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材大なれば用を為し難し

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スレッド名コメント作成者最終投稿
お手軽だけれどやっては行けない脱毛方法2 Ryou 2013-12-17 23:55:28 Ryou
川中島に於ける上杉謙信1 Ryou 2013-12-17 21:34:35 Ryou
猩々緋の武者の前には1 Ryou 2013-12-17 21:31:05 Ryou
そのあくる日1 Ryou 2013-12-17 21:30:39 Ryou
なにごとじゃ1 Ryou 2013-12-17 21:29:58 Ryou
摂津半国の主で1 Ryou 2013-12-17 21:29:26 Ryou
何ぬかしゃがるんじゃ2 Ryou 2013-12-17 21:28:47 Ryou
お願いでございます1 Ryou 2013-12-17 21:27:12 Ryou
最後も近づいたほどに1 Ryou 2013-12-17 21:26:40 Ryou
おきん母子、刑場の中へ歩み入る1 Ryou 2013-12-17 21:25:28 Ryou
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1 Ryou 2013-12-17 23:53:51 [URL]

脱毛方法にはさまざまなやり方がありますが、その中でも最も低コストでお手軽にできる方法は「クラフトテープ」を使用した脱毛法です。

クラフトテープという大手ホームセンターなどへ行けば、100円以下で購入できる横幅の広い粘着テープを使って、一気に毛を抜き剥がしてしまう方法は、昔からよく聞かれる脱毛方法でした。

しかしこの方法は低コストで素早くお手軽に行える反面、当然リスクも存在します。

それは本来脱毛に使用する用のテープではない故に、粘着部分に細菌が付着していて不衛生なのです。
なのでクラフトテープで脱毛をする度に、毛が抜けて無防備になった毛穴の中へ細菌が入り込み、結果炎症や最悪毛穴が黒ずんでしまうなど、見た目の悪い肌になってしまうこともあります。

ですから粘着テープで脱毛をする場合は、専用の脱毛テープを使用することをオススメします。

2 Ryou 2013-12-17 23:55:28 [URL]

「又右衛門、公儀から今度御下向の勅使の御馳走役を命ぜられたが、それについて相談がある」
「はい」
「この前――天和三年か、勤めたときには、いくら入費がかかったか?」
「ええ……」二人は、首を傾けた。藤井が、
「およそ、四百両となにがしと思いますが」
「そのくらいでした」と、安井が頷いた。
「四百両か! その時分と今とは物価が違っているから、四百両では行くまいな。伊東出雲にきくと、あいつの時は、千二百両かかったそうだ」
「あの方のお勤めになりましたのは、元禄十年――たしか十年でしたな」
「そうだ」
「あのとき、千二百両だといたしますと、今日ではどんなに切りつめても、千両はかかりましょうな」
 内匠頭は、にがい顔をした。
「そんなにかかっちゃ、たまらんじゃないか。わしは、七百両ぐらいでどうにか上げようと思う」
 
1 Ryou 2013-12-17 21:34:35 [URL]

 川中島に於ける上杉謙信、武田信玄の一騎討は、誰もよく知って居るところであるが、其合戦の模様については、知る人は甚だ少い。琵琶歌等でも「天文二十三年秋の半ばの頃とかや」と歌ってあるが、之は間違いである。
 甲越二将が、手切れとなったのは、天文二十二年で、爾来二十六年間の交戦状態に於て、川中島に於ける交戦は数回あったが、其の主なるものは、弘治元年七月十九日犀川河畔の戦闘と永禄四年九月十日の川中島合戦との二回だけである。他は云うに足りない。此の九月十日の合戦こそ甲越戦記のクライマックスで、謙信が小豆長光の銘刀をふりかぶって、信玄にきりつくること九回にわたったと言われている。
 武田信玄も、上杉謙信も、その軍隊の編制に於て、統率に於て、団体戦法に於て、用兵に於て、戦国の群雄をはるかに凌駕して居り、つまり我国に於ける戦術の開祖と云うべきものである。
 
1 Ryou 2013-12-17 21:31:05 [URL]

 猩々緋の武者の前には、戦わずして浮き足立った敵陣が、中村新兵衛の前には、ビクともしなかった。そのうえに彼らは猩々緋の『鎗中村』に突きみだされたうらみを、この黒皮縅の武者の上に復讐せんとして、たけり立っていた。
 新兵衛は、いつもとは、勝手が違っていることに気がついた。いつもは虎に向かっている羊のような怖気が、敵にあった。彼らは狼狽え血迷うところを突き伏せるのに、なんの雑作もなかった。今日は、彼らは戦いをする時のように、勇み立っていた。どの雑兵もどの雑兵も十二分の力を新兵衛に対し発揮した。二、三人突き伏せることさえ容易ではなかった。敵の鎗の鋒先が、ともすれば身をかすった。新兵衛は必死の力を振るった。平素の二倍もの力さえ振るった。が、彼はともすれば突き負けそうになった。手軽に兜や猩々緋を借したことを、後悔するような感じが頭の中をかすめたときであった。敵の突き出した鎗が、縅の裏をかいて彼の脾腹を貫いていた。
 
1 Ryou 2013-12-17 21:30:39 [URL]

 そのあくる日、摂津平野の一角で、松山勢は、大和の筒井順慶の兵と鎬をけずった。戦いが始まる前いつものように猩々緋の武者が唐冠の兜を朝日に輝かしながら、敵勢を尻目にかけて、大きく輪乗りをしたかと思うと、駒の頭を立てなおして、一気に敵陣に乗り入った。
 吹き分けられるように、敵陣の一角が乱れたところを、猩々緋の武者は鎗をつけたかと思うと、早くも三、四人の端武者を、突き伏せて、またゆうゆうと味方の陣へ引き返した。
 その日に限って、黒皮縅の冑を着て、南蛮鉄の兜をかぶっていた中村新兵衛は、会心の微笑を含みながら、猩々緋の武者のはなばなしい武者ぶりをながめていた。そして自分の形だけすらこれほどの力をもっているということに、かなり大きい誇りを感じていた。
 彼は二番鎗は、自分が合わそうと思ったので、駒を乗り出すと、一文字に敵陣に殺到した。
 
1 Ryou 2013-12-17 21:29:58 [URL]

「なにごとじゃ、そなたとわれらの間に、さような辞儀はいらぬぞ。望みというを、はよういうて見い」と育ぐくむような慈顔をもって、新兵衛は相手を見た。
 その若い士は、新兵衛の主君松山新介の側腹の子であった。そして、幼少のころから、新兵衛が守り役として、わが子のようにいつくしみ育ててきたのであった。
「ほかのことでもおりない。明日はわれらの初陣じゃほどに、なんぞはなばなしい手柄をしてみたい。ついてはお身さまの猩々緋と唐冠の兜を借してたもらぬか。あの服折と兜とを着て、敵の眼をおどろかしてみとうござる」
「ハハハハ念もないことじゃ」新兵衛は高らかに笑った。新兵衛は、相手の子供らしい無邪気な功名心をこころよく受け入れることができた。
「が、申しておく、あの服折や兜は、申さば中村新兵衛の形じゃわ。そなたが、あの品々を身に着けるうえは、われらほどの肝魂を持たいではかなわぬことぞ」と言いながら、新兵衛はまた高らかに笑った。
 
1 Ryou 2013-12-17 21:29:26 [URL]

 摂津半国の主であった松山新介の侍大将中村新兵衛は、五畿内中国に聞こえた大豪の士であった。
 そのころ、畿内を分領していた筒井、松永、荒木、和田、別所など大名小名の手の者で、『鎗中村』を知らぬ者は、おそらく一人もなかっただろう。それほど、新兵衛はその扱き出す三間柄の大身の鎗の鋒先で、さきがけ殿の功名を重ねていた。そのうえ、彼の武者姿は戦場において、水ぎわ立ったはなやかさを示していた。火のような猩々緋の服折を着て、唐冠纓金の兜をかぶった彼の姿は、敵味方の間に、輝くばかりのあざやかさをもっていた。
「ああ猩々緋よ唐冠よ」と敵の雑兵は、新兵衛の鎗先を避けた。味方がくずれ立ったとき、激浪の中に立つ巌のように敵勢をささえている猩々緋の姿は、どれほど味方にとってたのもしいものであったかわからなかった。また嵐のように敵陣に殺到するとき、その先頭に輝いている唐冠の兜は、敵にとってどれほどの脅威であるかわからなかった。
 こうして鎗中村の猩々緋と唐冠の兜は、戦場の華であり敵に対する脅威であり味方にとっては信頼の的であった。
「新兵衛どの、おり入ってお願いがある」と元服してからまだ間もないらしい美男の士は、新兵衛の前に手を突いた。
 
1 Ryou 2013-12-17 21:27:46 [URL]

甚吉 何ぬかしゃがるんじゃ。阿呆め、首の飛ぶ間際にそなな物が喉を通るけ!
おきん ほんまに、この阿呆め! どこまで、親をばかにしやがるんじゃ!
甚兵衛 はあ……そうけ、嫌か。じゃ、わし皆、食べてやろう。ああうまい、うまい、顎が落ちそうじゃ。村の衆ありがとう!
村人たち (口々に)何いうとるんじゃ。よう食べてくれた。こちとらこそ拝んどるぞ。
刑吏の長 申し置くことがなければ、母と弟どもを最期の座へ直せ。
おきん (慌てて)ちょっと待って下されませ。お願いでござりまする。
刑吏の長 何じゃ。
おきん 死際のお願いでござりまする。どうぞ、この親不孝者を、先へ突いて殺して下されませ。せめてもの腹癒せに、不孝者が、磔柱の上で、苦しむのを見せて下さりませ。
村人たち (口々におきんを罵る)……何をいう鬼婆め……お前の方から先に死んでしまえ……。
刑吏の長 折角の願いじゃが、聞き届けることはまかりならぬ。かような場合、重科の者を後にするのが定法じゃ。それその者たちを、あれへ引き据えい!
おきん ええ口惜しい。こいつが、突かれるのが見られないのか。
刑吏三 ええ。やかましい! 神妙にあれへ直れ!


(刑吏たち、母子四人を上手の方へ連れ去ってしまう。首斬役、刀を抜いてその後に従う)

2 Ryou 2013-12-17 21:28:47 [URL]

甚兵衛 (微笑を含んで、その後から見送る)おっ母も甚吉も先へゆくのか。長い間、わしを苛めてくれてありがとう。ありがとう。あはははは。
(首を斬る掛け声、太刀音、つづいてきこえる。見物どよめいて声を上げる)
甚兵衛 (顔色、やや蒼白になったが、笑いを絶たない)あはははは、わしゃ、胸がすっとしただ。わしをな二十何年も苛めぬいたおっ母も、甚吉も、もうあなになってしもうた。ああおっ母、甚吉、甚三、甚作、どなな気持じゃ、あはははは(甚兵衛哄笑しつづける)……今度はわしの番じゃ。早う磔にして下されや。
村人たち (急に動揺す)甚兵衛どん。ありがとう、拝みますぞ。御恩は忘れませんぞ……。南無阿弥陀仏!南無阿弥陀仏!


(刑吏たちは磔柱を起し、それに甚兵衛をくくりつけようとする)


甚兵衛 何が南無阿弥陀仏じゃ。皆喜んで、下っしゃれ。わしゃ、こなな気持のしたことはないのや。あははは。


(群衆たちの賛嘆、悲嘆のうちに、甚兵衛の笑い、いよいよ高くなっていく)

――幕――
 
1 Ryou 2013-12-17 21:27:12 [URL]

村人六 お願いでございます。お願いでございます。
刑吏一 なんじゃ。何事じゃ。
村人六 お願いでございます。これを一つ甚兵衛どんに、食べさせて下さりませ。
(竹の皮包の握り飯を出す)
刑吏一 いかが、いたしましょう。
刑吏の長 苦しゅうない。甚兵衛に与えてつかわせ。
刑吏一 (甚兵衛に与えながら)村の衆の志しゃ。快く食べたがよい。
甚兵衛 (無邪気に欣ぶ)ほほう。これわしにくれるか。
刑吏の長 手をゆるめてやり!
(刑吏一、甚兵衛の前腕だけを自由にする)
甚兵衛 ほほう、わしゃ、こなな白い飯生まれて初めてじゃ。これ食べてええか。ぽんまに、食べてもええか。
刑吏一 快く食べるがよい。
甚兵衛 (うまそうに食べながら)おお、わしこななうまい物、食べたことがないぞ。頬っぺたが、落ちそうだ……。ほんまにこななうまい物、食べたことがないだ……(つづけさまに五つ六つ、食べる。ふと母たちに気がつく)……おおおっ母、甚吉! お前たちほしゅうないか。
 
1 Ryou 2013-12-17 21:26:40 [URL]

刑吏の長 最後も近づいたほどに、何ぞ遺言があればきき届けてつかわすぞ。
おきん わしゃ、こななことで、打首になるのは不承知じゃ。なんぼ、お上のなされ方でもあんまりじゃ。あんまりじゃ。
刑吏 この期に及んで、未練を申すな。本人が白状に及びたる上は、縁につながる不幸と諦めておれ!
おきん 何おっしゃるんじゃ。こなな阿呆のいうこと、お取り上げになったりして、あんまりじゃ。きこえんわ。きこえんわ。お上のなされ方がきこえんわ。(甚兵衛に)この阿呆。
甚兵衛 (気がないように笑う)あはははは。
おきん 何がおかしいんじゃ、この阿呆め! 親兄弟をこななひどい目にあわして、この阿呆め!
甚兵衛 はははは。
おきん ええ、この不孝者めが!
刑吏一 騒がしい。控え!
おきん (恨めしそうに黙る)
刑吏の長 甚兵衛! その方はなんぞ遺言はないか。
甚兵衛 (微笑しながら)わしゃ、何もないだ。村の衆が、みんな欣んで下さるけに、わしゃうれしいだ。うれしいだ。


(その時、村人の六、矢来の中へ駆け入る)
 
1 Ryou 2013-12-17 21:25:28 [URL]

(おきん母子、刑場の中へ歩み入る。舞台半回り、刑場の内部が見える。磔柱が矢来に立てかけられている。五人の囚人、甚兵衛を先に一列に引き据えられている。刑吏たちが後から入って来る。刑吏の長、床几に腰を掛ける)


刑吏の長 用意整うておるか。
刑吏一 万事整うておりまする。
刑吏の長 それでは、罪状を読み上げい!
刑吏二 (声高く読み上げる)

弦打村百姓 甚兵衛

その方儀、去る十三日領内百姓一揆騒動いたし候砌、右一揆に加担いたし、香東川堤において上役人松野八太夫に投石殺害いたし候始末、不恐御領主を仕方、不届至極につき、磔申付くる者也。
同人母 きん
同人弟 甚吉
同じく 甚三
同じく 甚作
その方儀、甚兵衛身寄につき、獄門申付くる者也。
 
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