?」上野は頷いて | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:11:01 | Ryou |
「取換えた畳か?」 | 1 | Ryou | 2013-12-18 00:10:38 | Ryou |
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セエラの生活は (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-20 10:58:41 [URL]
セエラの生活は、その日からがらりと変りました。マリエットは翌朝暇を出されました。昨日までセエラのいた部屋はすっかり片付けられ、新入生のためのあたりまえの寝室にされました。 朝食堂へ出て見ると、ラヴィニアが、昨日までセエラの坐っていたところに坐っていました。ミンチン先生は冷かにセエラにいいました。 「セエラ、お前は、お前の用をすぐ始めるんだよ。小さい方達と、小さい方のテエブルに坐って、皆さんがお行儀よく食べるように、見てあげるんだよ。これからもっと早く出て来なきゃアいけないよ。ほら、ロッティはもうお茶をこぼしてるじゃアないか。」 セエラの仕事は、この様にして始まりました。来る日ごとに用事はふえるばかりでした。フランス語を見てあげるのは、一番楽な仕事でしたが、そのほかお天気の悪い時でもかまわずお使いにやられたり、皆の残為した用事をいいつけられたりしました。料理番や、女中までが、ミンチン女史の真似をして、今まで永いことちやほやされていたこの娘っ子を、いい気持にこき使うのでした。 |
セエラの生活は (コメント数:1)
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さようでございましょうが (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-18 00:14:19 [URL]
「さようでございましょうが、禄を失いました者どもは、それほどの事理を考える暇がございますまい。公儀という大きい相手よりも、手近な御隠居を……」 「分かった! 分かった! しかし、内匠頭をいじめたようにとかく噂されている上に、今度はその敵討を恐れて逃げ回っているといわれて、わしの面目にかかわる。来たら来たときのことだが、千坂、結局噂だけではないか」 「なれば結構でございますが。しかし、万一の御用意を」 「だが、引き移るのはいやだよ」 「それならば、、お付人として、手の利いたものを詰めさせる儀は」 「うむ。それもいいが、なるべく世間の噂にならぬように」 「はは」 千坂は、この頑固な爺と気短な内匠頭とでは、喧嘩になるのはもっともだと思った。しかし、この頑固さを、世間でいうように、強欲とか吝嗇とかに片づけてしまうのは当らないと思った。 |
さようでございましょうが (コメント数:1)
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「いやなことだ!」 (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-18 00:13:50 [URL]
「いやなことだ!」上野介は、首を振った。 「わしは、ちっとも悪いことをしたと思っていない。わしと内匠頭の喧嘩は、七分まで向うがわるいと思っている。それを、こんな世評で白金へ引き移ったら、吉良はやっぱり後暗いことがあるといわれるだろう。わしは、それがしゃくだ」 「御隠居も、なかなか片意地でございますな」 「うむ。だが、わしはつまらない喧嘩を売られたとしか思っていない。わしは、喧嘩を売った内匠の家来たちに恨まれる筋はないと思っている」 「理屈は、そうかも知れませぬが」 「一体、浅野浪人の統領は誰だ!」 「大石と申す国家老でございます」 「大石内蔵助か。あの男なら、もっと事理が分かっているはずだ。わしを討つよりか、家再興の運動でもすると思うが。わしを討ってみい、浅野家再興の見込みは、永久に断たれるのだが」 |
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上杉の付家老 (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-18 00:13:29 [URL]
上杉の付家老、千坂兵部が、薄茶を喫し終ると、 「近頃、浅野浪人の噂をおききになりましたか」と、上野にいった。 「どんな?」 「内匠頭のために、御隠居を討つという」 上野は笑って、 「何でわしを討つ? 内匠頭に斬られそこなった上に、まだその家来に斬られてたまるか」 「なるほど、内匠頭が切腹を命ぜられたのは自業自得のようなもので、恨めば公儀を恨むべきで、老公を恨むところはないはずですが、ただ内匠頭が切腹のとき、近臣の士に、この怨みを晴らしてくれと遺言があったそうで、家臣の者の中に、その遺志を継ごうというものが数多あるそうで……」 「主が、自分の短慮から命を落したのに、家来がその遺志を継ぐという法があるものか」 「ところが、世間の者は、くわしい事理は知らずに、ただ敵討というだけで物を見ます。こういう衆愚の力は、恐ろしいものです。その吹く笛で踊る者が出てきます。それに、浅野浪人も、扶持に放れた苦しみが、この頃ようやく身にしみてきましたから、何かしらやりたいのです。仕官も思い通りにならないとすると、局面打開という意味で、何かやり出すにきまっています。彼らは、位置も禄もありませんから、強いのです。何かしてうまく行けば、それが仕官の種になりますし、失敗に終っても元々です。だから、この際、思い切って上杉邸へお引き移りになったらいかがですか」 |
上杉の付家老 (コメント数:1)
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いや、事情の分かっている殿中で (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-18 00:13:10 [URL]
「いや、事情の分かっている殿中でそのくらいなら、ただことの結果だけを見る世間では、きっとわしをひどくいうだろう。わしは、今度のことでわるいとは思わん、わしは高家衆で、幕府の儀式慣例そういうものを守って行く役なのだ。その慣例を無視されたのでは、わしにどこに立つ瀬があるか。ことの起りは、あちらにある。ところが、殿中でわしに斬りつけるという乱暴なことをやったために、よくよくのことだということになって、たちまち彼奴が同情されることになるのだ。わしが、あの時殺されていても、やっぱり向うが同情されるだろう。あいつが、でたらめのことをやったということが、世間の同情を引くことになるのだ。ばかばかしい」 「しかし、わけを知っている人は、よく分かっています」 「そうだろう。だから、お上からも、わしはお咎めがなくて、あいつは切腹だ。しかし、世間は素直にそれを受け入れてくれないのだ。彼奴が乱暴なことをしただけで、向うに同情が向くのだ。思慮のない気短者を相手にしたのが、こちらの不覚だった。まるで、蝮と喧嘩したようなものだ。相手が悪すぎた」 「まったく」 「内匠も内匠だが、家来がもっと気が利いていれば、こんな事件にはならないのだが。わしは、迷惑至極だ。斬られた上に世間からとやかくいわれるなんて。こんな災難が、またとあるか」 医者が次の間から、 「あまり、お喋りになっては」と注意した。 |
いや、事情の分かっている殿中で (コメント数:1)
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「内匠頭は、切腹と決りました」 (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-18 00:12:38 [URL]
「内匠頭は、切腹と決りました」と、子の左兵衛が枕元へ来ていった。 上野は、横に寝て、傷の痛みに顔を歪めていたが、 「そうだろう」と答えた。 「お上では、乱心者としてもっと寛大な処置を取ろうとなさいましたが、内匠頭は、乱心でない、上野は後の人のために生かしておけんなどと、いろいろ理屈をいったそうで、とうとう切腹に……」 「あの意地張りの気短め、どこまで考えなしか分かりゃしない。そして、殿中ではどう評判をしている。どちらが悪いとかいいとか」 「ええ、内匠頭の短慮と吝嗇はよく知っていますが、殿中で切りつけるには、よくよく堪忍のできぬことがあってのことだろうというので、やはり同情されています。梶川の評判はよくないようです。どうしてもっと十分にやらせてから、抱きとめなかったかと……」 「無茶なことをいう、十分にやられてたまるものか。わしは軽い手傷だし、向うは切腹で家断絶だから、向うに同情が向くだろうが、といって、わしを非難するのは間違っている」 「いや、父上を一概に非難してはいませんが」 |
「内匠頭は、切腹と決りました」 (コメント数:1)
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「しばらく、どうぞ明日の」 (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-18 00:12:19 [URL]
「しばらく、どうぞ明日の」といって、右手で上野の袖をつかんで引いた。 「何をする!」上野は、腕を振って、大声を出した。腕が内匠頭の手に当った。 「何一つ、わしのいうことをきかずにおいて、今更のめのめと何をきく?」 上野が、大声を出したので、梶川が襖を開けて、顔を出した。内匠頭は蒼白になっていた。 「わしを、あるか無しかに扱いながら、自分が困ると、袖を引き止めて何をきくか?」 上野は、内匠頭がだまっているので、 「ばかばかしい!」と呟いて、行き過ぎようとした。 「教えて下さらんのか?」 「教えて下さらんというのか、内匠、貴殿、わしが教えてきいたことがあるか?」 「明日のことは、儀式のことにて、公事ではござらぬか」 「公事なればこそ、先刻通達したときに、なぜききもらした?」 「それは、拙者の不念ゆえ、お教えを願っているのに」 「貴公の不念の尻拭いをしてやることはない!」上野は、そういって歩き出した。 「教えんと、おっしゃるのか」内匠は、後から必死の声で呼んだ。 「くどい!」 「公私を混同して……」と、内匠がいうと、 「それは、貴公だろう。金の惜しさに、前例まで破って!」 「何!」 梶川が、 「あっ!」と、低く叫んで立ち上った。上野は、 「何をする!」と、叫んだ。内匠頭の手に、白刃が光っていた。 上野は、よろめいて躓くように、逃げ出した。内匠頭が及び腰に斬りつけたとき、梶川が、 「何をなさる!」と叫んで、組みついた。 |
「しばらく、どうぞ明日の」 (コメント数:1)
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勅使の接待方の予定が (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-18 00:11:59 [URL]
明日の、勅使の接待方の予定が少し変ったときいて、内匠頭は、伊達左京を探してきこうとしたが、茶坊主が、 「もう、お下りになりました」といった。 「吉良殿は?」 「おられます」 内匠頭は、廊下へ出で、高家衆の溜へ歩きつつ、 (上野にきくのは、残念だが……)と思った。 (しかし、伊達にききにやるのも面目にかかわるし……) そう思って、松の間の廊下へ出たとき、上野が向うから歩いて来た。 「しばらく」 上野は、じろっ! と内匠頭を見て、立ち留った。 「明日、模様替えがありますそうで、どういう風に……」 「知らないのか」 「ききもらしましたが、どうかお教えを!」 「ききもらした! 不念な。どこで何をしていた?」 「ちょっと忙しくて」 「忙しいのは、お互いだ」 上野は、行き過ぎようとした。 |
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「不調法?」上野は頷いて (コメント数:1)
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1 Ryou 2013-12-18 00:11:01 [URL]
「不調法?」上野は頷いて、「不調法だ! この畳の縁は何だっ!」 「繧繝です」 「繧繝にもいろいろある。これは、何という種類か」 「それは知りません。しかし、畳屋には、繧繝といって命じました。確かに繧繝です」 「模様が違う。取り換えなさい!」 「取り換える?」 「そうだ!」 「今から」 「作法上定まっている模様は、変えることにはなりませぬぞ。いくら、貴殿が慣例を破っても、こういうことは勝手には破れんからな。即刻、取り換えなさい。次……」 そういうと、上野は内匠頭の返事も待たず、次の間にはいった。 内匠頭は、蒼白になって、その後姿をにらんでいた。 |
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1 Ryou 2013-12-18 00:10:38 [URL]
「はっ!」 「取換えた畳か?」 「はっ!」 「何故、繧繝縁にせぬ?」 人々は、玄関を上るが早いか、すぐ鋭く咎めた上野介の態度と、その掛りも内匠頭もいないのとで、どう答えていいかわからなかった。 「内匠を呼べ!」 「はい只今!」 「殿上人には、繧繝縁であることは子供でも知っている。この縁と繧繝とでは、いくら金がちがう?」 「玄関だけは、繧繝でなくてもよろしかろうかと……」士の一人が答えかけると、 「だまんなさい! お引き受けした以上、万事作法通りになさい! 出費が惜しいのなら、なぜ手元不如意を口実に断らんか。お受けした上で、慣例まで破って、けちけちすることがあるか。内匠を早く呼びなさい!」 上野が、こういっていたとき、内匠頭が険しい目をして、足早に家来の後方へ現れて来た。 「何か不調法でもいたしましたか」上野に、礼をもしないでそういった。 |
「取換えた畳か?」 (コメント数:1)
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