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材大なれば用を為し難し

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スレッド名コメント作成者最終投稿
消費者とデジタルマーケティング1 Ryou 2013-12-17 21:23:01 Ryou
おきん こちらへ来るだ1 Ryou 2013-12-17 19:10:59 Ryou
おおわれや、藤作じゃねえか1 Ryou 2013-12-17 19:10:30 Ryou
開けてくれ! 開けてくれ!1 Ryou 2013-12-17 19:10:11 Ryou
一揆も、やっているときは1 Ryou 2013-12-17 19:09:50 Ryou
吉、きいたか1 Ryou 2013-12-17 19:09:35 Ryou
ああ痛い! 痛い!1 Ryou 2013-12-17 19:09:18 Ryou
甚三 吉兄い。どうしたんじゃ。1 Ryou 2013-12-17 19:09:02 Ryou
激しくこづき回しながら1 Ryou 2013-12-17 19:08:21 Ryou
勘五郎去る1 Ryou 2013-12-17 19:07:42 Ryou
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1 Ryou 2013-12-17 21:23:01 [URL]

パソコンやインターネットの普及している現代においてデジタルマーケティングは将来性があり、今後も発展していく可能性があるので多くの人々がデジタルマーケティングで利益を得ています。

アプリの開発販売による利益、SEOによる利益、広告による利益など様々なデジタルマーケティングで利益を得ている人は多く、デジタルコンテンツは多くの人々にとっての需要がとても高くなっています。

優れたコンテンツを提供すればデジタルマーケティングで利益を上げるのは難しい事ではなくきちんと市場を分析して参入すれば十分利益をあげられるようになっているので長期的に利益を上げたい場合はデジタルマーケティングは最適と言えます。多くの企業や個人が参入していて競争は激しくなっています。
 
1 Ryou 2013-12-17 19:10:59 [URL]

おきん こちらへ来るだ。こちらへ来るだ。われら、みんな隠れとれ。おっ母が、ええようにするだ。わしに委しとけ。わしが、ええようにするだ。わしが、われら、誰も行かんでええようにするけに。
甚吉 阿呆いうな! おっ母のような年寄、委しとけるけ。
おきん ええ、黙っとれ、お前らは。入っとれいうたら、入っとれ。入っとれ。


(おきん、息子たち三人を押し込むように、奥に入れる。そして、台所へ行く。出刃包丁を持って、母屋と牛小屋の間から奥底へ行くと、炬火の薪と手頃の竹竿を持って出てくる。先端を、出刃でとがらせる。それから、牛小屋の戸のしんばり棒をはずす。このとき、覆面をし手槍を持った一揆の首領二人、炬火を持った多くの一揆に囲まれながら、出てくる。村人勘五郎が、案内している)
 
1 Ryou 2013-12-17 19:10:30 [URL]

甚吉 おおわれや、藤作じゃねえか。
藤作 おお。この村も、加担じゃぞ。ええか。一軒で一人ずつ、人数を出すんじゃぞ。ええか。炬火と竹槍とを用意しとげ。ええか。後から、一揆の統領が回って来るけにな。
甚吉 (蒼白になりながら)合点じゃ。
藤作 加担の村が、二百十二カ村になったぞ。夜更けにお城下へ押し寄せて、御家老たちの家を叩き壊すいうとるぞ。はよう、用意せい。ええか。わかったか。
甚吉 わかった。わかった。


(藤作、駆け去る)


おきん (狼狽しながら)どうしよう。どうしよう。
甚吉 仕方がねえ。わし行くぞ。
おきん 阿呆いうな。後嗣のお前に万一のことがあったらどうするんじゃ。われは行くんじゃねえ。
甚三 兄貴は、家にいるがええ。わしが行くだ。わしが。
おきん われも行くでねえ。加担して、後で打首にでもなったら、どうするだ。
甚三 そなな心配がいるもんけ。何万という人数じゃもの。ただついて行っただけで打首になんか、なって堪るけい。


(急に炬火の火が近づいてくる。一揆らが近づいてきた物音がきこえる。寺の鐘、段々と鳴りつづける)
 
1 Ryou 2013-12-17 19:10:11 [URL]

甚兵衛の声 開けてくれ! 開けてくれ!
甚吉 阿呆め! お前は、そこですっこんでおれば、ええじゃ。


(村中が、ますます明るくなる。人声が嵐のように高まってくる。犬がけたたましく吠える。寺の鐘が殷々と鳴る。甚作駆け出す。やがて帰ってくる)


甚作 (蒼くなって、帰ってくる)えらいこっちゃ! えらいこっちゃ。街道筋は一面の炬火じゃ。
甚吉 え、なんじゃと。


(このとき、「一揆じゃ! 一揆じゃ! 一揆が来たぞ!」という、叫びが遠く近く聞えてくる)


おきん ああとうとう、来たんじゃのう。恐ろしいことになったのう。
甚三 御城下を、夜討ちにするじゃのう。
おきん まさか、こちとらに、仇はしやすまいのう。
甚吉 何、そなな心配があるもんか。一揆はこちとらの味方じゃないか。
おきん われら、みんな隠れとれ! 加担人させられたら、後が難儀じゃけに。
甚吉 まだ、ええ。まだ、ええ。こっちへ来るのには間がある。


(このとき、村人の一人、あわただしく駆けてくる)
 
1 Ryou 2013-12-17 19:09:50 [URL]

甚三 一揆も、やっているときは、景気がええがのう。後でまた、磔や打首が二、三十人はあるべい。
おきん 触らぬ神に、崇りなしじゃ。なるべくなら、誰も出んで済むとええがのう。
甚作 そうもなるまい。村で加担するとなると、家では若い者が揃っとるけにのう、一人二人は出ねばなるまい。


(この前より、周囲がほの明るく騒がしくなる。遠方が、火事でもあるように明るくなる。雑音がだんだん高くなる。遠い寺の鐘が鳴り始める)


甚作 (駆け出しながら)なんやろう。なんやろう。火事かしら。向うが真っ赤じゃ。
甚吉 ええ、なんじゃと。(出てくる)ほほう。赤いな。どうしたんじゃろう。どこぞで火事を出したのか知らん。
おきん ええ、火事じゃと。(出てくる)


(甚三も出てくる。親子四人とも、遠方を見て、不安に襲われる。寺の鐘激しく鳴る。牛小屋の戸がガタガタ動く)
 
1 Ryou 2013-12-17 19:09:35 [URL]

おきん 吉、きいたか。綾郡に一揆が起ったということを。
甚吉 きいたとも。御城下でえらい騒ぎじゃ。香東川の堤で、早馬に二度も行き会うたぞ。
おきん それでのう、御城下に押し寄せる道筋じゃけに、この村へも追っつけ来るでのう、加担するか加担せんか評議するためにのう、八幡様で暮六つから集りがあるから来いいうてな、勘五郎どんが、ふれて来たぞ。
甚吉 一揆の加担人か。こんな時、下手まごつくと首が飛ぶし、それかというて、後込みしとると一揆からひどい目にあうしのう。
おきん とにかく、行って来るがええぞ。それでのう、身をたしなんで、出しゃばらんがええぞ。先ばしりしてわしに心配させるでねえぞ!
甚吉 じゃ、ぼつぼつ行こうか。
おきん 飯食うてからにせい。評定が、長びくかも知れんけに。
甚吉 ああ、ど不具めと、取り組み合うて、えらいことお腹を空かせたぞ。
おきん (台所へ入り、鍋の蓋を開けて見て)あの阿呆め! 三切れも、食いやがった。われらに、一切れずつやろう思っていたら、当らんようになったぞ。


(兄弟三人、台所に腰をかけ、粟飯を茶碗に盛りながら、大根を鍋よりはさみ出しながら食う)
 
1 Ryou 2013-12-17 19:09:18 [URL]

甚兵衛 ああ痛い! 痛い!
おきん さあ、皆して、放り込んでしまえ! これからは、粟の飯ももったいないや。水だけでたくさんじゃ。


(三人は、母にいわれたごとく甚兵衛を手込めにして、牛小屋へ入れる)


甚兵衛 どうするだ! 何するだ! われたち! この兄をどうするだ!
甚吉 何が、兄だい! われのような不具の阿呆を誰が兄に持つものけ。
甚兵衛 どうするだ! どうするだ!
甚三 (次兄に加勢しながら)ええ、黙って、この中にすっこんでおれ!
甚作 (同じく手を貸して、担ぎ上げながら、二人の兄のよりは、やや優しく)盗み食いやこしするけに、こなな目にあうのじゃ。おとなしゅう、小屋の中へ入っているがええぞ。


(三人、※いている甚兵衛を、牛小屋の中へ担ぎ込んでしまう)


甚兵衛 何するだ! どうするだ。(叫びながら、担ぎ込まれる)
おきん 出られないように戸を閉めて、しんばり棒、こうとけ。明日から粟の飯一杯もやらんぞ。(やや声を低めて)今時、死んだとて、誰も不思議がりゃせんわい。


(甚吉、戸を閉め、棒を探してきて、しんばり棒をかう。この前より、周囲がようやく暗くなり始める)
 
1 Ryou 2013-12-17 19:09:02 [URL]

甚三 吉兄い。どうしたんじゃ。
甚吉 (甚兵衛を押えながら)この不具者めがな、今鍋の大根を、盗んで食うていやがるんじゃ。それでな俺が怒鳴りつけるとな、俺に食ってかかりゃがってな、俺の顔を殴ちゃがったんじゃ。
おきん 本当けい。この阿呆のど不具め。大根やこしお前の口へ入るものじゃねえだぞ。お前なんかに、粟の飯一杯も惜しいけどな、同じ人間の皮被ぶってるけにな、毎日一杯ずつ恵んでやっとるんじゃ。それを有難いとも思わんでようもようも盗み食いしやがった。吉、根性骨にしみるほどどやしつけてやれ。
甚三 おっ母、昨日畑の大根取ったのもこいつかも知れんぞな。
おきん そうじゃ。そうじゃ。それに違いない。みんなして、牛小屋の中へ追い込んでな。
甚兵衛 (まったく抵抗力を失いながら)なんぼ不具じゃとて長男の俺を牛小屋へ住わせて、粟の飯たった一杯ずつあてごうて……。
おきん 何いうぞ。この飢饉の時節に、粟の飯一杯じゃとて、惜しいぞ。吉、その頬げた一つひねってやれ。
 
1 Ryou 2013-12-17 19:08:21 [URL]

甚吉 (激しくこづき回しながら)不具者のくせに何いうだ。爺さんが、生きていたときに、庄屋様に願うて家屋敷とも俺の物になっているのだ。われは牛小屋でくすぶってりゃいいんだ。不具者のくせに、出しゃばるなよ。(激しくこづき回す)
甚兵衛 (激怒し)おっ母と兄弟三人とで共謀しやがって、長男のわしの物をみんな取っているのだぞ。この家の縁の下の塵までわしの物じゃ。
甚吉 何を、阿呆くさいことをいいやがるんじゃ。


(さらに激しく、こづき回す。甚兵衛、こづかれながら手を振り上げて、甚吉の顔を殴つ)


甚吉 おのれ、殴ちゃがったな。


(二人激しく格闘す。甚兵衛も、絶えず圧迫されながら、抵抗をつづける。そこへ母と一緒に兄弟二人帰ってくる)
 
1 Ryou 2013-12-17 19:07:42 [URL]

(勘五郎去る。おきん、不安らしく考え込みたる後兄弟をたずねるべく、つづいて退場する。――間――牛小屋に物音がする。やがて、この家の長男の甚兵衛が、そこから現れる。つぎはぎした膝までしか来ない着物を着ている。憔悴している。右脚はなはだしく短く、ちんばを引く。ひそかに周囲を見回したる後、台所に忍び寄り、鍋の蓋を開け、まだ半煮えの大根を、がつがつ貪り食う。しばらくすると、背負籠を肩にしたる次男甚吉、表から帰って来る。兄が大根を食っているのを見つける)


甚吉 何するだ! この泥棒猫め!


(兄の襟筋を掴み引きずり出す)


甚兵衛 (やや愚鈍らしく)われこそ何するだ! 何するだ!
甚吉 おのれ、おっ母の目を掠めて盗み食いをしやがる。われに、大根を食わせてたまるけ。
甚兵衛 わしやて、大根食いたいだ。この大根作ったのは俺じゃ。
甚吉 何を世迷言いうだ。作ったのは、われでもな、この家や、畑はおれの物じゃぞ。この畑にできるものはみんな俺の物じゃぞ。
甚兵衛 何いうだ。新田の藤兵衛伯父がいうた。われは長男じゃけにな、みんなわれの物じゃいうて。
 
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